- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344411821
作品紹介・あらすじ
ヘルシンキの街角にある「かもめ食堂」。日本人女性のサチエが店主をつとめるその食堂の看板メニューは、彼女が心をこめて握る「おにぎり」。けれどもお客といえば、日本おたくの青年トンミひとり。ある日そこへ、訳あり気な日本人女性、ミドリとマサコがやってきて、店を手伝うことになり…。普通だけどおかしな人々が織り成す、幸福な物語。
感想・レビュー・書評
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母を早くに亡くし、
「人生すべて修行」という言葉が口癖の父のもとで育ったサチエ。
自分の店を持つ夢を叶えるべく頑張る話。
かと思ったのですが、、、
宝くじがあたり、父親をおいてひとり海外へ。
念願だった自分のお店を持ち、
のんびりとした生活を手に入れますが、、、
”のんびり”できるのは、
一億円を持ってる故の余裕から…?
合流したミドリも、
初めはお店の経営が芳しくないことを心配して、
サチエとぶつかりながら、あれこれ試行錯誤を試みるが、サチエが大金を持ってると分かった途端、
その情熱は何処へやら。
うーん。
あんまり好きになれなかった作品。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
片桐はいりさんの「グアテマラの弟」、「私のマトカ」に続いて、小林聡美さんの「凛凛乙女」ときたら、次は「かもめ食堂」ですよね~
映画も観てしまったので、この1週間はちょっとフィンランドに浸りました。
大きな出来事がおきるわけでもないのですが、雰囲気はすきです。
登場人物もいいですね、漢字のネーミングはすごい。トンはやっぱり豚だったか・・・それを無邪気に喜んで練習するほうもするほうだが。
幻冬舎さんのKindleセールに感謝です。
まとめて読むと、撮影当時の空気まで感じられるような気がします。
かもめ食堂はもっと木の香りがするお店だともっとよかったかな。(これは映画のお話ね。声が反響するくらい無機質で、北欧感がなかったなあ。みなさん、どうなんでしょ? 北欧って木のイメージ、デザインに優れたイメージはないでしょうか?) -
シベリウスの交響曲を聴きながらさらーっと流し読み。
いい世界観ですね。
もともと私自身も北欧好きなので気に入りました。
かもめ食堂の素朴なところもとてもいいです。
残念ながら北欧の国には一度も行ったことがないんだけど
やっぱ一度は行ってみたいな~と思わせる内容でした。
サチエさん曰く
どこに住んでいても、どこにいてもその人次第なんですよ。
その人がどうするかが問題なんです。
しゃんとした人は、どんなところでもしゃんとしていて
だめな人はどこに行ってもだめなんですよ。
きっとそうなんだと思う。 -
小林聡美、片桐はいり、もたいまさこが出演している映画のために書き下ろされたと聞くと、
もうわかる。
それぞれの役者が目に浮かび
作品が読みながら出来上がって、抜けられない。
役者が作品を作っている「映画は見てないが」
やはり無で作品と向き合うのが良いな、
完成された作品。
まあ、ゆったりとした流れで、まあ良いのかも。
結構内容にはツッコミを入れていた。
自分には読んでも読まなくても良い。
フィンランド雑貨が好きで
イッタラを集めていた。
きれいだよね。
久しぶりに、また雑貨を見たい!
