- Amazon.co.jp ・本 (462ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344411319
作品紹介・あらすじ
淫乱に生きるしかない詩文。平凡に生きるしかない満希子。仕事に生きるしかないネリ。平凡に生きるはずだった美波。かつて私立女子校で同級生だった四人はそれぞれ別の人生を歩んでいたが、美波が四十一歳で事故死したことから、運命が絡みあう。残された三人の胸に愚かしくも残酷な「あの頃」が蘇り、それぞれの「嘘」が暴き立てられていく-。
感想・レビュー・書評
-
自分はどの女性とも少しずつ違うなと思うのだけど、共感できる部分はどの人にもありました。
ストーリー展開もテンポが良く、読みやすい書き方でもあるので、あっという間に読み終えてしまいました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
登場人物は4人の女性たち。彼女らは高校の同級生。だが、そのうちの1人が他の1人の元夫と事故死した。その2人は高校時代にその男性を取り合った仲だった。
けっして仲が良かったとは言えない残り3人、それぞれの道を歩んでいたはずが彼らの死をきっかけに接触し始める。
結局、タイトルの嘘ってのはなんだったのか。それぞれに隠し事はあったかもしれないが、誰かを騙すような嘘は誰もついていない。
何となく中身のない話だなと思った。 -
読むと止まらなくなった小説。女子校出身の4人が、41歳になって、それぞれの事情で、貪欲に、淫蕩に、諦め気味に、狡猾に生きている。皆、自分らしく生きてきたつもりが、プライドと違和感が入り混じって、不安と負けず嫌いな面が交差して…それがまたイイ。クラスで学級委員をやっていた人にも、集団行動がニガテだった人にも、読んでいて必ず心当たりがある部分が出てくる。新聞の連載小説だったようで、1ページ毎に先が気になってしょうがない感じがスゴイ! …あ、でも男性は読まない方がいいかも。女性の腹の底まで知らない方が、きっとシアワセな気がするので。。。
-
大石静の本はこれが初読。
功名が辻やセカンドバージンは楽しめたので、暇潰しも兼ねて、気軽に読んだ。
やはり大石静らしい部分がチラホラ見られ、「美波の責任、魅力がないという、美波の責任」などのセリフは、セカンドバージンを彷彿させた。
また、年下の若い男が、40に差し掛かろうとするだいぶ年上の女と関係をもつあたりも、同様だ。
そういった点で、大石静の描き方には幅がないのだろうと考えてしまったが、登場人物の行動がまったく理性で裏打ちされた小説に比べれば、ずっと引き込まれるものはあった。
しかし、文章が非常に苦手だった。これが読書中の、最大の壁となった。
物語に直接関係のない詳細な時間の描写や、必要以上にされている段落の切り替えのせいで、読むペースがなかなか掴めない。一人称が地の文に帰結しない、三人称文もそうだ。〜の使用などなど、その他、挙げればキリがない。マンガのような文章だった。
軽快でなくとも、読むペースが掴みやすい文章はたくさんある。ある種、文章の上手い下手の違いではないかと、つい考えてしまった。
さらに、登場人物の過去のシーンなどについては、時代が違うとはいえ虫唾が走った。
大石静は脚本向けの作家なのかもしれない。 -
米原万里さんが絶賛してたので読んでみました。
大石静さん脚本のドラマもいくつか見て、おもしろいと思ったので。
でも。
これはおもしろさが分かりませんでした。
嫉妬や羨望や優越感を持ちたい心理が根底にありながらも「友達」っていうのが、同じ女性だけど私には理解できない。
どの登場人物にも共感を抱くのはおろか、興味が持てないまま読了しました。
2020年39冊目。 -
高校時代、嫌いだった友人と、大人になってから心が通じ合ったりすることはそうそうないと思う
それに現実の世界では、こうもドラマチックな出来事が次々起こることないよなぁ
さすが大石静!
-
女のドロドロ。大人になっても囚われる女の人間関係。