グアテマラの弟 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
4.13
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本棚登録 : 1976
感想 : 220
  • Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344416161

作品紹介・あらすじ

グアテマラの古都・アンティグアに家と仕事と家族を見つけた年子の弟。ある夏、姉は十三年ぶりに弟一家を訪ねる旅に出た。まばゆい太陽とラテンの文化で、どんどん心身がほぐれていく。そして陽気に逞しく暮らす人たちと過ごすうち心に浮かんだのは、外国を知らずに逝った父、家事にあけくれ続ける母のことだった。旅と家族をめぐる名エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 片桐はいりさんのエッセイ第二弾。

    タイトル通り、グアテマラに住むご自身の弟さんを訪ねた旅がメインで、ラテンの人たちの大らかさと現地の明るい陽射しを感じとれる一冊です。

    何事にも裏表の無い弟嫁、屈託のない大小のフェルナンド、道行く誰彼かまわず挨拶を交わしたりヤジを飛ばす人たち、神様まで「酒とタバコ好きのおっさん」だからおもしろい。

    そして、今回もたくさんおいしそうな食べ物が出てくる。
    ケンタッキーフライドチキンを撤退させるほどグアテマラの人たちの大好きな、ポヨ・カンことポヨ・カンペーロのフライドチキン。
    わさび醤油をつけて食べるとまるで「ヒラメのえんがわ」のココナツの内側の白い果肉。
    (ワタシは他の国で「コレ、イカノサシミネ~」と言われたけれど(^^;))
    なかでも弟さんの作る現地調達の材料で賄う日本食の日曜定食には心惹かれる。
    すっかり現地の人になってしまった弟さんが、旅する日本人や現地の日本人(日本食に興味のある他の国の方もいるけれど)のために作る日本食。
    日本と同じ味であるはずはないのに、でもきっとどこか懐かしい味がするんだろうなと思う。

    いろいろ挟まれるお父様の思い出、特に最後のコーヒーのお話。
    求めていた味はお父様が淹れてくれていたコーヒーだったというのにはしんみりします。

    性別の違う年子のきょうだいということで、ある程度成長したときには喧嘩もできないくらい仲が悪かったというお二人。
    疎遠な期間は解説で弟さんが書いてらっしゃるように必要な時間だったのだろう。
    長い空白の時間を感じられないほど、自然に寄り添い一緒にタバコをふかす。
    そんなきょうだいの関係がひとりっこの私にはとてもうらやましい。

    • 九月猫さん
      あやさん、こんにちは♪
      コメントありがとうございます。

      あやさんもひとりっこなのですか!
      またしても共通点ですね。
      うちは母親も...
      あやさん、こんにちは♪
      コメントありがとうございます。

      あやさんもひとりっこなのですか!
      またしても共通点ですね。
      うちは母親もひとりっこなので、母のほうで何かあったときの
      集まる親類の少ないこと少ないこと(´・ω・`)

      はいりさんの本を読んでいると、
      長く離れていた時間も距離も、かつてあったはずのしこりも、
      特に意識せずに自然と新しい関係になっているのがいいなぁと。
      その拘りの無さが「きょうだい」ならではなのかなーって。
      私も想像することしかできないのですけれど(;^_^A

      ココナツは、ぜひ体験してみていただきたいです!
      私はイカと聞いて食べたので「イカだぁ~♪」と単純に面白がりましたが、
      ヒラメと聞いて食べればヒラメだったのかもしれません(笑)
      そこは、はいりさんが書いてらっしゃるように
      「味覚より錯覚の力」のなせるワザということで(笑)
      2013/02/22
    • 陸さん
      九月猫さん、こんばんは。

