- Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344413726
感想・レビュー・書評
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著者特有の「趣味の悪さ」が光る作品だと感じます。
名門進学校で医学部合格が確実視されている、成績優秀・容姿端麗な桂木涼子。彼女はある日から、母親にタリウムを飲ませ始めます。
劇薬にむしばまれてゆく母親を冷静に見つめながら、思いやりのある娘を演じたり、疑惑の目を向ける姉をかわしたり、物語中盤まではノワール・エンタメ小説としてぐいぐいと物語に引き込まれてゆきます。
一方で、後半から終盤にかけての展開は、やや息切れ気味というか、少し物足りない印象を受けます。
涼子が頭で想像(妄想)した「森」の中で動物や昆虫たちと会話をする場面では、彼女の不安定さや偏った思考回路が明らかにされてゆきますが、そのあたりの描写がわかりづらかったのも、作品の世界に没入できなかった原因の一つかもしれません。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
元になった事件の面白さは、こんな小説みたいな出来事が現実にあったなんて、という部分に尽きると思う。だから、それをわざわざ小説というフィクションに直してしまっては何も面白くない。むしろ、何も知らずにこれを読み、この小説の元になった事件があるなんて!と知るほうが面白かったかもしれない。
気になる人は「グルムグンシュ」で検索するとよいです。 -
胸糞モノのフィクションとして読んでいる最中は面白かった。だが現実的に考えて「そうはならないだろう」と思わせられる場面があまりに多過ぎた。少女の内面も濁されたまま終わり拍子抜け感は否めない。新堂冬樹の表現技法に期待して読んだが本作はそれほどでもなかった。
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2008.9.6
お姉ちゃんの部屋にあったし何気なく読んだ本。
「生きることが幸福なら、どうして神様は死というものを作ったのでしょう。」
少女が料理にタリウムを混ぜて、それを食べる母親の経過を観察する話。
最後は姉の通報によって母は死なへんけど。こんな事件あったよな。
10代の少女の心の闇、葛藤、恐怖のような。 -
内容としては甘い設定。そんな状態になっても病院に行かないなんてことあるだろうか。
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ミステリーというよりホラーに近い感覚。色々不鮮明なことが多く、読了後の気味悪さがなかなかに凄い。
主人公は虫などの生物と話せる少女、桂木涼子。彼女は悪魔の実験と称して母に少量のタリウムを日々少しずつ気付かれぬよう与えていく。さらにそれを匿名ブログで症状経過の報告をする。母が死ぬのが先か、周りや母が彼女の作為に気付くのが先か。スピード感のあるホラーサスペンス。
とんでもない話だが、ページをめくる手は止まらない。読了後の後味の悪さは折り紙付きだ。動物に対する残酷な描写もあるので、それが苦手な人は気をつけて。 -
物語云々より、とにかく動物が殺されるのが可哀想でダメ。新堂冬樹の作品は、エグさがあってもそれがエンターテイメントに昇華されているので好きなのだが、これは実際の事件が元になっているだけにそれがなく、キツかった。
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数年前にあった事件を元に、脚色したような内容。
本自体はサクっと読めるものだけど、買うまでもなかったかなぁ、とも思う -
うーん
これが実話ベースね・・・
日本大丈夫かね。
まああたしらには
理解の範疇を超えまくってるので
ああ、こんな思考の天才が
こんな事件を起こすのだなーと
感情移入も何もせず考えず、
たららーっと読んだ感じ。
あとえぐい。
食欲なくなる。