摂氏零度の少女 (幻冬舎文庫 し 13-11)

著者 :
  • 幻冬舎
3.12
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本棚登録 : 397
感想 : 42
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  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344413726

感想・レビュー・書評

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  • 著者特有の「趣味の悪さ」が光る作品だと感じます。
    名門進学校で医学部合格が確実視されている、成績優秀・容姿端麗な桂木涼子。彼女はある日から、母親にタリウムを飲ませ始めます。

    劇薬にむしばまれてゆく母親を冷静に見つめながら、思いやりのある娘を演じたり、疑惑の目を向ける姉をかわしたり、物語中盤まではノワール・エンタメ小説としてぐいぐいと物語に引き込まれてゆきます。

    一方で、後半から終盤にかけての展開は、やや息切れ気味というか、少し物足りない印象を受けます。
    涼子が頭で想像(妄想)した「森」の中で動物や昆虫たちと会話をする場面では、彼女の不安定さや偏った思考回路が明らかにされてゆきますが、そのあたりの描写がわかりづらかったのも、作品の世界に没入できなかった原因の一つかもしれません。

  • 元になった事件の面白さは、こんな小説みたいな出来事が現実にあったなんて、という部分に尽きると思う。だから、それをわざわざ小説というフィクションに直してしまっては何も面白くない。むしろ、何も知らずにこれを読み、この小説の元になった事件があるなんて!と知るほうが面白かったかもしれない。
    気になる人は「グルムグンシュ」で検索するとよいです。

  • 先が気になって一気読み。少女の歪みとその理由は丁寧に描いてあった。しかし、母親が頑なに病院に行かず、いくら大事な仕事とはいえ人と会う仕事に出かけていくのがさすがにどうかしていると感じたし、姉がブログを見ていると知っていて怪しまれるようなことを書き続けているのも少し不自然な気がした。元ネタがある話だとは読み終えてから気づいたが、新堂氏はこういう嫌なネタをさらに嫌な文章にして見せるのが非常に上手い。

  • 表紙に惹かれて読みました。
    一気に読めるぐらい内容がスっと入ってきました。
    とある少女がお母さんにタリウムを少しづつ飲ませていき、実験を行った。という事件。最後の最後まで後味が悪いが世界観は素晴らしい。もう1回読みたいと聞かれたら、また読みたいと思う。ただ好き嫌いが別れるかなぁ...と思った

  • 胸糞モノのフィクションとして読んでいる最中は面白かった。だが現実的に考えて「そうはならないだろう」と思わせられる場面があまりに多過ぎた。少女の内面も濁されたまま終わり拍子抜け感は否めない。新堂冬樹の表現技法に期待して読んだが本作はそれほどでもなかった。

  • 虫とか好きな変わり者の少女が、愛犬を安楽死させたことを恨んで母親を毒殺しようとタリウムを与え続けるお話。精神的に問題あることを表現しているのだろうか、カタカナで書かれた動物との会話シーンが定期的に現れて読みづらいもの、全般的すいすい読めたかな。望み通り母親を殺すことができるのかでお話の最後まで突き進むところが物足りなかったかも。

  • 読みやすい

  • 2008.9.6
    お姉ちゃんの部屋にあったし何気なく読んだ本。
    「生きることが幸福なら、どうして神様は死というものを作ったのでしょう。」
    少女が料理にタリウムを混ぜて、それを食べる母親の経過を観察する話。
    最後は姉の通報によって母は死なへんけど。こんな事件あったよな。
    10代の少女の心の闇、葛藤、恐怖のような。

  • もっと涼子の狂気をリアルに書いて欲しかった(-。-;
    普通の人が一生懸命想像した感マックスだったし、もっと支離滅裂でもいい
    でも面白かったよ

  • 高校生の娘が、最愛の母親に、少しずつ劇薬のタリウムを飲ませる「悪魔の実験」

    頭の中で、動物たちがする会話が、心の葛藤を表してるんだけど、ちょっと読みづらかったかな。

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著者プロフィール

1998年作家デビュー。2003年『忘れ雪』が大ベストセラーとなる。『ある愛の詩』『あなたに逢えてよかった』と続く“純恋小説”という新ジャンルを打ち立て、話題となる。著書に『動物記』『ブルーバレンタイン』など多数。近年、『虹の橋から来た犬』がスマッシュヒットとなる。

「2023年 『なごり雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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