      レビュー読ませて頂きました!
      お気に入り登録もさせて頂きました♪

      ポヨ・カンのフライドチキン、気にな...
      九月猫さん、こんばんは。

      レビュー読ませて頂きました!
      お気に入り登録もさせて頂きました♪

      ポヨ・カンのフライドチキン、気になりますよね。
      ケンタッキーを撤退させる程の味…是非とも味わってみたいものです。
      味わってみたいといえばココナツも。
      九月猫さんは食べたことがあるのですね!
      私はないので、いつか食べてみたいです。
      果たしてどれだけ錯覚出来るのか試してみたいですね。笑
      私は海外旅行をしても食事に関してはあまり冒険をしない質なのですが。
      はいりさんの本を読んでいると、その国をよく知るにはやっぱりその土地の食べ物をきちんと味わわないと、という気になります。


      お父様のコーヒーのお話はしんみりしますね。
      探し求めた味はお父様こだわりのものだった、というのは切なかったです。
      思わず涙が滲んでしまいました。
      2013/02/23
    • 九月猫さん
      陸さん、こんばんはー♪
      いいね!とコメントありがとうございます。

      ポヨ・カン、気になりますよね!
      国際線の飛行機がお土産のポヨ・カ...
      陸さん、こんばんはー♪
      いいね!とコメントありがとうございます。

      ポヨ・カン、気になりますよね!
      国際線の飛行機がお土産のポヨ・カンの匂いで充満するほど、グアテマラの人には「故郷の味」なんだと思うと、なおさら食べてみたくなります(^O^)
      はいりさんは「日本では、宇都宮の人が餃子、名古屋の人が手羽先を持ち歩かないのに」と書いていらっしゃいますが、大阪からの新幹線や電車では上りも下りもお土産の551の豚まん(←大阪名物のひとつ)の匂いが漂っていることが多々あります(笑)
      いわゆる関西人のノリはラテンっぽいと聞いたことがあるのですが、思わぬところで共通点?!と、笑ってしまいました(^m^)

      ココナツは陸さんにも体験してみていただきたいです~!
      「錯覚の力」が豊かだと、食べることだけではなく見たり聞いたりいろんな体験をより楽しめそうですよね♪

      陸さん、『マトカ』『グアテマラ』と素敵な本に出会わせてくださって、ありがとうございます(*´∇`*)
      2013/02/23
  • 読みたかった一冊をようやく手にしました。

    女優・片桐はいりさんのエッセイです。

    実の弟がグアテマラの古都・アンティグアで家族を持ち生活をされていて、はいりさんがグアテマラを訪れた時の体験記。

    行ったことなどありませんが、グアテマラの空気感が身近に感じられ、笑いあり、ちょっと涙ありのステキなエッセイに仕上がっていました。

    本書を読み終えてから購入するかどうかを検討しようと思っていましたが、「わたしのマトカ」も購入決定!


    内容(「BOOK」データベースより)
    グアテマラの古都・アンティグアに家と仕事と家族を見つけた年子の弟。ある夏、姉は十三年ぶりに弟一家を訪ねる旅に出た。まばゆい太陽とラテンの文化で、どんどん心身がほぐれていく。そして陽気に逞しく暮らす人たちと過ごすうち心に浮かんだのは、外国を知らずに逝った父、家事にあけくれ続ける母のことだった。旅と家族をめぐる名エッセイ。

    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    片桐/はいり
    1963年東京都生まれ。成蹊大学卒業。俳優として、舞台、映画、テレビと幅広く活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • すばらしいです。
    グアテマラの人たちに溶け込んでいって、最後には後ろ髪を引かれる思いで帰途につき、思わず涙がでてしまう。
    人情ですね~

    ことばを習得するのに、勉強なんてあまり要らないのかもしれないです。度胸と積極性、そして楽しむこと。

    明るい人たち、挨拶につかまってなかなか先に進めない様はなんかイメージが浮かんできてほほえましいです。

    〇 時間なんて気にしない。本当に気にしない。
    〇 噴火口を見に行って、怖いものは本当は違った(ちょっと恐ろしい)。
    〇 温泉もあるけれど、楽しみ方はどこか違う。
    〇 コーヒーの国かと思ったら、めちゃくちゃおいしくない。

    行ってみてわかる、そんなグアテマラにようこそ。

    (セールで安く買えたので。ありがとうございます!)

