まぼろしハワイ (幻冬舎文庫)

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レビュー : 127
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344415294

感想・レビュー・書評

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  • 友人からもらった小説。
    ハワイにまつわる物語×3
    どれがいちばん好きか選べないくらい、どの物語も力強くて哀しくて優しい。
    読み終えてまず強烈に思ったのが「ハワイに行きたい」ということで、それは南の島でバカンスしたいというよりは、この物語にあるようなエネルギーの中で何も考えずに夕陽を眺めたいような、そういう感覚。
    もしかしたら今の自分は思いのほか疲れていて、魂の似通った誰かに洗いざらいいろんなことを打ち明けたいという欲求があるのかもしれない、と思った。

    この本をくれた友人が「姉さんと僕」というお話のなかの「生きていること」について語っているあたりがしっくりきた、ということを言っていたのだけど、「生きていることとは、何でも順番を追っていかなきゃならないということ」っていうところ、私もものすごく、そうだな、と思った。
    (私が毎朝している)朝起きてシャワー浴びて朝ごはん食べて身支度して、という大まかな流れのなかにも、着替えを準備したり身体を洗ったりパンを焼いたり紅茶をいれたり髪を乾かしたりいろんな順番を追っていて、それで1日が成立していて、その繰り返しを営むことが「生きていること」。死んでしまったらその順番を追うことさえできないということ。
    そういう当たり前にある、つまらなくも見える日々の尊さを、よしもとばななさんの小説はいつも気づかせてくれる気がする。

    運命とか縁とか、普段から意識して生きてるわけじゃないけれど、不意にそういうものを強く感じる瞬間がある。
    今この小説をプレゼントしてもらってすぐに読んで、雑事だらけの日常を考え直すきっかけになったのもある意味運命。
    幼い頃に抱えた傷だとか痛みだとか、もはや過去のことになりつつある悲しみとか、時間とともに和らいで消えたように思っていても、実はそんなに変わらないまま残っていて、だからこそそこに触れても一緒に笑える人とか、全部無駄なことに思えるようなエネルギーが時々必要なのだと思う。

  • ばなな先生、僕のイメージではフワフワゆるゆるで耳ざわりがいい言葉の人だと思ってた。

    でも今回は違った。

    生きることを太い輪郭で書き、目に見えない空気や光、風を繊細にはっきりと読ませてくれた。

    家族のこと、生きる意味、不思議な感覚、芸術家の力、身近にある様々なことて対してばなな先生の言葉で読めて楽しかったなぁ。

    久しぶりにクドカンの「11人もいる」を見たくなっちゃった。

  • 2011/10/3読了

    まだいったことのないハワイに行きたくなった。


    この広い世界、旅先で偶然に人と会うこと、それもそれぞれが以前お互いの感情を共有してたこと。


    そんな不思議が、不思議でなくなる場所があるとしたらハワイなんだろうと思う。


    観光客によって、観光地化したハワイではなくて、何万年も続く大地や自然な姿のままのハワイを、体で感じたらこの本で得たことをもーっと、奥深く感じることができるのだと思う。


    この一冊で、よしもとばなながスピリチュアルな人なんだなって気付いた。

  • エッセイを読むような軽やかさで、
    すいすい読めた。

    大好きなばななワールド満載の、
    踊りだしたくなるような
    心の内側が健康になるような文章で編まれていて
    短編集なのにやけにいい感じ。

    あざみさんみたいになれたら素敵。
    と、凡人の私はあこがれる。

  • ハワイを舞台にした中編集。
    なんだか物語というより、作者の経験してきたことの集まりというか、エッセイをつなぎあわせた感じがする。
    それが独特のテンポを刻んでいて、話に言葉に深みをもたらしていて、よしもとばななの良さであると思うんだけど
    この小説はどこか押しつけがましい感じを受けて好きになれなかった。何かの教えみたいだった。でもハワイには行きたいな。ピンク色の空や夕日やフラダンスをたくさん見たい。
    「ほんものはちゃんとほんものに見えるのよ」

  • 登録500冊目はばなな作品。
    珍しく文庫が初読の作品です。

    ばなな先生のハワイに対する愛があふれています。
    人生のつらいことも人間のどろどろした部分も
    がぶがぶ飲み込んでくれる。
    そして、優しく浄化してくれる。
    それがハワイという土地なんだなと思いました。

    でも、まだ理解しきれない。
    きっと何年か後にもう1回読み直したほうが
    本当にばなな先生が書きたかったことが
    分かるような気がした1冊です。

  • あの苦しみもあの絶望もあの悲しみも、柔らかい風のように優しい雰囲気が癒し包み込んでくれる。
    行きていくのが不器用な人たちの話で、だからこほ表面ではなく心の奥底では誰かを強く求めているような気がする。
    姉さんとコーちゃんの歪んだ関係性は否応なしに与えられてしまった不足感の中で一種の充足感を持ってしまうことで、それはアップルちゃんとの関係性とも通ずるものがある。
    人との関係は一対一では成立せずに複数で築き上げれる。
    だけど人生なんて雑事の連続でしかなくて、それが果てしなく永遠に順番に続いていく。
    そう思うと絶望と同時に希望を見出すことができるように思える。
    突然救われてしまうことはあるし、全ての物事には意味がある気がしてくる。
    広田さんとコホラの関係は歪んだ末に落ち着いた形になっていくように思う。
    広田さんの不器用な軽率さと絶望を孕んで希望を見出す雰囲気が好きだった。

  • ばななのハワイシリーズは意識的に肩の荷を下ろしているようにみえる。物語は起承転結がある分、作者臭さが出てしまうが、すっきりとした読後感は悪くなかった。

  • ハワイ旅行のおともに。
    機内で読んだ!!持っていって良かった…!

  • 2008年06月11日 20:14

    ハワイに行きたくなりました! 

    この本を書き上げるために5年もかかったというくらい、大作に仕上がっていると思います。 

    フラをとても魅力的に踊っている「あざみさん」が目に浮かぶ。ハワイという場所の持つオーラも3つのお話しを通じて伝わってきた。。。

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著者プロフィール

吉本ばなな(本名:吉本 真秀子 よしもと まほこ、旧筆名:よしもと ばなな)
1964年、東京都生まれの作家。日本大学芸術学部文芸学科卒業。卒業制作の「ムーンライト・シャドウ」が日大芸術学部長賞を受賞。また「キッチン」で第6回海燕新人文学賞を受賞、デビュー作となる。
1989年『TUGUMI』で山本周五郎賞を受賞。1996年イタリアのフェンディッシメ文学賞(35歳以下部門)、1999年イタリアのマスケラダルジェント賞文学部門を受賞。2000年『不倫と南米』でBunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。その他代表作に、映画化された『アルゼンチンババア』などがある。
海外での評価が高く、著作が多くの国で翻訳されてきた。

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