銀二貫 (幻冬舎時代小説文庫 た 43-1)

著者 :
  • 幻冬舎
4.37
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  • Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344415324

作品紹介・あらすじ

大坂天満の寒天問屋の主・和助は、仇討ちで父を亡くした鶴之輔を銀二貫で救う。大火で焼失した天満宮再建のための大金だった。引きとられ松吉と改めた少年は、商人の厳しい躾と生活に耐えていく。料理人嘉平と愛娘真帆ら情深い人々に支えられ、松吉は新たな寒天作りを志すが、またもや大火が町を襲い、真帆は顔半面に火傷を負い姿を消す…。

感想・レビュー・書評

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  • なんだよこのフビライ・ハーンは!!間違えた読後感は!(あえて三代目を持ってくるこのセンスね)

    いや、どえらいの来たで!!いわゆる人情噺の最高傑作ではなかろうかこれは!こんなすんばらしい小説がまだ隠れてたんやなぁ(お前が知らんかっただけや)

    断言しよう!番頭さんの最後の落ちのセリフを読むためだけに有給休暇を取ってもおつりがきます
    今すぐ申請してください
    悪いこと言わないから、急いで!早くって年末年始休暇中か

    最後の一行でほんとにぐわわわ~んと来ますから!間違いないですから!

    それにしても登場人物がみんないい人、みんないい人でみんな必死に愚直に生きる人たち

    この素晴らしい物語、羊羹だけによう、噛んで味わってください

    おあとがよろしいようで

    • ひまわりめろんさん
      ahddamsさん
      こんにちは

      いやもう最後の数ページは17回くらい読み直しましたよ
      ドラマ化されてたんですね
      う~ん、見たい
      ...
      ahddamsさん
      こんにちは

      いやもう最後の数ページは17回くらい読み直しましたよ
      ドラマ化されてたんですね
      う~ん、見たい
      丁寧なごあいさつありがとうございましたw

      みんみん
      いや、凄かったわ!まさに人情噺っていう構成も良かった
      わし落語も大好きなんで、こういうの大好き
      あれれ?落語も大好きなのになんで今まで手を出さなかったんだろう?謎や
      2022/12/30
    • hibuさん
      ひまわりめろんさん、こんばんは。

      初めてコメントさせていただきます。
      もう素敵すぎて笑えるレビュー、楽しく読ませて頂きました♪

      とてもい...
      ひまわりめろんさん、こんばんは。

      初めてコメントさせていただきます。
      もう素敵すぎて笑えるレビュー、楽しく読ませて頂きました♪

      とてもいい物語ですよね〜!
      2023/01/23
    • ひまわりめろんさん
      hibuさん
      こんばんは

      本当にすんばらしい物語でした
      高田郁さんもっと読みたいと思います
      hibuさん
      こんばんは

      本当にすんばらしい物語でした
      高田郁さんもっと読みたいと思います
      2023/01/23
  • ブクログで唯一レビューしていない本であることを今更突き止めました…。奇跡的に当時の読書メモが現存しており、せっかくなので載せようと思います!(何故ブクログに残さなかったのか、残念ながら自分でも不明です…)
    同名のNHK木曜時代劇を鑑賞、原作読了直後に書いたので感想としてはかなり新鮮です笑 どこかで再読した際はどんな感想が生まれるのか…あらすじは覚えていても、こればかりは予測できません!


    【終わっちまった悲しみに】(わざわざ表題まで付けている笑)

    連続ドラマはどうも苦手。
    観るとしても1話完結型で、頑張ってみるも長続きしないことが多い。おまけにドラマとなると何故か感情移入が出来ず、せっかくの感動モノ(と言われている作品)も私が観るとただの「物語」になってしまう。

    先週放送終了したNHK木曜時代劇『銀二貫』ではそんな私の性は覆され、最終話ではボロ泣きにまで追い込まれた。ドラマで笑ったりじーんと来たことって多分無かった。終わっちまった悲しみで胸がいっぱいでもう一度観直そうかとまで考えている。

