かもめ食堂 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344411821

感想・レビュー・書評

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  • もう何年も前だけど、小林聡美さん主演の映画を観賞してすごくほのぼのとした作品で良かった印象があった。
    原作もほのぼのとした話なんだけど、映画の方が好みだったかな。
    サチエさんのお父さんの言葉、【人生すべて修行】が心に残った。フィンランドという異国の地で食堂を始めたサチエさん。最初のうちは本当にやっていけるのか?と思う程のお客さんしか来なかったけれど、諦めずに続けた結果、沢山の人が食堂を訪れてくれるようになったんだなーと。
    何事も辛い時があっても長く続ける事が大事、そんな風に思った。

  •  登場するのは、ある程度、人生を生きてきて、折り返し地点を迎えた女性たち。で、ああ、気がつけば、平々凡々に時が経っていたな、そう思えるような女性3人だから、
    この「かもめ食堂」は、より際立って、素敵な場所になっています。

     例えば、彼らは共通して結婚していなくてでも、しっかり誰に迷惑をかけるわけでもなく、生きてきた。

     ステレオタイプの幸せとは違うから、思い思いに、これで良いのか、という思いもあって、どうにかして、自分で楽しもうと繰り出した先に、偶然、かもめ食堂が出現するわけですよね。

     最初は無謀にも海外で「かもめ食堂」を立ち上げた女性一人のその一歩は、ポジティブな気持ちで、不思議な力が働いて、一人また一人と、引き寄せられて、スタッフが増えていくわけです。

     それこそが、漫然と過ごしているはずなのに、それまでとは明らかに違う、漫然としていない、光り輝く平凡な日々になっていて、それがなんとも素敵なのです。

     明らかに前とは違った楽しくポジティブで生き生きとするその光景に、読んでいる僕は力をもらえました。

  • 読みやすいです。

    映画を観ていたので、本を読みながらも小林聡美さん、片桐はいりさん、もたいまさこさんで脳内再生されました。

    おにぎりから伝わる父の愛情がサチエを幸せな気持ちにさせてくれたから、サチエも想いを込めて握る。
    そんなサチエのおにぎりが美味しそうで、私ならどれを頼もうかな?なんて想像しながら楽しく読みました。

    とりあえずお金の心配がないからゆったりした気持ちで出会う人を迎えられるのかなとは思うけど、嫌な人が出てこないので平和に読み進められます。
    サチエのおにぎりみたいなお話です。


  • どんどん読み進めてしまうほど、文章も分かりやすく物語も素直に進んでいきました。
    こんなのあり得るの?ということも起きますが、こういうこともあるかもしれないという境目が曖昧で、実話を元にした話ですと言われたら信じてしまうかもしれません。
    それくらいフィクションと日常の織り交ぜが上手な作品だと感じました。
    古い作品なので、幸せの在り方がこの時代ならもっと新鮮だったかもしれません。
    ☆4に届く内容でしたが、日常過ぎて盛り上がりに欠けたのと、おにぎりの扱いが最後まで…だったのが☆3になった理由です。

  • 再読。人との出会いについて考える。自分と合う人と出会うために生きている、と誰かが話していたのを聞いたことがある。ひとつの結果が異なっていたら成立しなかった関係性。三人は出会うべくして、ヘルシンキという土地で出会えたんだろうな。

  • ほんわかな世界観。読んだあと優しい気持ちになれる。フィンランドに旅したくなった。
    映画も観ましたが、キャストも小林聡美、片桐はいり、もたいまさことおなじみメンツで、映画も良かった。

  • ふらっとフィンランド行ってみたくなった。
    日本では色々悩みとかあって、訳ありでやってきたのに、なんだかほぐれていくのが素敵だった!

