有頂天家族 (幻冬舎文庫)

著者 : 森見登美彦
  • 幻冬舎 (2010年8月5日発売)
4.19
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  • 985レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (423ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344415263

作品紹介

「面白きことは良きことなり!」が口癖の矢三郎は、狸の名門・下鴨家の三男。宿敵・夷川家が幅を利かせる京都の街を、一族の誇りをかけて、兄弟たちと駆け廻る。が、家族はみんなへなちょこで、ライバル狸は底意地悪く、矢三郎が慕う天狗は落ちぶれて人間の美女にうつつをぬかす。世紀の大騒動を、ふわふわの愛で包む、傑作・毛玉ファンタジー。

有頂天家族 (幻冬舎文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 「有頂天家族」をアニメで知った。
    アニメがとても良かったので原作を読んでみたいと手に取る。

    原作をとても丁寧に、さらによくアニメ化していたことがわかる。

    ならば原作を読む必要はないのか?
    否である。

    アニメと比較して原作の良い所は、次のようだった。
    ・物語の面白さや情の核が原作のほうがストレートに伝わる
     (アニメを観た後だから言えることですが)
    ・アニメでは気が付かなかった動作の意味や伏線を知ることができ、
     物語をさらに美味しく味わえる
    ・弁天さんは原作のほうが妖艶であり哀しく深い

    締めくくりはアニメも原作もどちらもいい。

    謎のままなのは、総一朗はどうして海星と名づけたのかである。
    ・ヒトデと読めるから愉快?
    ・海の星を意味して聖母マリアのように下鴨家と夷川家の母になってほしかったから?

    「たぬきシリーズ」の第一部に惚れたので、第二部(パピルス連載中)、第三部を待つことにしよう。
    「ケセラセラ」でも聴きながら
    http://www.youtube.com/watch?v=93HX1TFur6k

    面白きことは誠に良きことなり。

  • 今回は阿呆な人間たちではなく、阿呆な狸たちのお話。狸の総領を巡り、京都の町を狸と天狗と人間たちが騙し騙され駆け巡る。
    これから京都を歩く時には、擦れ違う人擦れ違う人が狸に思えてしまうかも。だって、あの六角堂のへそ石が狸の化けた物だったなんて!(笑)
    狸界でも森見ワールド全開なこのお話。アニメも絶対面白い事間違いなし。
    面白きことは良きことなり!

  • 毛玉たちの家族愛に目頭が熱くなります。
    今は亡き偉大な父上、あなたのへなちょこの息子たちは、兄弟お互いの危機を脱するため、そして母上を助けるため思う存分阿呆になりました。面白きことは良きことなり!
    狸や天狗が街中闊歩していても全然違和感がない舞台はやっぱり京都ですね。

  • 読み始めからぐぐぐいっと引き込まれ引き戻せなくなるすごい本がある一方、しばらくの間、どうしようかな、引き戻そうかなと逡巡した後でもう一歩踏み込んで見たらすっかり抜け出せなくなる奥手の魔の本もあるんだとよくわかった。
    天狗と狸の本をなんでまた読まなくちゃいけないのよと、グズグズしていたけれど、森見登美彦初めてだし、一回捕まってみるかと入り込んだら、流れに流されるのではなく、用意周到の言葉やキャラや設定全てのしつらいがお見事で、予想もつかぬ、シビアな方向に向かっていく、この巻き込まれ感は随分と味わっていなかったか、もしくは初めてか、心地よくニヤケてしまった。

    あぁ、それにしても京都には荒唐無稽のなんと似合うことか。万城目ワールド然り、好きだなぁ。

  • これを読んだ後に京都へ出向くと、ああもしかして今すれ違ったのは狸かもしれないなあなんて、想像してくすりとしてしまう。
    最初読み始めた時はなんとなく読む気になれなくて積読本にしていたのだけど、最近改めて読み始めてみれば、ページを捲る手が止まらず、一気に読んでしまった。森見登美彦ワールド全開の、なんとも現実的で奇想天外なファンタジーとでもいうか、とにかく、面白い、この一言につきる。
    狸が語り部なのに、妙に人情があってこちらの涙腺を突く場面もしばしば。