フィンランド雑貨の人気は
この映画も関係してる?わからないけど。 -
フィンランドのイメージに合った、ほっこりした温かい気持ちになる作品でした。
日本人女性が宝くじが当たったこと等をきっかけに、フィンランドで食堂を始めるわけですが、開店からの日常をゆっくりながらも良いテンポで描かれているなと思いました。読み終わると、おにぎりが食べたくなります(笑)
途中に出てくる挿絵もシンプルで、なんだか可愛い。文章もそんなに長くなくて読みやすかったです。 -
片桐はいりさんの「わたしのマトカ」を読んで、手に取りました。映画も随分まえに観たので思い出しながら読みました。ゆっくり、のんびり、穏やか、この3つの言葉が思い浮かびますね。こんな風に過ごしたいですね。
フィンランドに行きたくなります。 -
フィンランドでおにぎりをだす食堂をはじめたサチエと、そこで共に働くことになったミドリとマサコ、そして常連になる日本びいきの学生・トンミくんをまじえた、ささやかであたたかな物語。
サチエが宣伝もせずにひとり、飛び込みではじめた「かもめ食堂」。おにぎりはさっぱり売れないのだけれど、コーヒーやシナモンロール、パンや軽食は少しずつ注文されるようになっていく。その日々がおおらかな文体でゆったりやわらかく進められていきます。「文学」なんて硬さはありません。「小説」といったようなてらいもありません。なんのひけらかしも、頭のよいところをみせるような技巧もありません。ともすれば、そここそが本作品の心地よさを作りだしている手法となっているのかもしれません。そうなんです、読んでいて、言葉の柔らかさも表現やストーリーの柔らかさも、とても心地よいのでした。
おにぎりをマサコが食べるシーンでは、周りのフィンランド人たちが興味と好奇心から口々におにぎりについて言葉にするさまが可笑しい。
「黒い紙よ」
「白に黒のコントラストの食べ物って、見たことあるかい」
「御飯の積み木みたい」
「あれが、このメニューにあるおにぎりなのか」P169
こういう物語が多くの人に受け入れられることについて、みんな疲れているからじゃないだろうか、なんてことが思い浮かびはするのです。けれども、この物語の味わいこそがおいしく握られたおにぎりのようなんだと気付くと、色合いが違って見えてきます。地味だし素朴なのだけれど、食べるとおいしくて力が出てくる。この物語もそういった味わいがあります。そして、鮭やおかかといった中身の具のようなアクセントも、随所で物語の盛り上がりとしてあるのでした。
また、すこしだけ効いた塩味めいた箇所もでてきます。たとえば、ひとりで店をはじめたばかりの子どものように見えてしまうサチエの様子を外からうかがうフィンランドの人のセリフ。
「児童虐待じゃないだろうね。元気に楽しくするしかないって、あきらめているんじゃないだろうね」P6
上記のセリフを含めて、日常の温度感でさりげなく、「そういうものだからなあ、仕方ないんだよ」としての感覚で、世の中・人の世知辛さが描けているところがあるのが本作品を手にして思わぬところではありましたがよかったところです。ミドリにしてもマサコにしても、そういった境遇・環境にあってフィンランドへやってきています。彼女たちの背景としてあるものは、女性であることでの不利益でもありました。
世知辛さだけではなく、どうしようもできないような割り切れない状況や環境に運命によって身を置かれてしまう大変さも、登場人物の過去つまりその人物の今に至る要因・背景として、さらりと書かれているのもよいところなんです。ある意味、恨みや憎しみで書くよりか、さらりと書かれたほうがほんとうですから。それがおにぎりの塩味めいていました。
といったような、素朴な豊かさを宿した作品です。手にする方は、コワモテで読んではいけませんよ。 -
かもめ食堂は映画、原作ともに大好きなお話です!かもめ食堂で出てくる食器を集めたり、そのお皿におにぎり乗せたり真似したのが懐かしい。原作を読んだのでまた映画が見たくなりました。やはり原作にはない黄金のキノコの謎が気になる(笑)
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『かもめ食堂』読了。
気がついたら読み終わっていた。テンポよく読めたのでとても面白かった…!こんなお店が近くにあったら行きたいなって思うくらい。
おにぎりの味を守ろうとするサチエ。それは父からの教えを守り通そうとしている姿だった。国境を越えても受け継ごうとする姿勢は素敵だった。
フォロワーさんが映画をオススメしてくれたのがきっかけで読んだけど、きっと映画も素敵なんだろうな〜誰かが握ってくれるおにぎりが食べたい!
2020.5.19(1回目)
著者プロフィール
群ようこの作品






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