彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)

  • 幻冬舎
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本棚登録 : 3197
レビュー : 461
  • Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344413788

作品紹介・あらすじ

八年前に別れた黒崎を忘れられない十和子は、淋しさから十五歳上の男・陣治と暮らし始める。下品で、貧相で、地位もお金もない陣治。彼を激しく嫌悪しながらも離れられない十和子。そんな二人の暮らしを刑事の訪問が脅かす。「黒崎が行方不明だ」と知らされた十和子は、陣治が黒崎を殺したのではないかと疑い始めるが…。衝撃の長編ミステリ。

感想・レビュー・書評

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  • ー限りなく不愉快、でもまぎれもない最高傑作ー
    背表紙のあらすじを読んだ状態で本作を読み始めましたが、ここまで自分の予想外の内容に驚いたのは初めての経験です。
    と言うのも、黒崎という過去の男が殺害されそれを疑い真相を追うにあたって悲劇が産まれる...!!!といったざっくりとした雰囲気を予想していた中、前半はだらだらと(言い方が悪いですが)十和子と陣治の不愉快な関係性が綴られており、
    正直言って あ、ハズレだな。と思ってしまったのが事実です。
    私は陣治という男に不快感が生じなかったと言えば嘘になりますが哀れみ9割の目で物語を追い、十和子という女に10割の不快感を抱き読み進めておりました。
    あ、これは愛の話だ。特殊だとしても数ある中の愛の話の1つなんだ と感じた瞬間
    この作品を読み進めるスピードが5倍になりました(笑)悲劇大好きマンの私が考える こうであって欲しい...!!!が結果的にレールを走った時には
    腱鞘炎になるんじゃないかレベルでページを捲りましたね。

    ミステリーでは無く、ラブストーリー。
    恋愛物は鳥肌が立つくらい嫌いですがこの様な愛があったんだと、違う質の鳥肌を感じる事ができ
    読了後 目の前に人が居ても気づかないであろうくらいの涙を流し、限りない不快感と違いない最高傑作を肌で感じました。
    その後すぐに映像作品を拝見し、こちらもまた見事過ぎる傑作となっております。阿部サダヲェ...

    んまどーーっしても気になるのが
    重要書類紛失のくだりは十和子のトリガーの為とは言えなんだか...
    いやそこまで関係はないんですけども(´•ω•`)笑

  • 関西弁が少し読み慣れなかった。
    陣治がかわいそうだった。陣治の深い愛がなんだか読んでて辛かったな。陣治は絶対いいヤツだけど、十和子のどこにそんなに好きになるほどの魅力があったのだろうか。

    • moboyokohamaかわぞえさん
      映画観ました。
      原作は読んでいません。
      どうも映画を先に見てしまうと原作に手が伸びない傾向があります。
      愛する人のためにはなんでもする、陣治...
      映画観ました。
      原作は読んでいません。
      どうも映画を先に見てしまうと原作に手が伸びない傾向があります。
      愛する人のためにはなんでもする、陣治さんの哀愁がたまりませんでした。
      2020/06/16
    • ぴーまんさん
      moboyokohamaかわぞえさん
      こんにちは。こちらにもコメントありがとうございます。
      私も映画から原作を読んだので、蒼井優さんと阿部サ...
      moboyokohamaかわぞえさん
      こんにちは。こちらにもコメントありがとうございます。
      私も映画から原作を読んだので、蒼井優さんと阿部サダヲさんを無意識に想像して読んでしまってました。
      2020/06/17
  • 私にとって沼田まほかる初読作品。
    主人公の十和子と、同棲人の陣治の関西弁のセリフが、関西人である私をストーリーへ深く導いてくれた。

    しかしながら、序盤〜中盤までは、どの登場人物にも感情移入が出来ず、結末も読めず、しんどかったが、終盤のスピード感のある展開、特に陣治の十和子に対する不器用で無償の愛が切なすぎて辛かった。

  • 「限りなく不愉快、でもまぎれもない最高傑作。」という帯にひかれて購入し、でもなかなか読む気分になれなくて随分たってしまった本。なぜか今日気まぐれに手にとって読んでみたら… 最後までノンストップでした。

    自分も人も愛せない欠落のある女と、人から愛されることのない男の共依存。

    どちらにも共感できず不快感しか持てないのだが、その関係性には不思議とものすごいリアリティがあり、膿んだような主人公の毎日と感情が「理解」できてしまう。

    ミステリー要素が加速する後半、意外な顛末が明かされ、究極の純愛、というかもはや「無償の愛」を見せつけられて終わるのだが、たしかに「あなたはこれを愛と呼べるか」と問いたくなるもので。