    ここまで夢中になったのは本当に久々だからその記念として原作を購入。しかも作者のサイン入りであることが購入後に発覚…!
    時代小説は中学生の頃から好きだったがこれは特に読み易い。

    エンドロールで登場するわんこに会うのが楽しみだった。
    日本史の図説や天満天神繁昌亭で買ったなにわ言葉帖、『えどたん』(江戸文化歴史学会編 2007)、『江戸三百藩』(山本明著 西東社 2011)を片手に当時の経済事情を覗いてみたり「(作中の)苗村藩ってひょっとして美濃国苗木藩がモデル?」とか勝手に分析する時間が楽しかった。

    なにわも関西も興味深い。
    地中深くに眠っていた日本史熱に火がついた。

  • 時代物は苦手だけど、「木挽町のあだ討ち」の前に、高評価の「銀二貫」(大体400万円らしい)。寒天問屋店主(和助)が、焼失した天満天神宮に寄贈しようとしていた銀二貫を仇討ちで父を亡くした男児(鶴之輔)の命と引き換える。鶴之輔は寒天問屋の丁稚として懸命に働く。鶴之輔への躾は厳しいが、関わる者全員が彼を温かく見守る。この銀二貫が巡りに巡って人を助けていたのだ、天神様~。商人には良い人も悪い奴もいるが、侍は力(ちから)で、商人は言葉で相手と対峙するルールがある。鶴之輔の恋や成長は心地よい。大阪弁が少し辛かった。④

  • 「駅の名は夜明」を買いに行ったのだが書棚にはなく、代わりにこの本が目につき、激賞されていたレビューがあったことも思い出して買ってみた。

    大坂の寒天問屋「井川屋」店主の和助が、貸した金を取り立てに行った伏見で仇討ちの場面に遭遇し、ひとりの少年の命を救うために、天満宮再建に寄進するはずだった取り立てたばかりの銀二貫でその仇討ちを買うところから始まる物語。
    舞台は大坂天満に移り、少年は「松吉」と名を改め、士分を捨てて井川屋の丁稚として生きることになるが、しもやけで真っ赤に膨れ上がり指のあちこちにあかぎれが出来た手が、大人も音を上げる厳しい寒天場での1か月の修行に耐えたことを示す場面でまずじんわり。
    そこからは小さな寒天問屋の日常とそこに奉公する人や周囲の人々が描かれ、読んでいるこちらは何度も温かい感情に満たされる。
    和助や番頭の善次郎が松吉に叩き込む商人としての心得や利他の心、同じ丁稚の梅吉の松吉や店に対する心情、料理屋の娘・真帆との交情、火事で亡くなった真帆の父・嘉平の最後の言葉を頼りに松吉が挑む寒天づくり…、ひとつひとつ挙げていたらきりがないので丸めたが、章立てごとに描かれるそうした場面に喝采したりほっこりしたりしんみりしたりじんときたり。
    物語の根底には何度も飢饉や火事に見舞われながらその度に立ち上がる人々の逞しさや心の強さがあり、描かれる温かさはその信念や情念の強さに裏打ちされた温かさだけにより心に沁みた。

    大阪天満宮、天神橋や天満橋に八軒家、高槻に枚方などよく知っているところが描かれ、それだけでも楽しかった。

  • 安永7年、美濃国稲村藩藩士の子、鶴之輔の目の前で父が仇討ちに遭う。父を庇って鶴之輔も斬られそうになったところ、その様子を見ていた大阪の寒天問屋の和助に助けられる。その代償として和助が侍に支払ったのは消失した天満宮に寄進するはずの銀2貫。やがて和助の店の丁稚として働き始めた鶴之輔。番頭の善次郎は大切な銀2貫の代わりに雇われた鶴之輔に冷たく当たるが…

    お金を誰のために、何のために使うか。寄付することや、商売についてなど、今でも十分参考になります。
    主人公が天涯孤独や、優しい店主など、他の作品に似たところがあるけれど、それを差し引いても伏線回収が気持ちよかった。
    和助と善次郎の掛け合いがとてもいい。善次郎さんに3000いいね!です。

    実は今日、大阪府立中之島図書館で高田郁さんと鈴木敦子さん(近世紀の呉服商や貨幣改鋳の研究者)の対談イベントに行ってきました。素敵なお二人のおしゃべり、とても楽しかったです。
    髙田さんの徹底的に古典籍を調べて書く物語は、専門家鈴木さんのお墨付き。それでも髙田さんは「学術論文からさっと取っていくのが作家」「研究大事!」とおっしゃっていました。
    研究する人がいて、図書館や資料館に資料が残されているからこそ、この本のような江戸時代を舞台とした面白い経済小説が存在し得るのですね。研究大事です。

  • 誰もが高評価を付ける安心安全安定の人気作。
    感涙必至と呼び声の高いの時代物人情噺。

    しかし……(-_-;)

    わざとじゃないんですよ★2はー。
    だってしょうがないじゃないですかヽ(`Д´)ノ

    人の心が無い人間が読むとこうなっちゃいますね(笑)

    あだ討ちによって親を亡くした武家の子供が銀二貫で命を救われて、大坂商人として成長していく物語。

    う~ん。
    話が真っすぐすぎるなぁ。
    先の展開が読めてしまうんですよ。

    この二人は最終的には夫婦になるんだろうなー、とか。
    この番頭さんは最後には良い人になるんだろうなー、とか。
    何度も出てくる銀二貫は最後のキーワードかなー、とか。
    なんだかんだでみんな幸せハッピーエンドだろうなー、とか。

    話が甘い。羊羹だけに?

    どっちかっていうと同じ時代物でも山本周五郎とかの方が無情さもうたってるので好みかな。

    まあ、昔の火事の恐ろしさだけは伝わった。
    ほんとに大災害だね。
    一万世帯以上を灰にする大火がたびたび起きるなんて。
    怖すぎる。

    最近、食べ物が主題の小説ってよく見かけるけど、あれも俺には理解できない。
    どう楽しめばいいのだろう?
    あんまり食に興味が持てないからなー。


    あ、そういや。
    甘いものって好きなんだけど、なぜか羊羹って昔から食べられない。甘納豆も最中も苦手だな。
    まんじゅうとか団子とかおはぎとかは好きなのに。
    作中に苦労して作るのが羊羹じゃなくておはぎだったら★3だったかも。
    それはないか(笑)

    • 土瓶さん
      みんみんさん。
      慶次郎シリーズ。北原亞以子さんか。( ..)φメモメモっと。
      ちらっとドラマで観たことあるようなないような?
      そのうち...
      みんみんさん。
      慶次郎シリーズ。北原亞以子さんか。( ..)φメモメモっと。
      ちらっとドラマで観たことあるようなないような?
      そのうちに挑んでみます!
      2024/03/31
    • bmakiさん
      匣にみっしりと詰まっているのもなんかイメージと違って、『ほう』も全くイメージと違いました(-。-;
      ほう って言ってましたけどね、何かイメ...
      匣にみっしりと詰まっているのもなんかイメージと違って、『ほう』も全くイメージと違いました(-。-;
      ほう って言ってましたけどね、何かイメージと違いました(-。-;

      凄い役者さん集めているのに、あまりにも小説のイメージからかけ離れていて(-。-;

      先日、榎木津大活躍の百鬼徒然袋雨が、叔母から母に回ってきたのですが、叔母の感想が◎でした!叔母は京極堂のシリーズ全部は読んでいないはずなのに。それでも面白かったと!

      やっぱり京極堂のシリーズ、小説は面白いですね!

      と、全然この本の感想と離れてしまってすみませんm(__)m
      2024/03/31
    • 土瓶さん
      榎木津の女子(?)人気は異常。
      あー、羨ましい(笑)
      榎木津の女子(?)人気は異常。
      あー、羨ましい(笑)
      2024/03/31
  • 寒天問屋の主・和助は、仇討ちの場で、父とともに切り殺されかけた少年を、銀二貫で救う。
    鶴之輔は侍を捨て、井川屋の丁稚・松吉として、新たな人生を歩んでいく。

    何度も泣けた!

