村上春樹 イエローページ〈3〉 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 121
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (436ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344413658

感想・レビュー・書評

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  • 1983年生まれの私。1995年。まだ小6だった私にとっても阪神大震災は衝撃だった。
    朝起きてテレビをつけたら、コンビニ内の棚がジャンプして品物が総倒れになったり、高速道路みたいな確固としたものが倒れたり崩落したり、と。
    柴田亜美「自由人HERO」が火事場泥棒されたという報道を見て「こんなふうになったら法律なんかどうでもいいんじゃない」と言って母に窘められたものだ。
    その数か月後の地下鉄サリン事件からメディアの大騒ぎには、中1男子の馬鹿心くすぐられ「しょーこーしょーこー」と歌い踊って(多分叱られて)いた。
    (あとは、ジュリアナを真似たり、エヴァにドはまりしたり、酒鬼薔薇聖斗に憧憬したり、とかね。ああキナ臭かったあの頃が、もうノスタルジーの対象なのだな。
    思えば、思春期に終戦を迎えた中井英夫や三島由紀夫や澁澤龍彦や大江健三郎やが終戦を根に持っているのと同じく、中上健次や村上龍や村上春樹やが学生運動を根に持っているのと同じく、私も世紀末やセカイ系を根に持っているわけなのだ。)
    しっかし、その同時期に、ここまで自覚的な作家がいたとはねー。
    私が春樹を読み始めたのは20前後だから、春樹が1995にこだわった約20年後に知ったわけだ。
    しかし「海辺のカフカ」の文体……15歳たる若い僕の肌が水を弾く……みたいなジジイが想像する中学生、に嫌悪感を覚えた、のが約10年前。
    いま、たぶん春樹がオッサンとして若者を想像することで、現在を描こうとしている、それもスリムな小説としてではなく、19世紀的な全体小説として……、という見通しが立ってからは、むしろ春樹の作品群を(多少鼻で笑いつつ)メルクマールにしてもいい、と思っている。
    こういう作家をどれだけ持てるか、が読書人の強みだろう(単なる作風の好みを超えて)。漱石、太宰治、水木しげる、手塚治虫、藤子F不二雄、大江、中上および龍および春樹、といった具合か。
    まずは決別のきっかけとなった「海辺のカフカ」を本書の読みに従って読み直すところから。

  • なんども読みたいそばに置きたい本。

  • 村上春樹の解説本!

  • 10/06/06。

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著者プロフィール

加藤典洋(1948・4・1~2019・5・16) 文芸評論家。山形県生まれ。1972年、東京大学文学部仏文科卒。国立国会図書館勤務、明治学院大学教授、早稲田大学教授を経て、2014年、同大学名誉教授。85年、最初の評論集『アメリカの影』刊行。97年、『言語表現法講義』で新潮学芸賞、98年、『敗戦後論』で伊藤整文学賞、2004年、『テクストから遠く離れて』『小説の未来』で桑原武夫学芸賞を受賞。主な著書に『日本風景論』『戦後的思考』『もうすぐやってくる尊皇攘夷思想のために』『9条入門』『完本 太宰と井伏 ふたつの戦後』『大きな字で書くこと』などがある。

「2020年 『村上春樹の世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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