かもめ食堂 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 5384
レビュー : 784
  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344411821

作品紹介・あらすじ

ヘルシンキの街角にある「かもめ食堂」。日本人女性のサチエが店主をつとめるその食堂の看板メニューは、彼女が心をこめて握る「おにぎり」。けれどもお客といえば、日本おたくの青年トンミひとり。ある日そこへ、訳あり気な日本人女性、ミドリとマサコがやってきて、店を手伝うことになり…。普通だけどおかしな人々が織り成す、幸福な物語。

感想・レビュー・書評

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  • フィンランドのヘルシンキにある「かもめ食堂」。それぞれ日本での人生に何らかの思いをもち、思い切ってヘルシンキにやってきた3人の女性。派手な広告も出さず、ひたすら口コミだけで一所懸命、日本のおにぎりを売り込もうとする。

    30代、40代、50代、それぞれ日本で自分の置かれている状況に疑問をもち、日本を飛び立った3人。特に主人公のサチエさん以外の二人はすごい。なんのあてもなくフィンランドまでひょいと来れるなんて。でも、冷やかしで見ていた地元の人達が次第に変わっていく様子が実に微笑ましい。おにぎりがなかなか受け入れられないというのはすぐに想像がつく。海苔というものを食する文化がなく、体内で消化する酵素さえ持ち合わせていない欧米人にとっては、海苔というのはちょっとした奇異なものに映るのかもしれない。(ちなみに余談だが、フランス人にお土産で、草加せんべいなどを持って行ってもイマイチ不評だ。海苔がきになってしょうがないみたい)

    しかし自分が海外に行った経験から、この物語は一見とてもライトに比較的にスムーズに軌道にのっているように見えるかもしれないが、海外で日本人がレストランを経営して繁盛させるのは並大抵の努力ではないと思う。まだニューヨークやパリなど、先進的なものが好きな人が多く、人種のるつぼの都市圏はマシだと思うが、フィンランドのヘルシンキとくれば、かなり警戒され、繁盛するなど到底並外れた努力では済まないと思う。そういう意味では、この物語、私はそれぞれの事情を抱えた3人の女性を応援する気持ちで最後まで読んだ。いや、実は今も応援しているのかもしれない。

    日本は島国で、狭い価値観、共通の価値観にとらわれやすく、また超高齢化社会など難しい時期にも差し掛かってきている。この物語は今の日本人にはすごく刺さるものがあるのではないだろうか。

    微笑ましい「かもめ食堂」。旅先ではほんのちょっとした心の交流で旅自体がすごくいい思い出になったりもするものである。こんな素敵な食堂があるなら、いつの日か私もヘルシンキを訪ねてみたい。

  • 久しぶりの再読。やっぱりいいな♪殺伐としたものから解放されて、ほのぼのとした。

    「ラレラ、ラレラ、ラレラーッ」とか、「美加発記念」、「豚身昼斗念」、「ミッドーレサン」など、笑いまくってしまった!


    =どこにいてもその人次第なんですよ。その人がどうするかが問題なんです=152ページ

    =自分さえちゃんとしていれば、何とかなりますよ。=201ページ

    このあたりがゆるく前向きになることが出来る、癒し系の作品。トンミくんがいい味だしまくり(o^∀^)

    久しぶりにおにぎりをにぎった。コンビニおにぎりじゃないおにぎりはおいしいな♪あと、どうしようもなく生クリームたっぷりの、シナモンロールが食べたくなる。けどおいしいシナモンロールがなかなかない(TωT)

  •  フィンランドを身近な国として日本中に知られるきっかけを作った映画「かもめ食堂」の原作です。

     映像を見るか、原作を読むか、迷うところですが・・・

     
     すばらしい映像をまずは見てほっこりして、

     原作はフィンランドの素敵な景色を思い浮かべながら読み進めるといいと思います。原作は、映画ではわからない主人公サチエの日本での暮らし~かもめ食堂を開くまで、食堂のネーミングの由来等が判明します。また脇役のミドリやマサコの気持ちや背景もよくわかります。
     
     そして、もう一度映像をみると、素晴らしい景色と登場人物たちの気持ちがマッチングして、より楽しく、ほっこりできる感じがします。 
     

     

  • どんだけ歳取っても人生決めるのは自分だし、左右するのは人との縁なのかな。ただ、宝くじは当たらない。

  • いきなりヘルシンキのかもめ食堂である。厳格な武道家の父に育てられたサチエ、日本オタクの青年・トンミくん、そして訳ありの日本人旅行者2人が加わり、フィンランド生活……と言っても、かもめ食堂を中心とした何気ない日常を描いた小説だが、すいすいと読了できた。

  • のんびり優しい小説。自分のお店を出したいけどお金がないところに突然宝くじが当たったりなど無理矢理なストーリー展開もあるが、それに気を取られすぎないほど本筋が面白く楽しく読めた。

  • 昔、映画を観たことがあったが良い印象だったので小説でも読んでみることに。
    少し心を病んでいたけれど、幸せな気持ちになれる物語だった。
    こんなお話に、もっと出会いたい。

  • 「人生すべて修行」

    強くなりたいだとか、勝ちたいだとかいう目標達成のために励む修行と同じように、将来おとずれるチャンスのために用意された困難なら、これも修行。そのために用意された修行なら、私、がんばらなくちゃな、と思う。

    人生はいつだってやり直せる。
    でも、そのためには自分で考えて、何かアクションを起こさなきゃ。自分がやるべき事、できる事をやり尽くしてしまったなら、後は周りの人間や出来事が、巡りあって、なんとかしてくれる。自分の軸となるものを大切に守り、こつこつ努力を惜しんではいけないのだな。



    そう、おもいました。

  • 北欧の街ヘルシンキ。
    どこかしら似通った3人の女性たち、サチエ、ミドリ、マサコが織り成すほのぼのとした温かい物語。
    おにぎりについて、もう少し話を膨らませてほしかったなぁ。

  • すごく、すごく、こんな生き方してみたい。
    えいっ、て行く場所を決めるって、いいなぁ。

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著者プロフィール

群 ようこ(むれ ようこ)
1954年、東京都生まれ。日本大学藝術学部文芸学科卒業。広告代理店に就職するが半年で退職。6回の転職を経て「本の雑誌社」に事務職で入社。やがて本名で『本の雑誌』に書評を執筆しはじめ、1984年『午前零時の玄米パン』でデビュー。同年退社し、作家専業となる。
代表作として映画のために書き下ろした『かもめ食堂』、ドラマ化された『パンとスープとネコ日和』など。

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