    あと、トンミくんがウザかわいい。

  • 読みやすい。すぐ読める

  • 小豆島に行った時、この食堂に憧れて始めたという食堂をみつけ、題名を知りました。
    8年ほど経った今ようやく手に取りました。

    大きな起承転結があるわけではないですが、自分の人生に思い切った決断をした人たちの日常を垣間見るような作品です。ほっこりした気持ちになりたい人におすすめです。

  • 好みは分かれそうなですが、ごく普通にいそうな方々のほっこり話で個人的には嫌いじゃない話でしたw

    劇的に何か得られるというわけではないですが、くすっと笑えるところもあり疲れた心を癒したい方におすすめです。

  • ヘルシンキの街かどにある「かもめ食堂」。
    38歳独身のサチエが単身ヘルシンキで開いた食堂。フィンランド人に全く受け入れられない看板メニューはおにぎり。
    最初はお客さんもおらずひっそりした店に、日本かぶれのトンミくんや訳ありの日本人女性ミドリとマサコが加わりお客さんも徐々に集まってくる。
    普通だけど暖かい人々とのやりとりが優しい気持ちになる一冊でした。

  • ほっこりするお話だー。全く馴染みのないフィンランドで食堂を始めたサチエと、ワケありなミドリとマサコ。フィンランドののんびりとした空気が読んでて伝わってくるような、そんな作品だった。
    おにぎり、食べたくなったな。

  • 群ようこさんの作品、初読み
    一念発起して日本を飛び出し、フィンランドで店を開きたくましく生きていくサチエの元に、訳ありの人達がそれぞれ店にやって来て触れ合っていく話
    特に大きな事が起こるわけでもなく淡々とした文章なので肩肘張った感じはないものの、サチエにはブレない信念があって、芯の強さを感じる
    すごく印象に残る小説ではないが、読んでいて心が和むのでゆったりした気持ちになりたい時におすすめ
    おにぎりが大好きな私は、フィンランドの客に「おにぎり美味しいから注文して」と常に念じていた

  • 大好きな何度も見た映画の原作。やっと読めたー。

    読んでる間、映画に出演していた俳優さんがチラチラ頭に浮かんできたけど、私的には本の中の人は微妙に違う人に思えた。映画化された原作本を読む際もその逆の時も、時々そんなことを思ってしまう。ファーストインプレッションってやつでしょうか?どっちを先に読む(見る)かでまた印象が違うなあ。
    でも漂う雰囲気は、本の方もちゃんとほっこりでした。

  • 大好きな映画の原作本。本も素敵だった。

  •  ゆったりとほっこりするような時間が流れる作品。すごくゴリゴリに前を向いているわけではないけれど、後ろ向きに考えるのでもなく、自然と前を向いてしまう。つまり、無理に前を向くのではなく、自然なスタイルのままで気づけば前を向いて進んでいるという感じ。
     そこには確かにある種の強運のようなものは存在するのだけれど、それ以外はいたって自然。こういう無理のない生活が自然と周囲を惹きこんで、人の輪が広がっていくのだなと感じる。

  • いつ買ってたんだろ?人に貸す本を探してたら本棚から出てきたけど、全く読んだ記憶がない。読み始めてすぐ分かったけど、やっぱり読んでなかった。多分買って満足して積んでたんだろうな…

    映画が有名だけど見たことないなあ、とか、週末北欧部のチカさんの本にも出てきたなあ、とか、思いながら、あとついでに何年か前の北欧出張を思い出しながらあっという間に読み終わった。
    おにぎりが食べたくなる。ヘルシンキ、もう一回行きたいな〜。とにかくご飯が美味しかったし、4月だったのにめちゃくちゃ寒くて空気がとても澄んでて気持ちよかったな。お話は淡々としてるけど、不思議と読後感があったかい。映画が見てみたい。

  • かもめ食堂の映画が面白かったので原作も読んでみました。
    私は映画の方が良かったかな。

  • サクサク読める。
    何気ない生活(事件はあるけど深刻にならない)が続いているので読んでいても安心感があるなあ。

  • 大人の絵本を読んでいるみたいな気分でほんわ〜かしながらあっという間に読んでしまった。
    お金の心配しないでこんな生活できたらいいなぁ〜
    来る人拒まずのサチエさん温かくて広い心が好き。

著者プロフィール

1954年、東京都生まれ。日本大学芸術学部卒。数回の転職を経て、78年、本の雑誌社に入社。デビュー作『午前零時の玄米パン』が評判となって、作家専業に。「無印物語」で人気を博す。『かもめ食堂』『れんげ荘』『三人暮らし』など著書多数。

「2023年 『老いとお金』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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