  • はいりさんのエッセイ第2弾。
    グアテマラに住む弟を訪ねる旅について綴っています。
    グアテマラの人々は良くも悪くもおおらかで、はいりさんの体験を通して驚いてばかりでした。

    導入から一気にはいりさんの文章に掴まれました。
    はいりさんの個人的なしきたりの1つに「弟から連絡があるまでは、歯ブラシを変えてはいけない」があったのだそう。
    今はメールで日常的に連絡しているので、このしきたりは無くなったようですが、インターネットが普及する前は歯ブラシ交換よりも弟からの連絡の頻度のほうが少なかったそう。
    海を隔てて暮らす弟のことを、毎日使う歯ブラシのくたびれ具合で思う、というエピソードに離れて暮らす家族とのちょうどよい距離感を感じてあたたかい気持ちになりました。

    あとがきは弟さんが書かれています。
    それぞれ個性的で、自立していて、でも互いを信頼しあっている姉と弟の関係がうかがえるすてきな1冊でした。
    私も妹弟からこんなすてきな文章を寄せてもらえるような姉を目指したい。

  • 高学歴(大学院まで出た)の弟が世界一周旅行に出掛けたきり日本に帰って来ない!
    どうやらグアテマラって国にいるらしい。
    既に妻子持ち!?
    もう出だしから面白すぎて、あっという間に読み終えてしまった。その間は終始、ラテン音楽の軽快なメロディーが流れているようだった。

    確かに衛生面は微妙で、治安も微妙だけれども、笑顔の絶えないコミュニティに飛び込み、目一杯楽しむ筆者の姿が伝わってきた。異文化に敬意を払うことって、まさに筆者のような行動なんだろなあ。

    そして読後のコーヒーがとても美味しく感じた。

  • 女優 片桐はいりさんの南米に移住した実弟をテーマにしたエッセイ。
    文章も、南米の文化も軽快で面白かったです。

  • タイトル通り、片桐はいりさんが中米ガアテマラに移住してる弟に会いに行く話。
    「わたしのマトカ」に続いて、はいりさんのエッセイは2冊目だけど、面白い!そしてなぜか最後には涙が。。。
    最後の解説が弟さん本人ってのもいいな。

    旅行で行ってそのままそこに住みついて、すっかりラテンの地になじみ、事業まで展開してしまってる弟さん、だけど無口でひょうひょうとした感じ、んーー会ってみたい!どんな人なんだろ?

    はいりさんもはいりさんで、旅行に行った先々で臆さずなんでも挑戦してしまう好奇心!

    ほんとステキな兄弟だ。

    コーヒーの名前だと思ってた全然知らなかったアンティグアに、私も少し旅した気分にさせてくれるステキな旅行記だった。

    あっそうか、読み終わった私の涙は私もアンティグア、そこで出会った人々とお別れするのが寂しかったんだな。

  • 片桐さんは本当に人が好きなんだなと思う。どんな場所にいても、その土地の人達に興味を持ち、その土地を楽しむ事ができるのは素晴らしい才能だなぁと羨ましく思う。

  • 「わたしのマトカ」で虜になり、片桐さんの本はこれで2作品目。

    片桐さんもさることながら、弟さんも個性の塊のような方である。
    決められたレールの上を歩んでいるような自分としては、
    一見自由奔放に生きてらっしゃるようにみえる弟さんが羨ましく映る。

    ペトラさんの手料理を、私も一度食べてみたいものである。

  • ◆こんな知的な文章を書ける人は作家にもそう見たことがない。構成力ハンパない。片桐はいり、カッケー。憧れる。◆わずか10頁のエッセイは、グアテマラにいる弟周りの日常からはじまり、拡がっていく。理解し難い弟を、理解し難いグアテマラを、臆病な姉はひとまず観察する。時に謙虚で、時に不躾な彼女の視線が心地よい。ねめまわした後で、彼女は徐々に心を開く。グアテマラのふんだんな光・色・風、素朴で豊かな自然・風俗・人をはらんで膨らんだ語りは、やがて家族の歴史に着地する。あったかくて、懐かしくて、寂しくて、泣きそうになる。【2014/01/08】

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