むかしのはなし (幻冬舎文庫 み 12-1)

著者 :
  • 幻冬舎
3.32
  • (122)
  • (358)
  • (692)
  • (122)
  • (28)
本棚登録 : 3838
感想 : 428
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344410954

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 隕石衝突で地球が滅亡した後に"昔話"となるように語られたストーリーを集めた短編集。

    各編の冒頭にいわゆる"昔話"(かぐや姫、花咲か爺など)が載っているが、必ずしもそれがベースになってるとは思えない話もある。

    地球滅亡が前提だからか、少し変わった死生感、価値観を持った人を描いた話が多く、なんともいえない不思議な印象だけが残った。

  • 昔話には教訓が隠されている。地球滅亡という極限状態で教訓を活かせるひと、活かせない人を扱っている連作小説。
    地球から避難した人と地球とともに死んでいく人。どちらが幸せなのか?不安と恐怖に日々苛まれ、苦しい死に方をするのと引き換えに1日でも生を存えることを選ぶことに意味があるのか?
    究極の選択だな〜

  • むかし話をモチーフにした短編集です。とはいえ、そこまでむかし話に引っ張られている所は無く、読み終わる度に何モチーフだったかなあ?と見返す位の感じです。
    隕石が3か月後に地球に落ちて滅亡すると分かっている世界で、1000万人だけが抽選で宇宙に旅立つ。その時人々はどうするんだろうかという事が、短編が進んでいく毎に盛り込まれていきます。
    どれもふわっと終わってしまいますが、その後もこの人はこの世界で暮らしているんだなあと思わせる上手さがあります。
    三浦しをんさんは割と軽妙で、現代的な言葉を使う事が多いような気がするのですが、この本は文学的表現にこだわったような気がします。

  • 昔話が今、生まれるとしたら…という短編集の物語でした。そして、全て「語り」の様な形式で書かれていました。
    後半は、3ヶ月後に地球が終わるという事態を受けて、、というシチュエーション。
    全て、薄い薄い膜が貼られていて、その膜を通して物語を読んでいるような感覚に陥りました。
    「日本昔ばなし」とはイメージは違うけど、近未来の昔話。こんな昔話もあってもいいのかもしれない。

  • 昔話を元にした作品ではなく、
    〝今、「昔話」が生まれるとしたら〟を
    テーマに書かれた短編集です。

    かぐや姫、花咲か爺、天女の羽衣、
    浦島太郎、鉢かつぎ、猿婿入り、桃太郎の
    物語を三浦しをんさん風にしたら
    きっとこういう物語になる。

    短編はそれぞれ独立した物語かと
    思って読んでいましたが、
    どうやら隕石が落ちてくるらしい、
    というあたりから繋がっている
    作品だと匂わせがあります。

    ということは彼は彼の子供なのか、とか
    彼はあの人と同じ人物なのか、とか
    いろいろ想像も出来て面白かったです。

    「たどりつくまで」が特に好きです。

  • 隕石衝突辺りから、連作短編の様相を呈してきた。
    が、実は最初の話から流ればできていた。ももちゃんはホスト男の息子だったか…。
    むかしのはなしいうものの、さられと流れる記憶に残らぬものばかり。

  • 短い小説が続くがその文章は三浦しをんの世界。
    途中から地球に惑星が衝突するということが分かり選ばれた人たちだけが火星に移住して生き延びることが出来ると言う世界と成り、その移住前に起きる地球での出来事を短編で書かれたものが中心となっている。
    切羽詰まった世界でそれぞれが生きていく姿、助かることのない地球に残る人たちの残りの人生などお話しは色々。
    それぞれの最後の生き様が三浦しをんの世界の中で綴られている。

  • たまにはミステリ以外も読みたくなるねと選んだけどこれ何年前かに読んだことあったね。忘れてたけどラブレスでん〜既視感〜?と思いロケットの思い出でおお〜?となりディスタンスで完全に再読だこれ〜と確信したね…でもほぼ記憶なくてまた面白く読めた。隕石でぐっとSF感が出るのが好き。

  • 先祖が27に死ぬから自分も死ぬかもと思ってるホストとか叔父さんと姪のラブストーリーとか職業空き巣の男が同級生と空き巣中に家で偶然会う話とか

    あとは地球に隕石が落ちて他の星に逃げるためのチケットのはなしとか

    最後のモモちゃんの話が一番私的に微妙だった

    桃太郎とかの昔話が各短編の前に載ってる

    なんとなく短編同士繋がりのある感じある

  • 昔話をモチーフに現代に置き換えたお話で始まったと思ったら、隕石が3か月後に地球に衝突するという事件が語られ、7つのお話が結びついていく。昔話がモチーフ、が主題ではなくて、未来から見た現代が「むかしのはなし」だった。

著者プロフィール

1976年東京生まれ。2000年『格闘する者に○』で、デビュー。06年『まほろ駅前多田便利軒』で「直木賞」、12年『舟を編む』で「本屋大賞」、15年『あの家に暮らす四人の女』で「織田作之助賞」、18年『ののはな通信』で「島清恋愛文学賞」19年に「河合隼雄物語賞」、同年『愛なき世界』で「日本植物学会賞特別賞」を受賞する。その他小説に、『風が強く吹いている』『光』『神去なあなあ日常』『きみはポラリス』、エッセイ集に『乙女なげやり』『のっけから失礼します』『好きになってしまいました。』等がある。

三浦しをんの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有川 浩
三浦 しをん
伊坂 幸太郎
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×