全思考 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 477
レビュー : 60
  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344412866

作品紹介・あらすじ

地球温暖化も、携帯電話による人類総奴隷化も、すべての危機は、気づいたときには手遅れだ。道具の発明で便利になれば、その分だけ人間の能力は退化する。人類は叡智を結集して、破滅しようとしているのか!?生死、教育、人間関係、作法、映画-五つの角度から稀代の天才・北野武が現代社会の腐蝕を斬る。世界の真理に迫る傑作エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • TVで見るあのおちゃらけてるひとと
    あのかっこいい映画を撮影するひとと
    この哲学的な文章を書くひとが同一人物だなんて。

    義務教育からコツコツと積み上げてきた思考と、
    芸能界で叩き上げた努力がこれを書かせたのであろう。

    おもしろかった。

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    ・料理人に会ったら料理のこと、運転手に会ったらクルマのこと、坊さんに会ったらあの世のことでも何でも、知ったかぶりをせずに、素直な気持ちで聞いて見たらいい。自慢話なんかしているより、ずっと世界が広がるし、何より場が楽しくなる。P138


    ・カラダ貼って生きてきた職人の生き方が酒を飲む姿に集約されているんだろう。ああいう姿を見ていたら、酒はこうやって飲むものだなんて作法を教わる必要なんかない。P149


    ・イチローがヒットを打って客席は大騒ぎしているのの、本人のイチローが首を傾げていることがある。「あのヒットは駄目です」って。周囲の声に関係なく、自分のバッティングを冷静に客観的に見ているのだ。世界一の記録を作って人気者になって、イチローの野球人生は幸せいっぱいに見えるけれど、きっと周囲が想像するほど楽しんではいない。P191

    ・自分が好きな映画を作ることと、自分の作った映画が好きなことことは違うのだ。P192

  • 読んでおいて損はない

  • トーンがもう今に近い、この時期が著者の最大領域なのか

  • 北野武が日々思っていることを一冊にまとめたエッセイ。
    正直、北野武のことはごくごく表層的なことしか知らない。
    でも、北野武という人が「どう感じているのか」ということがよく伝わって来ました。
    この本を読んでいて何度も出てきたキーワードは「下品」と「恥ずかしい」という言葉。
    「上品」という言葉は聞きます。「××の品格」なんてもんがちょっと前に流行りました。
    でも「下品」であることを非難する風潮ってすごーく弱い気がします。
    そもそも「品」に関する共通認識がないからなのかな。妙に「品格」とか小難しい言葉に祀り上げちゃうからいけないのか。ともかくとても「新鮮」に響いたのでした。そして強く共感しました。
    お高くとまりたくはないし、自分を落とすのもよいけど、「下品」にだけはなりなくない、というたけし氏の感覚。

  • 料理人に会ったら料理のこと、運転手に会ったら車のこと、坊さんにあったらあの世のことでも何でも、知ったかぶりせずに、素直な気持ちで聞いてみたらいい。
    自慢話なんかしているより、ずっと世界が広がるし、何より場が楽しくなる。

    「ごちそうさま。今日は勉強になりました」と言って席を立つことの方が、鮨屋でのいちばん大切な作法だと俺は思う。

    じゃんじゃん引き出せばいくらでも引き出せるのに、世代が違うと話が合わないなんて言うのは間違い。話が合わないんじゃなくて、話を引き出せない自分がバカなのだ。

    メールが世の中に広まってから、若者の思考回路も、メールのレベルに引きずり降ろされてしまった。今の若い連中は、考えてメールを書くんじゃなくて、メールで書けるくらいのことしか考えなくなってしまったいるんじゃないか。

    単なる言葉の流行りではなくて、「みたいな」という言葉の流行には、思考能力の退化という問題が絡んでいるんだと思う。

  •  一つの考え方としてとても面白い。たけしさんが言うからこそ説得力がある。こんなに凄い人がこんなに庶民的なことを考えていたんだと思わせるだけで、価値がある。

  • この人の書くことが好きだから(好きなことが多いから)、
    好意的な感想になってしまう。
    どんなキツイ言葉を使っていても、心根のやさしい、圧倒的なマザコンの、少年おじさんだってことがよくわかる。
    映画や絵に向ける気持ちも、同業者に向ける気持ちも、自分に対しても、冷静さと強烈さのきわどいところで均衡を保とうとし続ける大変さが滲む。大変な人生、唯一無二の凄さ。

  • 彼の主張、人間は決して平等ではないということと、努力はいつも報われるわけではないことについて。その通りだと思う。「建前」がはびこっていることが、余計に人を苦しくしている。陰湿ないじめや社会の閉塞感等々、現代日本の代表的病理の源泉はこれらの幻想にあるのではないか。

    悪平等主義の弊害は大きい。小さい頃から皆同じなのだと叩き込まれることが、どれほどの苦しみを産んでいることか。努力しても追いつけないから、安易な方法で人を引きずり降ろそうとしたり、あるいは殻に閉じこもってしまったりする。最初から彼我は違うものだという前提に立てば、そういうことにはならない。

    ではどうすればいいか。好きなことを見つけること、他者との相対比較から脱却して他者貢献を考えること。他者を出し抜くための努力から、自分の好きなことを役立てるための努力にシフトすることが、一つの解法ではないか。

  • なかなか面白かった。特に「教育の問題」と「作法の問題」がよかった。たけしさんはいろんな顔を持ってるが、私はエッセイが一番好きかな。

  • 北野武の等身大のエッセイ集。何もかっこいいことは書いてはいないが本当の北野武が垣間見える一冊。

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