鹿男あをによし (幻冬舎文庫)

著者 : 万城目学
  • 幻冬舎 (2010年4月1日発売)
4.04
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  • Amazon.co.jp ・本 (454ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344414662

作品紹介

大学の研究室を追われた二十八歳の「おれ」。失意の彼は教授の勧めに従って奈良の女子高に赴任する。ほんの気休めのはずだった。英気を養って研究室に戻るはずだった。渋みをきかせた中年男の声が鹿が話しかけてくるまでは。「さあ、神無月だ-出番だよ、先生」。彼に下された謎の指令とは?古都を舞台に展開する前代未聞の救国ストーリー。

鹿男あをによし (幻冬舎文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 万城目さんの書く話は、いつも爽やかで気持ちいい。
    登場人物はいい人ばかりだと退屈なので、
    アクセントに少しばかり悪意の人間も登場するが、
    そこには読者が納得するちゃんとした理由がある。

    地震が起こらぬよう地中のなまずを鎮めるため、
    神の使者である鹿に「目」を持って来るように命じられるという、
    ご他聞に漏れず、これもまた荒唐無稽なお話である。
    にもかかわらず、それが全く不自然でなく話にのめり込めるのは、
    愛すべき魅力に溢れたキャラクター達のおかげだろう。

    山場の一つである剣道の試合のシーンは圧巻だ。
    剣道のルールは何も知らない私でも、
    目の前で試合を見ているような緊迫感だった。

    かのこちゃん然り、鴨川ホルモーの安倍もまた然り、
    万城目作品の主人公達は、不思議なアクシデントを乗り越え、
    小説の中で成長を遂げる。
    本作の主人公も同様に、自分を投げ打ち、生徒を優先して考えられる教師に変貌した。
    (その後の成長ぶりは「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」でよく分かる)
    社会という大地に根付き、人間的な力強さを身につける、
    この成長物語が爽快な読後感の所以だろうな。

  • 最後の第四章で2回も泣いた…なんてこった。
    鹿の約束を守っている理由と、
    堀田の手紙です。

    和歌のほとんどが愛だの恋だの言っている。
    シカも(駄洒落です)言ってることが今の人とあまり変わってない。
    だからどうだって上手く表現できないのですが、
    あまり色々こだわっても意味がないし、
    まっすぐに生きたいなとなぜか感じることができた。

    解説は今は亡き児玉清さんだった。

  • 1.『あおによし』は奈良の枕詞で直接意味を持つ言葉ではないそうです。

    2.鹿は人懐っこいあまりに餌をやってると手が食べられそうで怖い。

    3.邪馬台国や神々の話の絡めは◎十分に味が染み込んでますね!

    4.剣道やってみたいと思った自分は単純です

    5.奈良に行ってみたいと思った自分も単純です。

    結論:奈良に旅行に行く時は前以て読みましょう。なんか楽しくなるのでは?と思います。

  • 「さあ、神無月だ―出番だよ、先生」奈良の女子高に赴任したある日、鹿に話しかけられる。幻覚か妄想か現実か?奈良、京都、大阪をめぐる歴史と神話。鹿に話しかけられ、鹿に使われ、鹿になる!?歴史と重なり謎が解けていく。壮大で真面目なファンタジー。でも、バカバカしい。奈良、京都、大阪、古都のつながり。歴史好きにはワクワク。ポッキーは美味しいよね(笑)奈良に行きたくなった。

    「きみは神経衰弱だから。」

  • もちろん、鹿に話しかけられてる時点で違うんだけど、途中まではいかにもな青春小説で、それはそれで面白く読み勧められた。で、剣道での優勝をゲットしたところから、いよいよ素っ頓狂な世界の真っ只中へ突入。一筋縄ではいかない相変わらずの世界観、たっぷり堪能させて頂きました。個人的にはこれ、ホルモー並に面白かったです。

