永遠の旅行者〈下〉 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
3.92
  • (37)
  • (52)
  • (42)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 323
レビュー : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (364ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344411753

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  •  一応金融小説に分類したが、内容的にはサスペンスがほとんど。ニューヨークやハワイの様子や、国際的な租税回避スキーム、さらにシベリア抑留者の体験などが織り交ぜてあったところは興味深く読めたが、どの登場人物にもあまり惹かれることなく読み終わった。少し登場人物の心情変化についていけなかったり、心理描写にリアリティが感じられなかった。
     文体や全体の構成としては村上春樹の小説に似たものを感じたが、それぞれの登場人物の思想が今一つ納得いかなかったように思う。

  • まゆ、麻生、祐介それぞれの思いがわかって来て悲しくなる。

  • おじいちゃんの遺産が 20億円。
    行方不明のお父ちゃんの借金が 150億円。
    その孫へ おじいちゃんは 税金を払わないで、
    孫に 20億円を譲りたいと言う。
    このスキームを 恭一は どう達成するのか?

    150億円は 債券化されて、菱和債権回収がもっている。
    BVI ブリティッシュヴァージンアイランズ。
    カリブ海のタックスへイヴンの国。
    そこの ケーエイチコーポレーションが 菱和債権回収から
    1000万円で購入している。
    ケーエイチコーポレーションは 堀山の会社であった。

    行方不明のお父ちゃんは、ハワイでレストランをやっていて、
    そのレストランを 堀山に 売った。名義はそのままだった。
    それは、アメリカに住むためのビザ取得の役割を果たす。

    堀山は 恭一に いろいろ相談している。
    本来ならば、恭一は 堀山を追求すべきだが、
    あまり、そのことを問題としない。
    恭一が BVI に会社をつくり、その債権を堀山から、買い取る。

    恭一は、そのかわり 海外にある300万ドルを
    日本で 使えるようにすると約束する。

    お父ちゃんはなくなっても、孫は相続放棄をしない。
    おじいちゃんは、孫の保証人になる。
    おじいちゃんの遺産を 処分して、債権と相殺する。
    恭一の会社が シンガポールの信託会社に 孫の名義で、
    20億円を送金して、毎年 税金がかからないお金を信託として
    送り込むことで 税金は 払わなくてもよくなる。
    この 信託銀行への20億の送金が、贈与税 なしなのがスゴイ。
    孫は 日本の非居住者になればいいとか。 
    それで、お父ちゃんが 借金していたことが、
    クリアーするわけだ。

  • 税金は恐ろしい。。

  • 長いから中途半端になる。

  • 星は3.5個といったところ。
    金融専門知識がないので、所々理解出来ない部分もあった。
    上巻での、えーーー、かっこつけすぎ!と笑ってしまう場面を小説と思って我慢して、読み進めて行くと、下巻はかなり楽しめる。
    橘玲氏のマネーロンダリングもおもしろかったので、もっと金融小説を書いて欲しいと思う

  • 元弁護士・真鍋に、見知らぬ老人麻生から手紙が届く。「二十億の資産を息子ではなく孫に相続させたい。ただし一円も納税せずに」重態の麻生は余命わずか、息子悠介は百五十億の負債で失踪中、十六歳の孫まゆは朽ちた家に引きこもり、不審人物が跋扈する。そのとき、かつてシベリア抑留者だった麻生に殺人疑惑が浮上した。
     まゆは幼い頃に母を殺された未解決事件にまだ苦しんでいた。アメリカで失踪した悠介の居場所はつかめない。麻生の死期は迫る。真鍋には時間がなかった。そもそも麻生はなぜ無税の相続に拘るのか?そして、まゆが何者かに誘拐された―。人間の欲望と絶望、金と愛情、人生の意味までを、大胆かつ繊細に描ききった新世代の『罪と罰』完結。

  •  アメリカで失踪した悠介の足取りがわかってきて、娘のまゆも回復に向かい、恭一は真相に近づいて行く。本当は、誰が、まゆの母親を殺したか。その答えが、謎のメッセージを送った犯人とともに、物語をクライマックスへと向かわせる。
     税金、金融という無機質な題材を、物語のエッセンスとして取込み、より高いレベルで昇華させていく。20億円相当の資産を非課税でまゆに相続させるには、オフショア口座で債務を抱える方法を使う。お金を取り合うマネーゲームのようでいて、人生論に近い生き方の話がメインとなっていく。クールな表現とスリリングな描写の落差と、生々しいセリフが良かった。
    生きる中で避けて通れないこと。金融、語学、IT。それぞれ向き合い方はあるけれど、仕事も家庭もプライベート、そして人生を楽しく、思いっきり生きたい。

  • 税金を逃れる方法として永遠の旅行者となる話なのだが、実はハードボイルドサスペンスミステリー

  • いっきに上下巻とも読めました。あまり書くとネタバレになりそうですが、とてもよかったです。

全19件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

橘 玲(たちばな あきら)。1959年生まれ。早稲田大学卒業。2002年『マネーロンダリング』でデビュー。同。元・宝島社の編集者。日本経済新聞で連載を持っていた。海外投資を楽しむ会創設メンバーの一人。2006年「永遠の旅行者」が第19回山本周五郎賞候補となる。デビュー作は経済小説の「マネーロンダリング」。投資や経済に関するフィクション・ノンフィクションの両方を手がける。2010年以降は社会批評や人生論の著作も執筆している。

永遠の旅行者〈下〉 (幻冬舎文庫)のその他の作品

橘玲の作品

永遠の旅行者〈下〉 (幻冬舎文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする