- Amazon.co.jp ・本 (387ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344415515
感想・レビュー・書評
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尊厳死をテーマにした、ずしりと思い作品。
ある日事故に合い、意識不明となった男性の婚約者と
その家族の気持ちがどちらも痛切に描かれています。
家族やパートナーと共有して尊厳死について話し合うよいきっかけとなる一冊。
私自身もまだ答えは出ないけど、頭の片隅で考えるテーマの1つとなりました。
自分の大事な人に、読んでほしいです。
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尊厳死のあり方をあらためて考える良い小説だと思います。
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尊厳死の定義が曖昧な気がする。
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尊厳死。いろんな意味で考えさせられた。登場する女性たちにもそれぞれ共感できる部分があった。自分目線だけでなく、いろんな目線を知ることの大切さも感じられた。
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尊厳死がメインなのか、推理がメインなのか。テーマがおもすぎるのではないか?途中までその手の話かと思ったら、半分過ぎてがようやく推理が始まったという感じだった。視点がコロコロ変わるのもあって、読み疲れて斜めで終了。
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交通事故で意識不明になった三島耕一。尊厳死の要望書が用意してあった。結婚を目前にしていた公子や耕一の父、母、妹はそれぞれの立場で苦悩の日を送る。前半はその心の乱れが描かれ、やっと決断を下した後は一気にミステリーになっていく。
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尊厳死とはなにか、家族にどうやって納得してもらえるのか。深いテーマである。ミステリー仕立てにもしてある。
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尊厳死について考えさせられる小説です。
私は、延命治療にしろ臓器提供にしろ、
自分のことは家族がどう思おうと、
自分の意思で決めるべきだと思っていました。
1人の死を巡って、母親、父親、妹、婚約者、患者に関わる医師や看護師、
違う立場に立つ1人1人が違う考えを持つ。
医師の間でさえ考えが分かれる。
それでも結論を一つに絞らなければならないということは
とても辛いことだと思いました。
考えて、悩んで、葛藤して、話し合って、泣いて、
そうして結論を出して、残りの時間を大切に大切に過ごそうとした矢先に
起きた悲しい事件には私も唖然となりました。
いつ何が起こるかわからない。
過去に病気に罹り、そう実感していた耕一さんが
自分の考えが変わったことを話す前に事故に遭ってしまったことに
やり切れなさを覚えます。それとも、事故にでも遭うかもしれないと
思ったから、メールで途中まででも気持ちを書いていたのでしょうか。
「誰かのために、意識がない状態で力尽きるまで生き続けた後、
死ぬことも、同様に尊い死のあり方と言えるのではないでしょうか。」
最後には、この言葉に共感できました。 -
bookcrossingで偶然手元に舞い込んできた本。
尊厳死、という今まで考えたことのないテーマで、
すごく考えさせられた。
最近更新した免許には、脳死のときの意思表示欄があったけど、
よくよく周りの人と話をして書かないといけないなぁと思った。
実際自分がその状況に陥らないと考えにくいことかもしれないけど、
渦中では冷静な判断は難しいに違いない。
だから、普段のときに考えておくことが大事なんだろうと思った。
家族、医療関係者、遺族・・・いろんな立場が率直に、嫌味なく描かれていて現実感があった。
公子の「大事な人に大事なことを打ち明けてもらえていなかった、信頼されていなかった」という絶望感には大いに共感した。
最後の章は救いがあってよかった。 -
人物設定が不安定。シーンごとの語る言葉に人物の一貫性がない。そのため、小節ごとのつながりに親和性がない。読者としては物語の展開に意外性ではなく、不安を覚える。
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極限状態の人間の心理を良く表現できている。
最後のどんでん返しも最高。 -
尊厳死という難しい問題を、考えるきっかけになった。もし、私が誰とも意思疎通ができない状態になったのなら、やはり延命措置はパスしたい。でも、それは私の自己満足なのかも。家族は、知人は、と考えると答えはやはり出せない。
公子や芳子、安雄、香織のそれぞれの思いが伝わってきた。ただ、最後は「うーん、これってあり?」と思ったけど。 -
尊厳死という、なかなかにジャーナリスティックでヘヴィなテーマを題材に描いた小説だが、一言でいって非常によくできた力作。
話の流れやディテールにはウソ臭くならないほどに留められた演出が施されているので、読み進めるうちに知らず知らず感情移入することができ、いつしか登場人物たちと同じように我が事の如く問題に向き合っている自分に気づく。
エンターテインメントとしても充分に読み応えがあり、物語後半から俄かにミステリーとしての色を帯びてくるあたりも、読者を飽きさせない見事な工夫だと感じる。
算数と違い、絶対的な正答など存在しない大きな命題に真っ向から対峙した今作は、あるいは哲学といった大仰なスタイルには関心を覚えない人も含め、すべての読者に等しく、目を背けてはいけない問いを投げ掛けていると思う。
いくら考えたって結局答えは出ないかもしれないし、また辿り着いたとしてもその回答が永続的に自己の中で不変であるとは限らない。
しかしそれでも考えることにこそ意義がある。
決して完璧な作品ではないかもしれないが、久しぶりにそんな青臭い感情を思い起こさせてくれた、良書。 -
交通事故で意識不明となった男性。
そして、その男性は尊厳死を望んでいたことが部屋にあった文書から明らかとなる。
生きて欲しい
でも、本人はパイプでつながれて、植物状態で生きたくないと言っている
どうするべきか
そんな苦悩に焦点をあてた小説です。
ただなぁ、ちょっとそれはどうなの、という展開でがっかり。
急にとってつけたような事件があり、無理があるように感じた -
愛する人が植物状態になったとき、尊厳死の希望をかなえることは出来るのか・・・・
尊厳死ね・・・難しいよねホント。
自分がそうなったら無駄な延命治療はして欲しくないとも思うけど、じゃぁ夫が・・・とか考えるとね、やっぱり「生きていて欲しい!」って思うだろうな・・・・・・・
答えは出ないねーーーー。
とまぁ、尊厳死については考えちゃうけど、これ小説としてはちょっと流れがイマイチの感。
場面展開とか時間の流れが唐突に感じたなぁ。 -
「尊厳死」という難しいテーマを扱うが、読みやすい。