    大飢饉、大火事、人間の悪意。
    繰り返される天災と人災の中、神信心を忘れずに、前を向いて生きる人々が、あたたかでさわやか。

    井川屋のみんなはもちろん、かかわっていくすべての人々にドラマがあり、引き込まれる。

    大変な思いを積み重ねて生まれる、銀二貫の行方は?

    苦しいこと、つらいこと、そして、うれしいこと、たのしいこと。
    日々の中にある感情がつぶさに描かれていて、人情味あふれる物語。

  • タイトルの「 銀二貫」に込められた深い意味が分かった

    「 その仇討ち 銀二貫で買わせて頂きとうおます」
    仇討ちの場で寒天問屋主人の和助に救われた鶴之輔改め松吉の半生
    武士の長男としての身分を捨て、商家の丁稚として生きていく覚悟の裏には、常に天満天神宮の再建のために寄進するはずだった銀二貫で買われたという負い目があった
    しかし、いつかは天満天神さんと寒天問屋井川屋に恩返しをと精進に精進を重ねる

    トコロテンを寒晒ししたものが、寒天
    もとは、ゆるい液体のものにとろみをつけるだけの寒天が、松吉と半兵衛の何年もに渡る努力と研究の末、 今でいう" あんみつ" や練り羊羹に使われる硬さの糸寒天を完成させる過程には感動した

    刀で命のやり取りをして決着をつけるのは侍
    知恵と才覚を絞り、商いの上で決着をつけるのが商人という理の通り、井川屋の主人和助は、また天満天神の再建をと貯め始めた銀二貫を、その後も大火の被害に遭った伏見の美濃志摩屋 の見舞いや原村の寒天場 半兵衛が新しい天草の仕入れ先を見つけ手配するのに用立てる
    決して、お金に執着することなく、ここぞという所にぽんと用立てる和助のお金を動かす裁量には唸ってしまった

    商人にとって大切なことは、始末・信用・神信心の言葉通り、22年かかって、天満天神さんに「銀二貫」寄進することが叶う

    物語の発端となった仇討ちを銀二貫で売った側の建部玄武の話も出てくる
    仇討ちを売ることによって得た銀二貫は、美濃苗村の新田開発に役立てられ青々とした水をたたえた水田になる

    銀二貫が方々でいろんな事業に生まれ変わり、役立てられ銀二貫以上の働きをする
    まさしくこの話のタイトルが、「銀二貫」の所以である

    最後の最後の和助と番頭善次郎の会話がこの本のテーマであるかのように洒落ているがネタバレになるのでひ・み・つ

    高田さんの本の登場人物は、町人や商人が多いが、それぞれに誇りを持った生き方をしていて、読んでいて背筋が伸びる気がする



  • 先日、みをつくし料理帖のレビューを書きましたが、この作品も人情味のある暖かくも前向きになれる本です。

    江戸時代というのは現代よりもずっと火事に悩まされていたんですね。
    何度も大火に見舞われても、不屈の精神で乗り越える様に心打たれます。

    オススメです!

  • 今年も出会えた。

    追いかけたい作家に。

    本作「銀二貫」は、仇討ちで父親を殺された10歳の少年が、通りすがりの寒天商人、和助に銀二貫で命を買われ、そこから丁稚、商人として成長していく半生の物語。

    髙田郁(たかだかおる)さん、初めて読んだが、歳のせいか、生来の人情話好みの性質か、途中何度も涙腺崩壊してしまった。

    ブクログを紹介してもらって以来、
    ・原田マハさん
    ・岡嶋二人(井上夢人)さん
    ・青山美智子さん

    毎年追いかけたい作家と巡り逢える。

    また、楽しみがひとつ増えた。

    紹介してくれた、サンキューサンチュー、ありがとう!