  • 奈良 高校教師 卑弥呼 鹿化 堀田イト可愛い マドンナ不二子 鹿狐鼠 サンカク 千八百年前 神無月 ナマズ

  • エッセイを読んで万城目さんに興味がわいたので、とりあえず有名どころを読んでみた。
    期待していた通り面白い!万城目さんの文章のリズムや言葉選びがとても好き。
    最初堀田からのいじめのシーンでは自分自身の事を思い出してちょっと暗い気持ちになったけど、読み終わってみるとどのキャラもとてもよかった。特に重さんと藤原君は完全脇キャラながら主人公を支える良い役だったと思う。

    ストーリーも奈良の歴史を絡めていて、とても面白かった。目=鏡というのや、リチャードの事は割と早くに推測がつく感じではあったけど、そこまでの話の運びが上手く飽きなかった。鹿のキャラが立っているのも一因だと思う。

    奈良に行って古墳巡りをして鹿にせんべいあげたいなぁと思った。

  • ひょんなことから奈良の女子高に臨時教師として赴任することになった神経衰弱野郎の、二ヶ月に及んだ、とっても素敵な受難の物語です。    

    平城旧跡横にある奈良女学館高等学校に赴任した28歳の「おれ」は、赴任早々、不思議な女子生徒「堀田イト」と険悪な仲になってしまいます。しかも、新米教師への洗礼に悩む彼に追い討ちをかけるように、春日大社近くの原っぱ・飛火野を散歩中、一匹の可憐なメス鹿が、人語、しかも、おっさんの声で話しかけてきて・・・。    

    「印」を盾に、妖しいおっさんメス鹿に無理やり「鹿の運び番」に選ばれてしまった「おれ」と、同じく「鹿の使い番」に選ばれた「堀田イト」が日本を救うべく奮闘する姿を、ユーモア溢れる軽妙な文体、日本神話と日本古代史上最大の「あの謎」を巧みに組み合わせて作った壮大かつ緻密な構成、実に適切なタイミングで織り込まれる奈良の地の精密な描写の三本柱によって描かれた、独創性が光る作品です。    

    しかし、この物語の魅力はそれだけではありません。  
    先に挙げた、文体・構成・描写の技巧的な見事さとは対照的な位置にある、「お約束」パターンが物語の土台になっている点も、この物語の魅力の一つではないかと思います。  

    唐突に使命を背負わされる男女ペアの主人公、彼らを妨害する黒幕の存在、喧嘩するほど仲が良い奴ら、種族も時空も超えて千八百年に及んだ一途な恋と約束・・・。ファンタジー小説やゲームでこれでもかと使われ続けてきたお約束要素こそがこの物語の土台となっています。  と言っても、決して悪い意味で言ってるわけではありません。  
    むしろ、土台の安定感のおかげで読みやすくて展開が頭にスムーズに入ってくる分、特徴的な技巧を思う存分楽しむことができる作品に仕上がっていると感じました。    

    ラストは少女的おとぎ話にはお決まりなシーンの逆バージョンで、それも却ってかわいらしくて愛着が湧き、なんだか、ほろりと後味の良い物語でした。    

  • 『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』を読んで、万城目学さんに興味が湧いてこの本を読んでみた。
    かなり好みの世界観です。
    ちょっと読むのに時間かかっちゃったけど…。
    卑弥呼や三角縁神獣鏡など実在のものが出てくるから、『これは本当にある話なんじゃないか…?』と思ってしまったよ。
    そして、主人公の『おれ』は、かのこちゃんのお父さんでいいんだよね?こういう繋がりが分かるとさらに楽しいね。

  • ずいぶん前にドラマ化されたとき、姉が原作の方がおもしろい!って言ってたの思い出して買ってみた。
    万城目作品読むの4作目ですが、文章がいいなーと思う。
    ちょっと堅苦しい、でも「」がないところの会話文までもテンポがよくておもしろい。
    話しの先が読めるようで読めないとこも好きでした。
    私はプリンセストヨトミよりおもしろかったと思う。

    最初の方で生徒が「マイシカ」で学校にきている、というくだりがあったので、主人公が知らないだけで、実は本当にマイシカを持っていた!みたいな話しなのかと思ってだまされたw
    これを伏線にして最後にちょっとあるけど、もっとすごいの想像してたから逆にだまされた感強くて悔しかったw

    トヨトミの映画はそうでもないけど、こっちの過去のドラマは見てみたいなーと思える作品でした。

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