有頂天家族 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
4.15
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  • (31)
本棚登録 : 13246
感想 : 1183
  • Amazon.co.jp ・本 (423ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344415263

作品紹介・あらすじ

「面白きことは良きことなり!」が口癖の矢三郎は、狸の名門・下鴨家の三男。宿敵・夷川家が幅を利かせる京都の街を、一族の誇りをかけて、兄弟たちと駆け廻る。が、家族はみんなへなちょこで、ライバル狸は底意地悪く、矢三郎が慕う天狗は落ちぶれて人間の美女にうつつをぬかす。世紀の大騒動を、ふわふわの愛で包む、傑作・毛玉ファンタジー。

感想・レビュー・書評

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  • 京都を舞台に縦横無尽に展開するストーリー。予測不能の奇想天外のファンタジー。森見ワールド全開でした。
    主人公が狸の一族であり、天狗や人間が絡んでくるしかも舞台が京都というのが絶妙にマッチしています。
    確かな文章力で「阿呆」で「楽しい」ことを全力で描いています。この世界観はすごいなと思います。
    それゆえ、今まで読了できず挫折を繰り返してきた森見作品ですが、これはバッチリハマりました。
    読書の幅が広がってよかったです。

    ご紹介くださったmisachi68さん、ありがとうございました!

    • misachi68さん
      ちゃたさん!読んでくださって嬉しいです!
      森見ワールドの楽しさが共有できて幸せです♫
      森見作品の中で一番弾けてていい作品かと思います。

      ブ...
      ちゃたさん!読んでくださって嬉しいです!
      森見ワールドの楽しさが共有できて幸せです♫
      森見作品の中で一番弾けてていい作品かと思います。

      ブクログ最高ですね!
      2022/06/30
    • ちゃたさん
      ありがとうございました。
      極上のエンタメですね。
      続編「二代目の帰朝」も楽しみです。またのお薦めたのしみにしております。
      ブクログ最高で...
      ありがとうございました。
      極上のエンタメですね。
      続編「二代目の帰朝」も楽しみです。またのお薦めたのしみにしております。
      ブクログ最高です!
      2022/06/30
  • おもしろきことは良きことなり!

    が口癖の狸が狸同士の権力争いや天狗、人間と絡んだ破茶滅茶だけどとても面白い物語です。

    京都の街を舞台に繰り広げられるのですが、この作品を読んでた頃、京都への出張が多く、いつも狸や天狗が見えるような気がしてました笑

    破天荒なのに暖かく面白い!オススメです♪

    • megmilk999さん
      叡山電鉄には、本当にたまに狸、しかも親子が乗ってきて、ニュースになったんですよ。
      叡山電鉄には、本当にたまに狸、しかも親子が乗ってきて、ニュースになったんですよ。
      2023/03/22
    • hibuさん
      megmilk999さん、こんばんは。
      叡山電鉄に狸!まんまですね!
      まだ京都は京都駅周辺と山城あたりしか行ったことないので、鞍馬・貴船あた...
      megmilk999さん、こんばんは。
      叡山電鉄に狸!まんまですね!
      まだ京都は京都駅周辺と山城あたりしか行ったことないので、鞍馬・貴船あたりにも行ってみたいです^_^
      2023/03/23
  • 読みづらくて苦戦しました。
    人気作なので私があれこれ言うまでも無いのですが、一言 
    鍋って!!!
    (ここショックだった)

  • 森見登美彦さんの本は、どれも面白いですねー。
    登場人物のキャラやストーリー展開、表現方法や言い回しなど、とても面白く、グイグイ読んでしまいました❕

    ぜひぜひ読んでみてください

  • タイトルだけ知っていた本だけど、まさか主人公が狸だとは思わなかった。狸と人間と天狗が織りなすファンタジー小説。
    森見登美彦さんの本はまだ二冊目だけど、どうも相性が合わないかもしれない。話自体には面白さを感じられても、なぜか文章が頭にうまく入ってこない。なぜだろう。

    その中で、「世に蔓延する「悩みごと」は、大きく二つに分けることができる。一つはどうでもよいこと、もう一つはどうにもならぬことである。そして、両者は苦しむだけ損であるという点で変わりはない。」という言葉にはビビッときた。心に刻みたい。

  • 「有頂天家族」をアニメで知った。
    アニメがとても良かったので原作を読んでみたいと手に取る。

    原作をとても丁寧に、さらによくアニメ化していたことがわかる。

    ならば原作を読む必要はないのか?
    否である。

    アニメと比較して原作の良い所は、次のようだった。
    ・物語の面白さや情の核が原作のほうがストレートに伝わる
     (アニメを観た後だから言えることですが)
    ・アニメでは気が付かなかった動作の意味や伏線を知ることができ、
     物語をさらに美味しく味わえる
    ・弁天さんは原作のほうが妖艶であり哀しく深い

    締めくくりはアニメも原作もどちらもいい。

    謎のままなのは、総一朗はどうして海星と名づけたのかである。
    ・ヒトデと読めるから愉快?
    ・海の星を意味して聖母マリアのように下鴨家と夷川家の母になってほしかったから?

    「たぬきシリーズ」の第一部に惚れたので、第二部(パピルス連載中)、第三部を待つことにしよう。
    「ケセラセラ」でも聴きながら
    http://www.youtube.com/watch?v=93HX1TFur6k

    面白きことは誠に良きことなり。

  • 四畳半シリーズ、ペンギン・ハイウェイに続いてこのたぬきシリーズ?にはじめて手を出してみた。
    一言で言うなれば…森見登美彦シリーズ全開!という感じの本だったかなと。
    狸界の名門とされる下鴨家の三男である矢三郎が主人公、この家族には主人公の他に3人兄弟がいて、それに母親を含めて4人の家族がいる。亡くなった完璧な父に比べ、何か足りないもの同士の兄弟たちが悪戦苦闘する物語。父親の死を境にバラバラになってしまった家族が、父親の死の真相を突き止め、その中で起きる出来事を通じて、それぞれ兄弟が成長し家族が一つになる…まぁそんな感じの話である。
    あらすじにすると感動チックに聞こえるかもしれないが、中身は至って阿呆な話が多く読んでいて楽しい。この著者独特の言葉の使い方や、この慣れない世界観に、若干の読みづらさを感じる人はいるかもしれないが、面白い作品だったと思います。
    もう1作品このシリーズがあるようなので、こちらも機会を見つけて読んでみたい。
    でも個人的には、やはり森見登美彦は四畳半シリーズかな~とも思いました。

  • 『阿保嵩じて崇高となる。我らはそれを誇りとする』
    『面白きことは良きことなり!』
    『阿保の血のしからしむるところさ』

    森見登美彦作品を貫く核が、またとなく詰まった作品でした。訳の分からないあらすじ、そして設定なのに、どうしてこうも楽しく面白可笑しいのか。それはまさに著者の森見登美彦さんが、奇想天外な発想を崇高になるほどに極め、「面白きことは良きこと」と、徹底的に真面目に阿保を極めているからだと思います。

    狸、天狗、人間が入り乱れ、京都の街を舞台に繰り広げられる大立ち回り。狂言回しとなるのは、狸の名門・下鴨家三男で「阿保」で名高い(?)矢三郎。
    下鴨家長男矢一郎は、亡き父の後を継ぎ、狸界の頭領を目指すが、急なピンチにはめっぽう弱く、次男は蛙に変身し、井戸の底に潜ったまま上がってこない。四男はちょっとしたことで変身が解けそうになる未熟者。そしてそんな息子たちを優しく包む母。

    そんな下鴨家に加え、弥三郎たちの先生である、天狗の赤玉先生は、今や神通力を失い態度ばかりが偉そうで、色恋にうつつを抜かす始末。赤玉先生が連れこんだ人間の女の子は、本家の天狗以上の力を持ち、弁天様と呼ばれるように。さらにこの弁天は、年に一度狸鍋を喰らう「金曜俱楽部」に所属していて……
    そして下鴨家と狸界の頭領を争う夷川家も、個性豊かな狸たちがそろっています。

    狸たちを毛玉風情と表現する、そうした文体やワードセンスはもちろん、ハチャメチャなストーリーの展開、どことなく古風だけど個性豊かなキャラクター達と、どこをとっても森見節にあふれています。真面目に感想を書こうと思っても、何をどう書いていいのかよく分からない。

    キャラクターや文体にのめりこんでいくうちに、いつの間にか笑い、いつの間にかハラハラし、いつの間にか切なくなり、いつの間にか興奮し、そしていつの間にか終わっていたような気がする。まさにお祭りのような一冊。

    とんでもないほら話なのに、物語がまったく息切れしないばかりか、最後まで盛り上がりを見せるのは、すごいの一言に尽きる。特に終盤の電車のシーンは圧巻でした。泣かせにきている場面でもないのに、なんだか訳の分からない感動まで押し寄せてくる始末。

    話自体はよくよく考えると、結構えぐいことをやられている気もするのですが、それも全部『面白いことは良きことなり』の精神が飲み込んでいく。そして狸たちの家族の絆が、心にグッと迫ってくる。

    時に可笑しい、時に切なく、でもやっぱり可笑しい、愛すべき毛玉風情(狸)たちの奇想天外、ハチャメチャなドタバタ劇。後にも先にもきっと生まれない、森見さんだからこその傑作でした。

    第5回本屋大賞3位

  • 今回は阿呆な人間たちではなく、阿呆な狸たちのお話。狸の総領を巡り、京都の町を狸と天狗と人間たちが騙し騙され駆け巡る。
    これから京都を歩く時には、擦れ違う人擦れ違う人が狸に思えてしまうかも。だって、あの六角堂のへそ石が狸の化けた物だったなんて!(笑)
    狸界でも森見ワールド全開なこのお話。アニメも絶対面白い事間違いなし。
    面白きことは良きことなり!

  • 人間ではなく狸が主人公。「阿呆」で「面白き」日々

    ★本の感想
     この本の主人公は狸である。他の狸や天狗や人間らと色々と騒動を巻き起こす物語である。狸を中心に据えているからこそ、より自由に場面やストーリーを展開させられる。人間のように学校や仕事に行く必要はない。狸なので、好きな時間に好きなところに行くだけである。そんな自由さ、阿呆さがこの本の魅力だ。森見先生の言葉遊びは相変わらず気持ちよく、子気味よい。「呉越同舟」と叫びながら意地悪を仕掛けてくるライバル狸の阿保っぷりに笑かされる。キャラクターが皆生き生きとしてやかましい。とてもアニメ向きの作品だなぁと思う。実際に、P.A.WORKSから作品化されている。森見監督は愛おしいキャラクター達を描くのがホントに上手だなぁ。

    ※Auidbleで読了

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著者プロフィール

1979年、奈良県生まれ。京都大学大学院農学研究科修士課程修了。2003年『太陽の塔』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。07年『夜は短し歩けよ乙女』で山本周五郎賞を受賞。同作品は、本屋大賞2位にも選ばれる。著書に『きつねのはなし』『有頂天家族』など。

「2022年 『四畳半タイムマシンブルース』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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