    • hibuさん
      おはようございます♪
      髙田郁さんなら、みをつくし料理帖シリーズ超オススメです。
      気に入ってくださること間違いなしです^_^
      おはようございます♪
      髙田郁さんなら、みをつくし料理帖シリーズ超オススメです。
      気に入ってくださること間違いなしです^_^
      2023/09/03
  • 銀二貫。
    今のお金でどれほどの価値があるのだろう・・・。

    雪が辺りを真っ白に染めた睦月。
    大坂の寒天問屋・井川屋の主である和助は、仇討ちにより父親を失った十歳の鶴之輔を助けるため、その相手に天満宮再建のために寄進するつもりの銀二貫を差し出す。
    武士の子であった鶴之輔は松吉と名を改められて、井川屋に丁稚として奉公するのだった。
    武士のしきたりとはまるで異なる商人の世界。
    穏やかで情の深い主や、厳しい番頭、丁稚仲間に囲まれて一つひとつ仕事を覚えていく。
    また、寒天を納める先の料理人やその娘の真帆によって、仕事に対する誠実で真摯な姿勢をあらためて知ることに・・・。

    市井の人が困難に見舞われながらも、決してあきらめず騒ぎ立てもせずにその事実を粛々と受け止めて、最後には自分の目指した境地に到達することができるというのは、髙田郁さんの得意とするところ。
    1巻で完結するので「みおつくしシリーズ」と比べると人情味あふれる場面も割合あっさり(←髙田さん基準)かなとは思う。
    それでも、読みだしたら止まらないのいつもの通り。
    寒天を極める苦労や、自分が目指す商品開発にまつわるあれこれ。真帆との愛情。
    そして、極めつけは仇討ちのその後。
    1冊の中に盛りだくさんで、ドラマになるのも合点がいく。

    いつも通りに楽しめる1冊ではあったが、最も心惹かれたのは、銀二貫の行方。
    仇討ちに支払い果たせなかった寄進のために、井川屋で爪に火をともすようにしてお金を蓄えても、大切な人の一大事にはあっさりと大金を渡してしまう。
    主人の和助のお金の使い方には惚れ惚れした。
    こういうお金の使い方ができるオーナーはなかなか現代には出てこないでしょう。
    お金は使ってこそ。血のように巡ってこそ。
    政治経済の授業で聞いた、銀行の等比級数的お金の貸し付け。
    お金の価値を上げるのは使い手次第なんだね・・・。

  • 高田 郁氏の「銀二貫」を読みました。
    ほっこりとした すごくいいお話でした。

    巻末の解説は毎日放送の水野晶子アナウンサー。
    この解説もすごくよかった。。

    最近の中でもヒットですね。
    オススメの一冊です。


    高田 郁氏の「銀二貫」を読みました。
    ほっこりとした すごくいいお話でした。

    巻末の解説は毎日放送の水野晶子アナウンサー。
    この解説もすごくよかった。。

    最近の中でもヒットですね。
    オススメの一冊です。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      いるかさん
      図書館でお二人の対談を聴いた事があるのですが、素敵でした。
      いつか水野晶子(元?)アナウンサーの朗読会に行ってみたい!
      いるかさん
      図書館でお二人の対談を聴いた事があるのですが、素敵でした。
      いつか水野晶子(元?)アナウンサーの朗読会に行ってみたい!
      2020/10/30
    • いるかさん
      猫丸さん
      コメントありがとうございます。
      中学生時代から毎日放送ラジオが大好きで、少し前にも川柳の番組で水野晶子アナに読んでいただき、毎...
      猫丸さん
      コメントありがとうございます。
      中学生時代から毎日放送ラジオが大好きで、少し前にも川柳の番組で水野晶子アナに読んでいただき、毎日新聞の一面に載せていただきました、
      水野さん 知的で素敵ですよね。
      私も朗読会に一度行ってみたいと思います。
      2020/10/30
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      いるかさん
      ヘェ〜川柳を!羨ましい、、、
      高田郁と水野晶子アナの出会いのエピソードを思い出して、ウルウルなっている猫でした。
      いるかさん
      ヘェ〜川柳を!羨ましい、、、
      高田郁と水野晶子アナの出会いのエピソードを思い出して、ウルウルなっている猫でした。
      2020/10/31
  • 読み終わるまでだいぶ長い時間をかけてしまった。普通だったら1冊の本をこれだけ長い時間かけてしまうと、必ずといっていいほど内容を忘れていたり、登場人物の名前を忘れたりするのだが、こちらに関しては、全くそのようなことがなかった。

