- Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344410954
感想・レビュー・書評
-
隕石衝突で地球が滅亡した後に"昔話"となるように語られたストーリーを集めた短編集。
各編の冒頭にいわゆる"昔話"(かぐや姫、花咲か爺など)が載っているが、必ずしもそれがベースになってるとは思えない話もある。
地球滅亡が前提だからか、少し変わった死生感、価値観を持った人を描いた話が多く、なんともいえない不思議な印象だけが残った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
昔話には教訓が隠されている。地球滅亡という極限状態で教訓を活かせるひと、活かせない人を扱っている連作小説。
地球から避難した人と地球とともに死んでいく人。どちらが幸せなのか?不安と恐怖に日々苛まれ、苦しい死に方をするのと引き換えに1日でも生を存えることを選ぶことに意味があるのか?
究極の選択だな〜 -
むかし話をモチーフにした短編集です。とはいえ、そこまでむかし話に引っ張られている所は無く、読み終わる度に何モチーフだったかなあ?と見返す位の感じです。
隕石が3か月後に地球に落ちて滅亡すると分かっている世界で、1000万人だけが抽選で宇宙に旅立つ。その時人々はどうするんだろうかという事が、短編が進んでいく毎に盛り込まれていきます。
どれもふわっと終わってしまいますが、その後もこの人はこの世界で暮らしているんだなあと思わせる上手さがあります。
三浦しをんさんは割と軽妙で、現代的な言葉を使う事が多いような気がするのですが、この本は文学的表現にこだわったような気がします。 -
昔話を元にした作品ではなく、
〝今、「昔話」が生まれるとしたら〟を
テーマに書かれた短編集です。
かぐや姫、花咲か爺、天女の羽衣、
浦島太郎、鉢かつぎ、猿婿入り、桃太郎の
物語を三浦しをんさん風にしたら
きっとこういう物語になる。
短編はそれぞれ独立した物語かと
思って読んでいましたが、
どうやら隕石が落ちてくるらしい、
というあたりから繋がっている
作品だと匂わせがあります。
ということは彼は彼の子供なのか、とか
彼はあの人と同じ人物なのか、とか
いろいろ想像も出来て面白かったです。
「たどりつくまで」が特に好きです。 -
先祖が27に死ぬから自分も死ぬかもと思ってるホストとか叔父さんと姪のラブストーリーとか職業空き巣の男が同級生と空き巣中に家で偶然会う話とか
あとは地球に隕石が落ちて他の星に逃げるためのチケットのはなしとか
最後のモモちゃんの話が一番私的に微妙だった
桃太郎とかの昔話が各短編の前に載ってる
なんとなく短編同士繋がりのある感じある