不妊―赤ちゃんがほしい (幻冬舎アウトロー文庫)

著者 : 家田荘子
  • 幻冬舎 (2007年12月発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344410626

不妊―赤ちゃんがほしい (幻冬舎アウトロー文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 視野の広がる一冊。
    しかし、最近知ったのは、不妊治療を行う病院では妊娠期のケアはあまり行われないということ。不妊治療によって妊娠した妊婦さんは年齢が高かったり、ハイリスクであったりする。そのため、妊娠期に適切なケアを行わなければ安全に赤ちゃんを産むことができない可能性が高い。より多様なニーズに応えられる産科医療のあり方について考えさせられる。

    少子化になっても、産科でのケアの需要は増加するのかも・・・

  • 私がこの本を取った直接のきっかけは、映画SATC2で当たり前のことのように「来月赤ちゃんが生まれるの。代理出産なの。」と言っていた脇役がいて、子供を生まないつもりの主人公が「赤ちゃんは?」と聞かれて腹を立てるシーンを見たからかもしれない。
    まづひとつめ、「代理母」が当たり前に存在するアメリカへの違和感。人工授精はいいんじゃないの、でもいくらなんでも代理母は、人として人類ができる事を超えてるんじゃないのか、神への冒涜、とかではいかなくても、クローン人間だとかへの危機感、みたいなものがあった。でも私は何もしらないから。果たしてそんな事が言えるのか。
    次にふたつめ、結婚している夫婦に「子供は?」と聞いて腹を立てるとシチュエーションが気になった。

    「不妊症」や「不妊治療」に対して、私がこの本を読むまでに抱いていた知識や感想は以下。
    不妊症はかわいそう。電車でみかける安い不妊治療の広告をみていたとき、「あ、たったの10万円払ったら、人工授精でセックスしなくても子供できるのか。楽でいいなぁ。」
    不妊治療、とは、イメージ的には、女性のおりものか何かを性器の表面ちょっとさわって、取って、それに精子を振りかけて、受精させて、人差し指奥にいれるくらいの位置に、また置いてあげたら、妊娠する、みたいなイメージ。それくらい簡単なイメージだった。

    この本を読んで、まったく考えが変わった。
    不妊治療はとても費用が高い。健康な人なら費用は何もかからないところに、一回50万円だとか、卵子提供なら500万とかかかる。
    赤ちゃんをほしい気持ちは健康な人も、そうでない人も同じ、いや、できないって診断された人の方が大きいのに。なんて不公平なんだ、と思った。保険適用はした方がいい、せめて3割負担。
    望んで、望んで、赤ちゃんが、人が生まれるのだから、これくらい保険適用した方がいい。ホントに。

    不妊治療は、痛い。
    これはまったく予想していなかった。かつての私がAIDSが痛い、と知らなかったのと同じ。「AIDSは死ぬ。」の知識はあっても、それにる過程が痛みが伴う、という感覚が完璧に欠如していた。私はキンダベートを3日間直径3センチくらいの皮膚に塗るのさえ、ビビりまくって、ネットで調べたりしていたのに、不妊治療をする人たちは、ホルモン剤を毎日注射で打ったり、卵子に針を刺して(あー考えただけでも痛い!)、その後も痛みに耐えて寝込んだりしている。知らなかった。むしろ私は「不妊治療=セックスをせずに子供ができて、楽でいいなあ。」なんて思っていたのだから!
    何て失礼だったんだろうと思った。しかも、早く更年期が来たりだとか、副作用も多い、そしてそれの説明がなされていない。

    不妊の人たちが、そろって言っていたのが、「子供の写真付きの年賀状を見るのがつらい、腹がたつ。」これは本当に何回も何回も本の中ででてきた。「子供はまだ?」の質問に傷つく、というもの。
    この本を読んで、結婚して子供のいない夫婦に、自分の子供の写真つきの年賀状を送ることと、子供はまだ?と聞く事をしないでおこうと思った。
    この2つを決心できただけでも、この本を読んだ意味があったとおもう。

    あとは、テレビの「幸せ家族」のステレオタイプが、見てて悲しくなる、とのこと。だったら、テレビなんて捨ててしまえ。
    『こんな風にステレオタイプを皆にすりこんできて、だからこそ、周りの人は私たちに子供はなだ?と聞いてくるし、私たちに「あなた夫婦は子供がいないから不完全だ。」と言っているような感じだして、つらいのです(被害者 談)』、というのであれば、テレビは捨てた方がいい。そうやって、被害者でいつづける事もできるけど、あなたがそうやってテレビを見て、他のステレオタイプを植え付けられるのを選択し続けている以上、あなたは、誰かの加害者になるのだ。不妊以外の。

    そして、子供を見るだけでもつらい、とか妊婦さんを見ると流産してしまえ、とか思ってしまう自分が(人の幸せを素直に喜べない自分)つらい、というもの。
    私は、自分がまだ結婚できていなくても、他の人が結婚するのをねたんだりするのって、健康な考えじゃないし、例え、その感情が第一に出てきたとしても、自分でそこは大人なんだから、コントロールして、祝福できるように持っていかないといけないんじゃないか、と常々思っている。そして、未婚の私は、結婚する人たちを祝福できる。
    でも、どうやら、不妊の場合は、そう単純ではないみたいなのです。実際、とても大人な考えをもった普段客観的に物事を見れる女性も、一度の流産と、その後の不妊を経験して、その時のブログが本当にひどくて、「きっとなにか流産とか不妊って、そうやって頭でどうにか、できるもんでもないのかもしれない。」とは前から思っていた。この本を見ていても、ほんと、そうなのだ。
    でも、どうだろう?私は、不妊を経験したわけでもなく、私は絶対にあかちゃんが産める、と思っている。ので、今は外野だ。
    外野だからこそ、「きっと不妊の人は、すごくすごくしんどいのだから、人をねたんでも仕方がない。(人をねたむ権利がある)」みたいな感じで思っているような気もする。
    なんか、それも違うよな…。

    代理母情報センターも最初のイメージとても悪かった。「人身売買金儲けセンター」みたいな。でも、読むと、違った。
    本当に、人助けなのだ。

    読むまでは、代理出産に対して、「そこまでするぅ?」派だった。
    何も考えずに。でも読み終わったら、「そこまで、するやろ。だって方法があるんやもん。赤ちゃんがほしいんやもん。」になっていた。

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