    時代小説はどちらかというと苦手な方なのだが、時代小説特有の『熱さ』に浸りたくて読み始めた。しかし、これは私が思い描いていた熱さではなかったが、しっかりと熱い物語だった。

    さて、目の前で侍が仇討ちをしようというところに出くわした和助。辻斬りに遭おうとしているのは、親子連れ。親は刺され、あわや、まだ年端もいかぬ子どもも斬られそうなところに割って入った和助。これでこの場を収めてくれと、その侍に銀ニ貫を渡す。銀ニ貫といえば、今で言う相当な金額。それを侍に渡すと、子どもを引き取ったのだった。

    和助は寒天問屋、井川屋の主人。その銀ニ貫は、先の大火で焼けてしまった天満宮再建に用立てて頂こうと必死に貯めたものだった。和助に助けられた子どもは、名を松吉と改め、井川屋の丁稚として必死に働き出す。

    この物語では、火事が度々起こり、その猛威は町を丸々と焼き尽くしてしまう。火事によって多くのものを失う松吉や和助を始めとする多くの人々。それでも何度でも立ち上がり必死に前を向いて生きていく。

    銀ニ貫。和助たち井川屋では何度か貯めることに成功するが、その度災難が起こり、和助は躊躇なくその銀ニ貫を放り出すのだ。和助の心意気は本当に惚れ惚れする。そして、しっかりと成長していく松吉も見ていて気持ちがいい。

    最後に善次郎の耳元で囁いた和助の言葉がなんとも最高だ。
    私からも和助さん、ほんに安うて、ええ買い物でおました。

  • 感無量。こんなに面白い本にめぐりあえるなんて幸せだなぁ。

  • 面白い。
    父親を敵討ちで失った主人公の鶴之助。天涯孤独となった鶴之助を銀二貫で、井川屋主の和助が丁稚として、受け入れるところから始まる。
    火災火災のオンパレードだが、真帆をはじめとするいろいろな人との出会いで、物語が進む。
    最後は良いまとまりになっている。

  • 時代小説初めて読んだけど楽しんで読めた。
    大阪人だからかな?お話がすごく好き。

    アルバイトしてたら張り紙の文字を読んでも店員に質問してくるお客さんいっぱいいる。今まで不満に思ってた。「書いてるやろ」って。
    でもなんかこの本を読んで変わった。
    やっぱり人間同士のやりとりに勝るものは無い。ロボットがどれだけ言っても、紙にどれだけ書いても、信頼関係ってのは人と人とが作るものなんだな。
    商売するということ、お金のやり取りをするということ、全て人との繋がりが根底にある。

    松吉が帰郷するところ、嬢さんに想いを伝えるところ。泣いた。

    大阪の人でよかったと思える作品。

  • 真っ直ぐで心優しい松吉を始め、個性豊かで温かな登場人物達が繰り広げる義理人情のお話。
    大坂の街で生きる登場人物の一人一人が生き生きとしています。文章も読みやすく、登場人物達の関係性も複雑ではないので、時代小説を読んだことが無い人にもオススメです。

  • 唸らされる本です。

    商人の暖簾の考え方、職人の探求心が堪能できます。
    その中でも純愛の話あり、利他の話あり。
    それらが筋が通って物語の最後の一言まで貫いています。

    個人的には高津の梅が高校時代を思い起こさせるのと
    度々おこる火事が神戸の震災の火事とリンクするので
    懐かしいやら自分が励まされるやら、みたいな感じでした。

    ということで初めての作家さんでしたが良い本でした!

  • 涙が出て止まらなかった。松吉の正しく真っ直ぐすぎる生き方と真帆の純粋で温かな眼差しが、ずっと心の中でほかほかと残っている。
    松吉の周りを取り囲む人々の温かさや人情深さにも、いつもホロリときた。
    時代が変わっても、人と人とがこんな風に過ごせたらいいのに。

  • ★二貫!
    というのは冗談で、個人的には文句なし★五つ!

