かもめ食堂 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
3.77
  • (534)
  • (703)
  • (712)
  • (128)
  • (19)
本棚登録 : 5370
レビュー : 783
  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344411821

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • フィンランドのヘルシンキにある「かもめ食堂」。それぞれ日本での人生に何らかの思いをもち、思い切ってヘルシンキにやってきた3人の女性。派手な広告も出さず、ひたすら口コミだけで一所懸命、日本のおにぎりを売り込もうとする。

    30代、40代、50代、それぞれ日本で自分の置かれている状況に疑問をもち、日本を飛び立った3人。特に主人公のサチエさん以外の二人はすごい。なんのあてもなくフィンランドまでひょいと来れるなんて。でも、冷やかしで見ていた地元の人達が次第に変わっていく様子が実に微笑ましい。おにぎりがなかなか受け入れられないというのはすぐに想像がつく。海苔というものを食する文化がなく、体内で消化する酵素さえ持ち合わせていない欧米人にとっては、海苔というのはちょっとした奇異なものに映るのかもしれない。(ちなみに余談だが、フランス人にお土産で、草加せんべいなどを持って行ってもイマイチ不評だ。海苔がきになってしょうがないみたい)

    しかし自分が海外に行った経験から、この物語は一見とてもライトに比較的にスムーズに軌道にのっているように見えるかもしれないが、海外で日本人がレストランを経営して繁盛させるのは並大抵の努力ではないと思う。まだニューヨークやパリなど、先進的なものが好きな人が多く、人種のるつぼの都市圏はマシだと思うが、フィンランドのヘルシンキとくれば、かなり警戒され、繁盛するなど到底並外れた努力では済まないと思う。そういう意味では、この物語、私はそれぞれの事情を抱えた3人の女性を応援する気持ちで最後まで読んだ。いや、実は今も応援しているのかもしれない。

    日本は島国で、狭い価値観、共通の価値観にとらわれやすく、また超高齢化社会など難しい時期にも差し掛かってきている。この物語は今の日本人にはすごく刺さるものがあるのではないだろうか。

    微笑ましい「かもめ食堂」。旅先ではほんのちょっとした心の交流で旅自体がすごくいい思い出になったりもするものである。こんな素敵な食堂があるなら、いつの日か私もヘルシンキを訪ねてみたい。

  •  フィンランドを身近な国として日本中に知られるきっかけを作った映画「かもめ食堂」の原作です。

     映像を見るか、原作を読むか、迷うところですが・・・

     
     すばらしい映像をまずは見てほっこりして、

     原作はフィンランドの素敵な景色を思い浮かべながら読み進めるといいと思います。原作は、映画ではわからない主人公サチエの日本での暮らし~かもめ食堂を開くまで、食堂のネーミングの由来等が判明します。また脇役のミドリやマサコの気持ちや背景もよくわかります。
     
     そして、もう一度映像をみると、素晴らしい景色と登場人物たちの気持ちがマッチングして、より楽しく、ほっこりできる感じがします。 
     

     

  • 昔、映画を観たことがあったが良い印象だったので小説でも読んでみることに。
    少し心を病んでいたけれど、幸せな気持ちになれる物語だった。
    こんなお話に、もっと出会いたい。

  • はーーーー。ほのぼのするー。癒やされた。

    ゆったりした、でも、ダラダラ、ではない、時間。

    サチエの、芯を貫く強さと優しさが中心にあるからこそ、かもめ食堂は集まる人の心を穏やかにする。質素で強く優しく。理想像をまた一人見つけてとても幸せな気持ち。

  • 私もいつか、こんな食堂を新天地で開きたいです。

  • 淡々とした文章の中に、あたたかさを感じる作品。また、登場人物のキャラクターにセンスを感じる。
    フィンランドや登場人物に対して、敬意を持って書かれたものなんだなぁと、あたたかい気持ちになった。本当に読んで良かった。

  • 映画を観て、大好きな作品だったが、原作は今回初めて読んだ。
    やっぱ良い~このゆる~いけど、一本筋の通った暮らしは、憧れだ。
    映画を先に見ていると、ついつい映画の配役が頭に浮かんできてしまうけど、雰囲気がピッタリで、配役の妙にうなる。

  • 絵本のような小説。皆優しい心を持っていて、頑張っていればなんとかなるのかなと思えてくる。人間っていいな、みたいな気持ちにさせられる。色々と事件は起こるけれど、全てしっかりと丸く収まっていく。しっかりと。
    現実にはなかなか難しいかもしらないけれど、独身の少し歳のいった女性たちも、こんな暮らしをしていたら日々楽しいかもしれないな、世の中捨てたもんじゃないなぁなんて思った。

  • 映画のための書き下ろしだそうです。何気ない日常の話なのでしょうが、舞台が日常ではないし、そこに行くまでがドラマです。でも、人間の暖かみが随所に感じられて癒されます。お父さんが遠足の日に初めておにぎりを作ってくれたくだりは、じーんときました。

  • 随分前に読んでいたのを、再読。
    大人になったからでしょうか。退屈に思えた内容が、じんわり心に響きました。
    とりあえず、宝くじでも買おうかと思っています。笑

著者プロフィール

群 ようこ(むれ ようこ)
1954年、東京都生まれ。日本大学藝術学部文芸学科卒業。広告代理店に就職するが半年で退職。6回の転職を経て「本の雑誌社」に事務職で入社。やがて本名で『本の雑誌』に書評を執筆しはじめ、1984年『午前零時の玄米パン』でデビュー。同年退社し、作家専業となる。
代表作として映画のために書き下ろした『かもめ食堂』、ドラマ化された『パンとスープとネコ日和』など。

かもめ食堂 (幻冬舎文庫)のその他の作品

かもめ食堂 単行本 かもめ食堂 群ようこ

群ようこの作品

ツイートする