カリスマ 上 (幻冬舎文庫 し 13-12)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 404
感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (472ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344413955

感想・レビュー・書評

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  • 人が新興宗教にのめりこんでいく様が描かれています。
    騙して洗脳する教祖よりも、その右腕となってしまった人物達の行動力がすげぇ・・と思いました。
    次々と物語は展開するので退屈することのない作品だと思います^^

  • 最初は単なるグロ小説かと思い
    ああ読まなきゃ良かった、
    くらいに感じたのですが
    グロシーンから先がすごく面白かった。
    信者の心酔ぶりと教祖・神郷の
    実際の姿の乖離がすさまじい。
    「神だから食事も睡眠も必要ない」と言いつつ
    変装して買いに行ったなだ万のお弁当を貪ったり、
    夜はひたすらヘネシーXOをあおって睡眠したり、
    美人女性信者を部屋に呼んで
    修行という名のもとにまぐわったり、
    裏の行動すべてがひたすら俗の極み!
    はやく次が読みたいものです。

  • 気持ち悪い。それに尽きる。読んだところで得るものがあるのか…疑問。エンタメ本という観点で読めば面白い

  • 上中下まとめての感想

    序章の凄惨さに引き込まれ最初はどんどん読めるが中盤中弛みし、後半は急展開でまたグイグイ読ませる作品。中盤さえ乗り切れば概ね面白く読める。
    人が本当にそんなに簡単に洗脳されるのかどうかは分からないが、洗脳過程の恐ろしさや洗脳された人の周囲に与える悲劇の描写は生々しくて心がザワついた。
    が、とにかく長い。神郷や城山のグチグチとした言い訳や言い逃れ、内なる思考の描写がやたらクドい。エロやグロの描写も執拗で、途中でエロ本読んでるのかと錯覚するほど。特に中盤は同じような展開が繰り返されるので少しウンザリ。長ったらしい部分は飛ばして読んだが、ストーリーの理解には全く問題なかったので、物語全体をもう少しシェイプアップして欲しいところ。
    後半はどんでん返し的な展開もあったが、正直少し無理があるし必要だったかは疑問。
    所々読み飛ばしながら「うわー悲惨だな〜気の毒に〜」と野次馬的な読み方をするので十分かな。
    読後感はすごく悪いので、元気ない時に読んではダメです。

  • 初めて読んだ作家さん
    プロローグで宗教に狂ってしまった主婦とその家族の悲劇が紹介される。夫も子も妻(母)が好きだから、母が狂信者になって変化していくのに抵抗したのだなぁ。宗教にはまる前から仲の悪い夫婦だったら、精神科に相談するより前に、とっくに離婚だろう。
    両親が亡くなったとき、10歳だった男の子は、20年後、今度は自分が宗教団体を主謀する。母がなぜ宗教(教主)に夢中になったのか、両親が死んだのに、なぜ教主が罪に問われないのか。疑問に思うのは不思議ではない。その興味が、宗教犯罪を調べることから、宗教そのもの?、そして洗脳のプロセスを学ぶことに繋がり・・・。
    自分に付いてくる来る人(信者)が増えるにつれ、調子にのって金・性欲・食欲・贅沢の亡者になっていく。だんだん常軌を逸していくけど、最初のとっかかりは、両親の死や、学校や引き取った父方の祖父母から受けた扱いをみれば、分からないでもない。特に母親がなぜ宗教に狂ったのか知りたいがために、宗教関係の書物を読み漁ったのは、自然な行動ともいえる。その知識を自分が教祖になるために使ったのも当たり前の流れかもしれないけど、調子に乗りすぎだわ。

    教団幹部のふたり。氷室が教主を絶対視する理由は分かる。両親から愛をもらえなかったから。ものさしが学校の成績とかどの学校に入学できるか・・・では、情緒にかけてしまう。
    でも真山はどうだろう。洗脳されやすかったのだろうけど、彼女の場合、色仕掛け・・・か。性欲を禁じているくせに。

    しかし、しかし・・。城山信康の倹約には共感するわ。私だって少しでも安いものがあれば、そっちを買うし、人が使い残しのものをごみ箱に入れると、「まだ使える。もったいない」って思う・・・貧乏性だし。自分のお給料は限られているのだから、その範囲内で暮らして行かなきゃしようがない。ただ、ちょっと意気地がなさすぎかなぁ。それにしても、育ちがよくて美人の奥さんはどうしてこの人と結婚したのかしら?

    読んだのは、電子書籍版で上中下合本版

  • 怖いもの見たさで手に取った感じ。世俗的で面白く、エンタメとしては読みやすいが、表現やあらすじは過激。

  • 情景の説明がクドくて読みにくいなと
    だらだらと少しずつ読んで、やっと読み終わった。

    宗教の話ではあるが、いまいち話に入り込めず。
    洗脳の手口はやはり他と一緒
    これがカルト宗教のスタンダードなのかな?

    かなり適当な教祖なのに騙される人が多くて笑ってしまった。
    続きもいちお読んでみる。

  • 先日の執行を切欠にふと頭を過り読み始めました。

    宗教法人 神の郷は設立から十年で二千人の教徒を抱えるまでに成長した。教祖は神郷宝仙と名乗り、見た目は百キロを越える巨漢に禿と六欲滅失を説く一方で教徒から350億の金を毟り取り、六百人の女性教徒と関係を持ち情欲に溺れる。
    凄まじい過去をもつ彼がこの世界に何を求め、何をしたいのか、さ迷い惑うさまが、深い闇に包まれる。

    中巻へつづく

  • インチキ新興宗教に洗脳された母は、父を殺し自殺。ひとり遺された男の子は長じて、「カリスマ」になったーー。
    オウム真理教が基本だと思うが、人が洗脳される過程やデタラメな教義をいかにもっともらしく見せるか、教祖の裏の顔、教団信者たちの生活や盲目的な思考など、実在の信仰宗教をいくつか織り交ぜてあるような描写でリアリティがあって面白い。少し説明が冗長というか、同じことを繰り返している部分が多いのが気になったが、一気に読ませる筆力。

  • (上巻のみ登録)
    あの哀れな少年が、欲にまみれた憎たらしい教祖メシアになるとは…
    たまらなく嫌いで早くボロを出せと思いつつも、上手い誤魔化しにニヤリ。
    人間の表と裏の顔、錯乱した人物の描写が生々しくてしつこくて胸苦しくなる。
    面白いと言うのは気が引ける…けど面白い。グイグイ引き込まれました。

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著者プロフィール

1998年作家デビュー。2003年『忘れ雪』が大ベストセラーとなる。『ある愛の詩』『あなたに逢えてよかった』と続く“純恋小説”という新ジャンルを打ち立て、話題となる。著書に『動物記』『ブルーバレンタイン』など多数。近年、『虹の橋から来た犬』がスマッシュヒットとなる。

「2023年 『なごり雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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