  • 狸たちが京都を駆け回るお話。天狗も登場する。これはもうどこからどう見てもほのぼのファンタジーが展開するのに違いあるまい。そんな風に想定しつつ読み始めた。
    実際、序盤はそんな感じで物語が進む。ただ、気がついたら家族を救うために命をかけて宿敵と対決する少年ジャンプ的な緊迫感漂う場面のまっただ中にいた。あれ、ほのぼのじゃないの?
    でも、心配ない。どんなに死の恐怖に迫られても、阿呆の血が流れる狸たちは「面白きことは良きことなり!」などと言っているのである。これもまた、阿呆の血のしからしむるところだ。序盤はイマイチ気持ちが乗れなかったのだが、後半は冒険活劇にのめり込んで一気に読み終わってしまった。
    色々な面で阿呆なところがある私としては、狸たちが他人事には感じられない。何か人生の糧となるものを狸たちからもらったような気もする。もらってないような気もする。何だか分からないけれども、ひとまず牛鍋を貪り食う妄想でもしながらこの感想文とも言えないようなものを終わろうと思う。

  • 「何の本読んでるの?」
    「京都の狸と天狗と人間の話」
    「・・・へっ?!」

    っていう会話がきっと読者の数人が経験したことでしょう笑


    なかなかの森見ワールドでした!面白かったぁー最後は一気読みです!(いつもの事ですが)

    弁天様の小悪魔っぷりかわいいですねー♪きっとお美しいんでしょうね(^-^)毛玉たちのわらわらに入りたい!

    最後は愛の力によって狸鍋が・・・!!!愛の形って難しいですね♪読み終わりもスッキリ、ほっこり☆

  • 森見ワールド×家族、という新境地。不毛な大学院生は出てこない☆笑
    ペンギン・ハイウェイも「ぼく」と父親の関係というものがあったけど、今回は京都・下鴨神社に暮らす狸一家の三男坊を中心に家族愛を描いた、あったかアニマルファンタジー!!!(*´ω`*)
    森見作品の中では、私的一番の作品かも!!

    父親のいない狸一家とヘンクツな天狗と妖艶な半天狗人間を中心に、天狗と狸と人間がうごうご騒乱を巻き起こしつつ、ほっこり兄弟愛・家族愛でじんわり温かくなるステキな京都絵巻。
    毛玉たる狸たちの絵を創造するだけで、もう可愛すぎてもきゅもきゅする。
    それぞれがそれぞれを思い合う温かい狸一家の様子が笑いあり・涙ありで、途中何だかうるうるとしながら電車を乗り過ごしかけました。

    森見カラーがしっかりしているのに、他の不毛大学生系作品と比較すると毒気がかなり薄いので、作品初心者にもとてもよい作品だと思う。
    もちろん不毛大学生系も大好きなんだけど、是非ともこういうステキ極まりないファンタジーをたくさん生み出してほしいと切に願います。

    そして、気になっているのがアニメ!キャラクター原案はあの久米田先生だと言うではありませんかー!!!すごい楽しみ。原作読み終わったから、さっそく見よっと♪

    --

    著者が「今まで一番書きたかった作品」と語る渾身の作。偉大なる父の死、海よりも深い母の愛情、おちぶれた四兄弟……でも主人公は狸?!

    時は現代。下鴨神社糺ノ森には平安時代から続く狸の一族が暮らしていた。今は亡き父の威光消えゆくなか、下鴨四兄弟はある時は「腐れ大学生」、ある時は「虎」にと様々に化け、京都の街を縦横無尽に駆けめぐり、一族の誇りを保とうとしている。敵対する夷川家、半人間・半天狗の「弁天」、すっかり落ちぶれて出町柳に逼塞している天狗「赤玉先生」――。多様なキャラクターたちも魅力の、奇想天外そして時に切ない壮大な青春ファンタジー。

  • 狸たちがほんとうにめちゃくちゃカワイイ!!
    魅力的なキャラクターたちばかりで、私たちの知らないところで京都を満喫しているんじゃないかと妄想すると楽しくて仕方がない。

    ところで森見さんの遣う擬態語(擬音語?)が素敵です。

  • なるほど長兄が味わい深い。
    アニメから入ったので、全体のストーリー展開も、長兄のダメっぷりもそれこそしっかりたっぷり知っていた。アニメではやはり矢三郎の機転や度胸や楽天さに目が行くし、比べて兄さんは頑固だし、説教くさいのにいざというときてんでダメ。小さい小さい言われていた器はどうにも最後まで小さいままだった。
    それでも小説でじっくり見返してみると、うんうんがんばっている姿がなんとも言えない。こういうのをいじらしいというのかしら。矢三郎の兄考察が泣けてくる。もう少し俯瞰してみてみると、親世代の確執も重なって、いつの間にか中心にいるのは矢一郎だ。いや、もともと選挙がクライマックスだったっけ。
    小説→アニメの知人はアニメで矢一郎が好きになったと言っていたので、メディアの違いというよりは2回目かどうかが重要なのかな。

    ダメダメの役立たず兄さん、ダメに見せかけての切れ者兄さんもいいけれど、ダメでも頑固にがんばってる兄さんもなかなかいいものです。あれ、3匹そろってる・・・??

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