    時代小説は読まず嫌いな分野であったけど、とても読みやすかったうえに、
    感動して何度も何度も目頭が熱くなった。ホントに良かった。

    大阪商人の心意気と義理人情が描かれていてるだけではなく、成功物語、純愛物語でもある。
    いろいろな要素が詰まっているけど、どれも半端にならず、濃く描かれていると思う。

    昔の時代の人の心の温かさや生きていくことの辛さ、生業にかける熱意や信念を感じ、
    そして血よりも濃いものがあるということを教えられた。

    この4月からNHKでドラマ化される。
    こちらも是非期待したい。

  • 私の実家の大阪天満・天神さん・天神橋・堀川・八軒・大川あたりの話。
    とてもいい話です。
    『大阪の本屋と問屋が選んだほんまに読んでほしい本』と名をつけて売っていましたが。本当に大阪商人の誇りのような本。
    たまらなくいいお話。大阪の実家の近くを散歩して何度でも読んでみたい
    と思える本です。

  • 相変わらず面白いねえ。

    しかしまあ飢饉に火事に(水害)とか本当にこんだけ頻発してたっていうから驚き。よく絶滅せずにすんでるよね日本人。

    解説に作中に出てくるものは納得するまで作るって書いてあったけど、寒天づくしはご勘弁だなぁ。柚木麻子も作るってbutterで書いてあった気がする。凝り性じゃないと小説家なれなさそう。

  • 武士から商人に身を落とした松吉が寒天屋で直向きに努力し、寒天を利用した羊羹を仕上げて、寒天屋を盛り立てるサクセスストーリー。

    いつもの筆者の作品と比べると小悪党くらいが出てくるくらいでストーリーもサクサク読める楽しい作品

    あらすじは、武士の子であった鶴之助は父親が目の前で仇討ちにあい、自分も殺されかけていたところを、寒天屋の和助に、火事にあった天神さんに寄進する予定だった銀二貫で助けられる。

    鶴之助は松吉と名を変え、和助の寒天屋でよく働き、遂にオリジナルの糸寒天を仕上げる。糸寒天をさらに広めるためにアンコと合わせた羊羹を作り上げて、最後に天神さんへ銀二貫の寄進を果たす。

  • 時代小説はほとんど読まない。始めてかも。とても読みやすく、読後も なっとく。父を仇討ちで殺された男の子は寒天問屋 井川屋の和助に銀二貫で、助けられ、丁稚として松吉として育てられる。銀二貫は、家事で被災した天満宮に寄進するはずのお金。番頭さんから冷たい仕打ちを受けながらも、人に助けられ、人と出会い、成長していく。家事で、顔半分 大火傷をおい、店も家族もなくした料理屋のいとはん真帆は助けてもらった団子やの広の娘として、おてつと名乗り生きていく。この二人の純愛と、亡くなった真帆の父の願いだった、腰のある寒天作り、さまざまな人との関わり。最後には、念願の銀二貫を天満宮に納め、店主も番頭さんも、松吉に支払った銀二貫は安かったと微笑む姿など、読み終わってほっとする、作品だった。これからは、時代小説も読んでみようかな

  • 寒天問屋に助けられた彦坂鶴之輔(のちの松吉)の生き方が清々しい。
    火事で焼失した天満宮に寄進するはずだった銀二貫が、時を経て思わぬ形で貢献していく様子が面白い。

    しかし、今普通に食べている羊羹のルーツがこんなところにあったのだろうか。

    ちなみに、このところの猛暑にしばしば口にする心太、たまたま近所のスーパーのPB品を買い求めたところ、これまでにない美味さにビックリ。コシが強いのよ。
    松吉が目指した寒天に近いものがあるような気がして、食べながらニンマリしてしまう。

