必死のパッチ (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344414266

感想・レビュー・書評

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  • 小6で母が、中1で父が莫大な借金を残したまま失踪…。中学1年生にしてひとり大阪の下町で生きてゆくことを余儀なくされた少年が偶然「落語」と出会うまでの、「ありえへん」物語。神様が、なにも持たないひとりの少年に「落語」という技芸を生きてゆく糧として恵んだような気さえしてくるので、不思議。

  • 落語家の桂雀雀さんが、子どものときを書いたものですが、ギャンブル依存の父親に愛想をつかし母親が出ていってしまったあと、借金取りから逃げるために父親も蒸発してしまう……。
    一人になった少年が、町の人々に助けられて必死で生き延びる実話です。

    自分だけじゃない、という情報はとても重要です。
    自分のことをわかってくれる人がいる、ということも重要です。
    こんなこと、学校の友だちには言えない……。
    平和で子どもをやれてる人のなかで、自分は戦場帰還兵のようだった……と雀雀さんはいっていますが、そりゃそうだろうと思います。
    たとえ話しても理解されなかったでしょう。
    当時は町ぐるみ、児童保護施設のようなものだった、とも雀雀さんはいっています。
    いろいろな見方といろいろな場所に分類出来ますが、子どもにとっては‘本当にあった話’でいいと思います。
    小学校から、入れてください。
    生き延びた、サバイバーの話は必要です。

    2018/06/22 更新

  • 独演会で初めて落語を聴き、師匠のスタイルを受け継いだ人やなあ、と感じ入り、ファンになり本書を購入・読了。簡単に言ってはいけないのだろうが、まさかこんな壮絶人生を送ってきた人だったとは。だからこそあんな噺が演じられるのか、とも納得。大阪弁の軽妙な語り口で綴られ、あれだけ悲惨な状況にも関わらず、オチまで付いているからつい笑ってしまう、しかし泣いてしまっている。これは只の苦労話ではなく、それらに向き合った雀々さんの思いがつまった本でした。誰とでも友達になれるという特技は、弟子入りする前の中学時代に養われたことが分かります。松本少年は、命かけてましたなぁ、強い人。応援したくなる。

  • Incredibleな生活が現実にある。雀々さん、きりんの田村さんしかり。何故か大阪だ。我が人生からは創造だに出来ない世界がある。「強く生きないと」と今更ながらです。

  • 母が家出
    父はギャンブル、その後タクシー運転手
    ひとりで取り残される

    必死のパッチで生きてきた

  •  壮絶な少年時代を赤裸々に綴った、雀々師匠の自叙伝。まさに、昭和の『ホームレス中学生』!

     母に捨てられ、父に捨てられ(父親に殺されかけるという壮絶な一幕も)、独り取り残された家に来た借金取りに必死に事情を説明し、取立てに来た借金取りから5千円もらうという、壮絶を通り越した「超絶」なエピソード。確かに笑うんですが、何というか「こんなん、もう笑うしかあらへんわ!」というのも無きにしも非ずで(笑)。著者の明るくポジティブな人間性に支えられてなかったら読めない話かも。(逆に言うと、それだけ著者の人間性が筋金入りのネアカだと言うこと)

     昭和の『ホームレス中学生』と言いましたが、本書でも『ホームレス中学生』でも、孤独になった主人公を支えてくれたのは近所の人であったり友達のお母さんだったりします。地域コミュニティと括ってしまえば一緒のようにも感じますが、本書は昔ながらの長屋づきあいといいますか、「Always 三丁目の夕日」的な香りが強く感じられました。そういう意味では両書を読み比べてみるのも面白いかも。

     ちなみに、著者は自身の結婚式でこの話をしたそうなんですが、出席していたあの上岡龍太郎が涙したという逸話があります(笑)。

  • 落語家としての人生
    厳しい内容でありながら楽しいタッチで描かれていて、さすが落語家さんの文章だと感じました。
    苦労苦労の小中学生時代から現在に至る「ええ〜ほんまかいな」と思うほどのエピソードがいっぱいです。

  • こんなに前向きで、まぶしい、すごく気持ちのよいお人柄。
    すべては、落語家になるために生まれたのだなとすら思えた。
    かっこいい!!

    借金取りが、五千円を渡して、もう二度と現われなった、っていう話が、妙に好き。人情があるなーって。

  • 上方落語家自叙伝、小学生で母は蒸発父はギャンブル狂借金だらけ、息子と心中未遂後蒸発。両親には捨てられたが周囲に助けられ必死で生き抜き、落語に出会うまでを描く。悲惨貧困笑えて面白く泣ける

  • 壮絶な中一。

    なにわの「誰も知らない」

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