ベイジン〈下〉 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 1093
レビュー : 121
  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344414693

作品紹介・あらすじ

衝撃的な事故シミュレーションを突きつけられた田嶋と〓(とう)は、徹底的な補強工事を決意し、最大の障壁である政府の実力者を失脚させることに成功する。不和を乗り越え、"希望"を手に突き進む二人の夢-世界最大の原発から、北京五輪開会式に光は届くのか?中国の暗部と現実を描き、共に生きる希望を謳い上げる一大傑作エンターテインメント。

感想・レビュー・書評

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  • 日本人作家にどうしてここまで中国人が描けるのだろうか、と悔しくすら思う一作。中国人のプライドとコンプレックスと最終的に大事にする価値、それに対照する日本人の作法との食い違いを冷徹な目で描ききっている。

    北京オリンピック開催直前の中国を題材に、汚職と中国共産党内での政争の有様と、先進国に必死に技術でついていこうとする様子を描く。更にサブテーマに原発の安全問題をも含んでいる。
    複雑極まりないテーマなのに、とことん具体的に描写は進められる。

    中国人が最終的に気にする価値は金銭と地位であること、党への恐れや保身を優先するということ。矛盾するようだが中国や中国人というものへの隠れた誇りがあること、だけれどもその誇りをくじけさせる事象にあまりにも慣れすぎているため希望を持つことを自ら否定してしまっていること。

    作中の映画監督の描写に作者自身の葛藤と思索も見える。記録映画にするのかフィクションの世界で勝負するのか。記録映画で真実を一面からしか描いてないのに真実を全て分かったつもりで公開するよりは、フィクションにて自分の主張をぶつけたい。そう思った映画監督に作者が重なる。

  • 上巻で散らばっていた伏線が
    原発を軸に一本にまとまって行くが、
    どうも結末が竜頭蛇尾というか。。。。
    個人的にはその後が知りたかった所。

  • 1

  • 2011年のF1メルトダウンを予言するかの記述があり話題となったが、ストーリーとしてはもう一歩。

  • いや、話し途中だから…。

  • なんじゃこの中途半端な終わり方は。
    何の解決もないままブッツリ終わって
    もーワケワカメ。

    それに映画撮っていた女監督はなんで
    この話の中に出てくるのかサッパリわかんね。

    この作家、ハゲタカ以外当たりがないのは
    私のヒキがわるいせいかなー。

  • 事故収集の結末が無いのが不満

  • 最後は気にくわない。原発と中国がテーマ。

    小説自体は迫力、緊迫感があって、楽しく読めた。それだけに、最後は気にくわない。

    つか、よくよく考えれば、伏線の回収もされてないの多いし、星3。

  • FF10。回想方式の記載ではあるが、既にそこで答えが見えかけているので、ハラハラはするけどどこか冷めて読んだ。
    マグマを読んだ後なのでテーマに目新しさもなく、中国人の働き方にあーあと思うけど、果たして本当にそうなんだろうか。あまりにイメージではとも思ってしまう。

  • 東日本大震災の後の原発事故を予測していたかのような描写に驚きを隠せない。
    中国人の考え方、行動が、今なおここに書かれたものの通りなら、原発を稼働させようとしているなら、こんなに怖いことはないと思う。
    真山さんが背景をものすごく勉強されて書かれているのがよくわかって、臨場感溢れる書きぶりにページを捲る手が止まらなくなってしまった。

  • 福島そのままです。

  • 北京オリンピック開会式までに世界最大級の原発の運転開始の使命を受けた日本人技術顧問・田嶋は運転直前になり様々な異常を発見し始める。絶対安全を保証できない以上、運転開始延期を求める田嶋の声は黙殺され、不安を抱えたまま運転開始されたが案の定、事故が起こる。。
    読んでいて凄くテンポが良く、ハラハラドキドキするのですが、最後が。。。

  • 読み応えがあったな。中国なら「そうかも」と感じてしまう、恐怖がある。とともに、いずれ日本は途上国クラスになるのかなと考えさせられた。

  • 原発というものが神の火ではなく悪魔の火であることがよく理解できた。未だに電力会社に飼われている家畜やカネに目がくらみ放射能産業に群がるハイエナどもに読ませてやりたい。震災よりはるか以前にこの本を書かれた著者に敬意を表したい。この本が福島の原発大爆発よりも前に書かれていたということの意味を日本国民には考えてもらいたい。この本のタイトルはベイジンではなくフクシマでもおかしくはない。

  • 中国と日本の人間性違いは、大元ではあまり違いがない。
    日本にも偽装問題があるし、
    利己主義なところがいっぱいある。

    日本人と中国人は個人ベースでは、
    信頼できるパートナーになりうる。

    そんな小説だった。

  • 2015/9/28読了

  • 中国で原子力発電所を舞台に、エンジニア、官僚、映画監督を主人公として展開される。3.11を予期しているかのような克明な描写があり、続きが読みたくなる。中国でのビジネスの難しさを読みながら考えることができる。

  • 2015/3/3読了。Kindle版。


    東方地方太平洋沖地震があった2011年よりずいぶん前、2007年6月から、週刊誌での連載により始まったこの本の内容に、まず驚く。
    福島原発の事故と、ついついリンクして読んでしまう。

    中国の複雑な政治情勢、国民性にからめて、世界最大の原発を中国国内に建設し、運開する、日本人原発技術者の奮闘、そして彼と中国側の責任者との友情などがとてもうまく描かれていて、原発の構造や技術用語など、少し戸惑ってしまうような難しさも気にならず、純粋に楽しめる。
    特に下巻の最後の方は、文字通りドキドキハラハラ、ついページを飛ばしたくなるほどの、緊迫感に満ちている。

    ただ、上下巻通して読み終わった今、楽しく読めはしたが、「思ったより軽かったな」という印象が残る。
    「原発」を扱っているだけに、もう少し、重量感のある、どっしりとした重厚な作品をどこかで期待していたのかも。
    その辺りが、星が一つ減ってしまった理由かもしれない。

    「諦めからは何も生まれない。希望とは、自分たちが努力し、奪い取るものだ」という一節は、とても心に響いたけれど。

  • 中途半端な終わり方がすごく残念、せっかくいいところだったのに…

  • 中国北京五輪開催と同時に、世界最大の原発を立ち上げるも、その直後に事故が起きる。日本人責任者が、原発を止めるべきだと言ったにも関わらず、中国は止めようとしなかった。そのせいで、大事故が起きる。責任者達は必死に原発を止めるべく、手を尽くすも、手抜き工事や杜撰な体制が浮き彫りとなり!あり得ない事づくし。中国の腐り切ってる状況が目に浮かぶ。最後、果たして原発を止めることが出来たのか?ハッキリしない所で物語は終わる。日本人の努力により、止めることが出来たと思いたい。

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著者プロフィール

真山仁(まやま じん)
1962年、大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒業。読売新聞記者を経て、フリーランスとして独立。2004年、熾烈な企業買収の世界を赤裸々に描いた『ハゲタカ』(講談社文庫)でデビュー。これが代表作となり、ドラマ・映画化された。
「ハゲタカ」シリーズのほか、『虚像の砦』『そして、星の輝く夜がくる』(いずれも講談社文庫)、『売国』『コラプティオ』(いずれも文春文庫)、『黙示』『プライド』(いずれも新潮文庫)、『海は見えるか』(幻冬舎)、『当確師』(中央公論新社)、『標的』(文藝春秋)、『バラ色の未来』(光文社)、『オペレーションZ』(新潮社)がある。

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