ララピポ (幻冬舎文庫 お 13-2)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 4909
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  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344411661

作品紹介・あらすじ

みんな、しあわせなのだろうか。「考えるだけ無駄か。どの道人生は続いていくのだ。明日も、あさっても」。対人恐怖症のフリーライター、NOと言えないカラオケボックス店員、AV・風俗専門のスカウトマン、デブ専裏DVD女優のテープリライター他、格差社会をも笑い飛ばす六人の、どうにもならない日常を活写する群像長篇。下流文学の白眉。

感想・レビュー・書評

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  • 2005年初版。読んでいて、なんだか如何わしい新聞の連載小説のような印象を受けました。やたらと性的な描写が多い、登場人物の大半がロクデナシ。物語の構成は、エピソードの主役がリレーのバトンを渡すように続いて行く形。面白い。最後まで読んでみると登場人物たちのダメさ加減は、言うまでもないのですが、それぞれが懸命に生きている姿が可愛くなります。面白かったです。

  • どうしようもない男の性が溢れてて、官能的じゃない官能小説みたいな下ネタ話の数々。
    まさに下流文学の白眉と言える内容でした。
    読む人を選ぶが、個人的には嫌いではない作品。
    ララピポの意味も分かったし、満足。

  • 盗聴フェチのフリ-ライタ-、臆病なカラオケbox店員、文学賞受賞作家と風俗のスカウトマン、テープリライタ-のAV女優らが登場。どうにもならない日常を活写し、格差社会を笑い飛ばす<奥田英朗>サンの連作群像劇・・・〝白人とぶつかった。レディファーストの国の男らしく、笑みを浮かべて「ソ-リ-」と謝罪された。「こちらこそ」と会釈を返す。「ララピポ」と白人が肩をすくめて言った。「ララピポ?」「トウキョウ、人ガタクサン」ああそうか「a lot of people 」か。早口なのでララピポと聞こえた〟

  • 舞台は風俗社会でした。
    短編連作で構成は面白かったのですが、結局どうなのか よくわかりませんでした。
    タイトルも途中にでてくるのですが、それも作品の中の どのような意味を持っているのかも読みきれませんでした。
    内容が内容だけに、特に女性にはおすすめできないものでした。
    奥田氏の伊良部先生シリーズは面白かったので、そのシリーズの「町長選挙」を買ってきています。
    こちらは期待しているので、もうすぐ読みたいと思います。

  • 渋谷の道を歩く。通行人たちをぼんやりと眺めた。みんなどんな人生を送っているのだろう。みんな、しあわせなのだろうか。考えるだけ無駄か。泣いても笑っても、どの道人生は続いていくのだ。明日も、あさっても。白人が歌うようにつぶやいた言葉を思い出す。 (a lot of people)

  • 下流文学…というか、風俗系?の短編集
    こういう世界もあるのだな、と思うのだけれど興味のない分野なので楽しめなかった。ちょっと気持ち悪い……

    好き嫌いがはっきり分かれそうな気がするので、よく検討してから購入することをおすすめします。

  • これほど酷い小説は初かもしれない。
    登場人物が全てしょーもないんだけど、度合いは違えどあり得るなと。
    十人十色の人生!

  • 6人の登場人物、6つの短編。でも繋がっています。
    メッセージ性があるものではないけど、
    人間味が溢れている。
    しかも性欲という部分の。

    こういうの読んでると自分は真っ当に生きているなと思う。笑
    人と比べるものでないというけれど、本の登場人物と比較する分には敵をつくってないし、比べなきゃ評価できないところとか、いいところに気付くこともあるから勧めたい。

    でも誰しもみんな生きるために働いていますね。
    でもそういう仕事に対するモチベの人ってイキイキはしてないなど、反面教師。
    仕事って大事かも。


    劣等感感じてるとき、人と比べて落ち込むときに読んだらこのブラックコメディにある意味自分の生き方に勇気もらえると思います。

  • 賛否両論ありそうな内容の小説!
    僕は、深く考えずに楽しく読めました。しかし読了後にはなにも残らないし心には響かないですよ!そういう小説ではないので。
    ただただゲスでどうしようもない6人の独自ストーリだけどそれぞれ少しだけ交錯していく。それぞれが面白い話なので一気に読んでしまいました!

  • しょーもない人々(あえて底辺と呼ぶまい)が、それぞれ必死ででも半ば諦めながら生きています。冒頭から苦笑の嵐で、本書は電車の中でOLが読むのははばかられる一冊。過激な箇所もありますので、お気をつけください。
    短編6話はそれぞれ別の人物の視点で描かれていますが、他の短編に出てくる人たちと「絡み」があったりして、軽快でばかばかしいなかにもヒネリが隠されています。
    この作者は巨乳もしくはふくよかな女性が好きなんだろうな、と推測されます(笑)。
    あっという間に読めますが、万人に薦められるわけでもないな。理由はお察しくださいませ。

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著者プロフィール

おくだ・ひでお
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。2002年『邪魔』で大藪春彦賞受賞。2004年『空中ブランコ』で直木賞、2007年『家日和』で柴田錬三郎賞、2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『最悪』、『イン・ザ・プール』、『マドンナ』、『ガール』、『サウスバウンド』、『無理』、『噂の女』、『我が家のヒミツ』、『ナオミとカナコ』、『向田理髪店』など。映像化作品も多数あり、コミカルな短篇から社会派長編までさまざまな作風で人気を博している。近著に『罪の轍』。

「2021年 『邪魔(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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