最初の、ひとくち (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 79
  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344414396

感想・レビュー・書評

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  • 益田ミリさんが色々な食べ物を最初に食べたときの状況や感じたことを文とイラストにまとめたもの。①おかし・おかし・おかし、②飲み物あれこれ、③一品なのに存在感、④ちょっと贅沢、⑤その時、その場所の味の5章に分かれている。

    ミリさんとは少し世代が異なるのだが、ミリさんの子供時代の70年代、中高生で過ごした80年代はじめはこんな感じなのか〜と読んでいてとても楽しかった。カラムーチョやとんがりコーン、午後の紅茶などなど、具体的な商品もたくさん出てきて、自分自身の思い出も相俟って子ども時代に戻ったような、穏やかで楽しくて懐かしい気持ちになった。

    ミリさんが夏休みに福井の山奥にある母方の実家に行ったとき、「わらぶき屋根の祖母の家。障子を開けると、美しい山々がパノラマになって見渡せた。濃い草の匂いと土の匂い。夏でも涼やかな風がいつも家の中を巡っていた」という環境の中、初めて食べたフルーチェのエピソードが特に好きだった。

    それから、店先に置いてあるアイスクリームの入った冷凍庫のケースに今と違ってばらばらに色んな種類のアイスが入っている。その中をごそごそ探していると、見かけないアイスが出てきたりすることがありちょっと楽しかった、という話には、自分も祖父母の家に遊びに行ったとき、近所のお店でそうしてたなぁととても共感した。

    はじめて何かを食べるというのは、子供の頃や若い頃が多く、味だけでなく、その時の思い出や気分と必ずセットになって記憶に残るのだなとつくづく感じた。

  • 最初のひとくちをこんなに鮮明な覚えててすごい。
    それくらいひとつひとつがミリさんにとって衝撃的だったんだろうな。
    「大人になってしまうと、ちょっとやそっとの新しい食べ物では驚かなくなってくるもの。」
    本当にそうだと思う。
    大人になった今でも初めて口にするものはまだまだ多い。
    私もこれから記録してみようかな。

  • 益田さんとは実は同い年。だから共感できる事が多い。
    ただ大阪あるあるはちょっとわからない事もあるが。
    それと、私よりはかなり流行に敏感だと思う。
    イラストも多いから、いつも楽しく読めます。

  • 益田ミリさんの、食べ物との初めての出会いの思い出。自分にも、食べ物に関する思い出はたくさんあって、嬉しかった記憶も苦い記憶も、思い出すと「あぁ、あの頃こんなこと思ったっけなぁ」と懐かしく温かい気持ちになる大切なもの。文庫版あとがきがとてもぐっときて、それだけで星5つ!

  • 特別に高いものでもない。
    特別に作られた物でもない。
    どんな食べ物でも、はじめての一口がある。
    それを思い出とともに書いたエッセイ。

    幼い頃の記憶があまりない自分からすると、よく覚えてるなー。。。と、感心してしまう。
    ミリさん自身、覚えていた。というよりも、このエッセイを書くことで思い出した。が、正しいのかもしれないけれど。。
    最初のひとくちは、単なる「ひとくち」ではなく、いろんな人との思い出をたくさん含んでいるのだな。

    あとがきの一言にドキリとする。
    『わたしには子供がない。子供持たない人生というのは、最初のひとくちに触れる機会が少ないことでもあるんだなぁ。
     しかし、それでも、わたしの人生は、いくつもの最初のひとくちを経て、その輪っかを太くしつづけている。誰と比べることもないのだと思う。』(202頁)

    人と比べがちな自分。
    自分の年輪を重ねて太くしつづける「最初のひとくち」をもっと楽しんで生きたいな。。

  • どんな食べ物にも最初のひとくちがある。身近な食べ物や珍しい食べ物の最初のひとくちをまとめたエッセイ集。

    所々出てくるお母さんへの言葉がチクッと刺さる。
    最初のひとくちの瞬間に1番に立ち会ってくれて、
    自分よりも子供の最初のひとくちを優先させるお母さん。当たり前に受け取っていた愛情を、ちゃんと自覚して返さなければと思いました。

  • はじめて食べたお菓子や飲みもの、はじめての機内食、はじめてのビアガーデン…など、作者の子供の頃から大人になった現在までの味に関する初体験の感動や驚きなどの思い出を綴ったエッセイ集。益田ミリさんとは世代が近いので、おもいでおかしのマーブルチョコとかアポロチョコなどは私もあー食べた食べた!と懐かしく思い出しました。ママレンジのホットケーキも懐かしい!おしどりミルクケーキ私も食べたことある!あれ美味しいかったなぁ、とか…。しかしここまで沢山の味の初体験を思い出せるなんて凄いなぁ。どこで、いつ、誰と食べたか?そのシチュエーションも重要なんですよね。人生って文字どおり色んな味わいがあるんですね。

  • 読み終りました!

    懐かしい食べ物ばかりだったり。。食べたことのない食べ物だったり…
    読むたびにお腹がすきそうになりました(〃゚σ¬゚)ジュルリン..どれも美味しそう。。

    表紙から!おいしそうな本だなと伝わりました。
    その本がやっと読めました(≧∀≦)

    楽しいエッセイでした♡
    次はどんなお話が出てくるんだろうってワクワクしました!

    マンゴーのお話は、ちょっとかわいそうだったなって思いました。。
    私も気をつけなければ!と改めて感じました(^_^.)


    おもいでおかし…
    私もしたことある(笑)というのもあって何だか嬉しかったです♪


    ポッキーのエピソード!私もやったことある(笑)
    風船みたいな中にアイスクリームが入ってるのも懐かしいなぁ(〃ノωノ)

    読めば懐かしくなるはずです☆


    久しぶりに。。
    ハチミツたっぷりのホットケーキ食べたくなりました(/∀\*)
    四角いバターが上にのってないの…

    バイキングも憧れちゃうな////
    だって!いっぱい好きなもの食べられるんだもん(笑)

  • 一つも反論する最初の、ひとくちエピソードなし!ドムドムのストロベリーシェイクを初めて飲んだ時の感動が蘇る。
    http://www.ne.jp/asahi/behere/now/newpage180.htm

  • ミリさんの、初めて出会った食べ物の思い出。
    笑っていたり、ちょっと苦かったり。ご家族とのエピソードも多かったです。
    お菓子・飲み物・食べ物も面白かったけれど、クロアチア料理とシリア料理が気になりました。食べてみたい。
    「大人という人たちは、いつだってなんでも知っている顔をする」…うわ〜わたしもいつしかそんな大人になってた。反省。。
    最近また食べたいものがくっきりわからなくなっているので、疲れてるのかも。もうちょいのんびり生きてみよ。

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。イラストレーター。主な著書に、エッセイ『しあわせしりとり』(ミシマ社)、『タイムトラベル世界あちこち旅日記』(毎日新聞出版)、『考えごとしたい旅 フィンランドとシナモンロール』(幻冬舎)、『小さいわたし』(ポブラ社)、『かわいい見聞録』(集英社)、他、漫画『ミウラさんの友達』(マガジンハウス)、『沢村さん家のこんな毎日』(文藝春秋)、『こはる日記』(KADOKAWA)、『マリコ、うまくいくよ』(新潮社)、『お茶の時間』(講談社)など。絵本に『はやくはやくっていわないで』(ミシマ社、絵・平澤一平)などがある。

「2022年 『小さいコトが気になります』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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