    これから先、心太はもちろん、寒天、羊羹などを口にするたび、この物語を思い出すことになりそうである。

  • ビブリオバトルでチャンプ本に選ばれてて、借りてみた。
    時代小説は好きなはずなんだが、一気読みとはいかず、
    ちびちび読み。
    やることなすこと、失敗続きで、お話なんだから、もうちょっと劇的に、ドラマチックにしてくれてもよさそうなものを…などと思いつつ。
    なんとなぁ~く、話の流れは途中から想像つくしね。
    が!やられた~!
    「最後の会話が秀逸」とはバトラーも言っていて。
    でも、いくら質問されても、そこは明かさなくって。
    それ、読んでわかったわ~!
    もう、その最後の会話のみで滂沱の涙よ。
    良いお話でした。

  • 普段あまり読まない時代小説。

    最初に起きた事件がどのように最後
    決着が着くのか、気になり読み進めた。
    次から次へと困難な状況になるのに気を揉みつつ、
    所々でじーん。

    それにしても昔は火事が多かったんだなぁ。

  • 大坂天満の寒天問屋の主・和助は武士の仇討ちに偶然遭遇する。
    和助は義侠心から、天満宮再建の為に寄進するはずだった銀二貫で仇打ちを買い、十歳の少年を引き取ることに。
    少年は松吉と名を改め、商人として厳しい道のりを歩み始めてゆく。

    みをつくしシリーズ同様、こちらもすごく良かったです。
    王道すぎるベタなお話なのに、どうしてこんなに引き込まれるのか・・・!

    主人公の松吉のひたむきな姿にも感動するのですが、周囲の登場人物たちのを優しすぎない優しさや、清冽な信念が、読んでてぐっと心に響いてきました。
    苦労を重ねながら成長していく、その姿に注がれる温かい周りの人々のまなざし。
    「自分も、明日も頑張ろう」と、素直に思いました。

    作中に銀二貫のキーワードは何度か出てくるのですが、そのお金で買った得難いもの、その重みの価値・・・。
    お金自体は俗そのものなのに、そこに人の強い想いが乗ると、こんなにも他人の心を打つのか。
    何度も目頭が熱くなっちゃいました。

  • あぁ…やっぱり好きだな、高田郁さん。

    もう読み始めて数ページでそう思っていた。
    出てくる登場人物みんなが愛おしくなる。
    読み終えるまでに何度涙が溢れてきて
    通勤途上だと気づき必死に落ち着かせたことか。

    必ず天満宮に寄進すると誓い、何年も何十年も諦めず地道にお金を貯める一方で、
    有事の際には躊躇わず目の前の人を助けるほうを優先する姿に胸を打たれた。
    だからこそ、二十二年越しに実現させられたときは言葉にならない気持ちが溢れてきた。
    登場人物を同じ時代に生きる身近な人のように思えてならなかった。
    私は身近にいる人、大切な人をこんな風に想えているだろうか、当たり前だと思っていないだろうか。

    他作は「みをつくし」シリーズしか読んだことがないが、好きだと思うツボは一緒で、
    1冊完結なこちらはエッセンスをより凝縮させて紡がれているように感じた。

    久々にこの本に出会えたことに感謝したいと思える1冊だった。

  • 激熱ではないけど、じわじわと胸が熱くなるようなお話だった。

    銀二貫が、今の価値でどれくらいのものなのか、そして井川屋くらいの規模のお店にとって、どれくらいのものなのか、はっきりとは分からないが、
    商いがそれなりに順調にいったとしても、貯蓄していくのは大変な額なのは間違いないだろう。大火や飢饉など、多くの災厄に見舞われるなどの苦労があったとは言え、最後に天満宮に寄進できるまでに、22年もの年月を要したのだから。

    だけれども、そんな大金をたまたま目の前で遭遇してしまった仇討ちから鶴之輔を救うためにポンと使ってしまう和助。そのあとにも、苦労の末に貯めたお金をまたしてもポンと使ってしまう。それも全部誰かの為だ。自分の得の為ではないし、見返りを見込んでのことではない。
    それもこれも、物語の最後に和助と善次郎が交わす言葉の中に、お金に対する考え方が滲み出ていて、最後の最後に、あーそうだなあ、と深い感嘆のため息が出た。

    和助が年末まで生きていてくれたことを願います。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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