    この愛はなんだったんだろうと、いろいろと考えていくほどに鳥肌がたった。

  • 読みながら号泣でした。
    泣きすぎて頭が痛くなりました。

    レビューを読むと陣治が気持ち悪いという方が多いようですが、私は割と最初の方から陣治が好きでした。
    世の中どこを探しても、あんなに本当に優しい人はみつかりません。見返りを求めることもなく、ただ十和子の幸せを想っている陣治。

    「俺が殺ったらよかった。」と何度も言う陣治。
    それができなかったかわりに、「十和子が思い出したこと俺が全部持っていったる。」と言う。

    十和子が自殺したりしないように、自分に一生かかって借りを返せと言う陣治。
    まさか本当に生まれ変わりを信じている訳ではなくて、十和子には結婚をして、子供を育て幸せな家庭を作って欲しいのでしょう。

    本当は自分が若くて子供が作れたらそうしたかったけど、出来ないからいつかは別れて十和子を幸せにしてやりたいと思ってた。だけど十和子が好きになるのは、しょうもない男ばっかり。

    多分、陣治の願いは叶わず十和子は一生陣治を忘れられずに想って生きていくのでしょう。たった一人の十和子の恋人として終わっているから。

    私は読み終わってからも思い出すたび、泣けてきます。
    迷うことなく今年一番の本です。沼田まほかるさん、有難うございました。

  • 八年前に別れた恋人・黒崎の影を引きずる十和子。新しく出会った男・水島にも黒崎の影を重ねる。水島との待ち合わせでいつも頭上に飛ぶカラス。作中に「なぜカラスばかりなのだろう、他の鳥はどこへ行ったのだろう?」といった一文が出てくるが、これがタイトル「彼女がその名を知らない鳥たち」につながっていると思う。十和子が目に見えて意識している黒崎との記憶は黒い影のカラス、反して十和子自身も気付いていない無意識下に封じ込めた記憶はどこかへ消えた他の鳥。それを守っていたのは陣治だった。目に見えるものが真実じゃない、そう考えると終盤で十和子の目が開きにくくなる展開もタイトルに関係してくるのかな、と思ったり。

    映画を先に観てからの原作。どうしても阿部サダヲと蒼井優、松坂桃李と竹野内豊の顔が浮かべてしまい、結末も知っているので、すんなりと文章とストーリー、描写などが入って読みやすかったです。でも映画を観なかったら理解しにくい箇所も多かったかもしれません。十和子というメンヘラ気味の視点で描かれているため、いつまでも過去を引きずり終着点の見えない語り口、また関西弁になじみがなければ余計に読むのがしんどいかも(私は大阪人なので読みやすかったですが)。それらもすべては計算された上だとラストまで読めばわかるのですが。小説だけだとわかりにくかったかもという点で☆4つ。

    最後まで恋人であり続けた陣治の生き様は、おせっかいともいえる世話焼き精神がにじみ出る関西弁がよく似合っていました。陣治のセリフがすべて東京の言葉なら、彼の惨めさや愛の深さはここまで際立っていないかもしれない。

  • 1番自分の事を想い、大事にしてくれる、大事にしなければならない人について幾度も涙した。日常に埋もれて見失った時に、何度も読み返したいと思えた。数ある中の大切な小説になったのは間違いない。

  • 結末想像できなくて途中むずむずするけど、我慢して読み進めると面白い。そゆこと!って感じ。

  • 切ない。
    こういう感じ、けっこう好き。

  • ラブストーリーなのかサスペンスなのか…。最後に大逆転が、あるけど…。圧倒的な嫌悪感が残り過ぎて、沼田先生の次作が気になる…どうしようもない女性の恋愛と過去にまつわりながら、それでも彼女を愛する陣治。これも愛。しかし、嫌悪感が凄すぎる。

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著者プロフィール

沼田 まほかる(ぬまた まほかる)
1948年、大阪府生まれの小説家。女性。奈良県在住。読んだあとイヤな後味を残すミステリーの名手として、「イヤミスの女王」という称号で語られることもある。
寺の生まれで、大阪文学学校昼間部に学ぶ。結婚して主婦になり、母方祖父の跡継ぎを頼まれ夫がまず住職となるが、離婚を経て自身が僧侶になる。50代で初めて長編を書き、『九月が永遠に続けば』で第5回ホラーサスペンス大賞を受賞、56歳でデビュー。
2012年『ユリゴコロ』で第14回大藪春彦賞を受賞し、2012年本屋大賞にノミネート(6位)。それを機に書店での仕掛け販売を通じて文庫の既刊が売れ出し知名度を上げた。
代表作『ユリゴコロ』は2017年9月23日に吉高由里子主演で映画化。同年10月、『彼女がその名を知らない鳥たち』も蒼井優・阿部サダヲ主演で映画化された。他の代表作に、『九月が永遠に続けば』、『猫鳴り』、『アミダサマ』。

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