道徳不要 俺ひとり (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344417496

感想・レビュー・書評

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  • 『夕刊フジ』にて絶賛連載中の無頼派作家・白川道先生のエッセイ集第二弾です。『修羅を生きる』という言葉がまさにふさわしい生き様を経てきた筆者だからこそ書くことのできる珠玉の言葉が胸を打ちます。

    本書は『夕刊フジ』にて連載されているエッセイを書籍化した第二弾であります。エッセイが書かれた時期が2009年の民主党が政権をとった時期であろうと察せあれる内容がかなりあって『あぁ、あんなこともあったなぁ。こんなこともあったなぁ』と思いながら読んでいました。

    内容に関してはまさに『白川節』と呼ぶのにふさわしい語り口で、伴侶である中瀬ゆかり女史にコテンパンにやり込められている日常ですとか、西原理恵子女史からもらった猫を「ろくでなし」という意味で「ろくちゃん」と名づけそれはそれは目に入れても痛くない、という言葉がまさにぴったりというくらいのかわいがりようで読んでいるこちら側も思わず目じりが下がってきてしまいました。

    しかし、肝心の時事評論や混迷を極める経済。廃れてしまった『人情』や『男の矜持』を語るときには『修羅を生きる』という言葉そのものの人生を送ってきた筆者ならではの鋭いまなざしで語られているところに、僕が彼の作品を支持する理由があると感じるのです。中瀬女子の言うとおり白川先生の描く女性は今の世の中には確実に『絶滅危惧種』のような言葉遣いをするような方しかおりません。それに対して『これから俺は昭和しか書かない』という断固たる姿勢の元に、筆者の作品が紡ぎ出されているのはわかっているので、それはそれで『アリ』だと個人的にはそう思っております。

    僕は昭和の時代を生きていたわけではありませんので、筆者の生きた空気を自分のことのように感じることはありませんが、あらゆる道徳に背を向けて生きた人間だからこそ語ることのできる『道徳論』がこのエッセイの中にはあると思います

  • 題名から白川道のハ-ド小説と思い期待したが、エッセイのノリでつまらなかった

  • 白川道は麻雀小説を読んだことがあり、それが(麻雀放浪記ほどではなかったにせよ)かなり面白い無頼小説だった記憶があったため、このエッセイを手に取ってみる気になったもの。

    ガッカリとまではいかない、というか、読ませるエッセイだとは思うのだけれども、イメージしていたものと全く違うので、少し拍子抜けをした。
    エッセイの中身は世相談なのだけれども、あれほどの無頼小説を書いた人なので、世の中に対する見方も一風変わったものなのだろうな、と勝手に想像し、期待していた。ところが、書いていることは、少しは無頼の匂いがしなくもないが、しごくまっとうなことが多い。
    まっとうなことを書いて、拍子抜け、と言われるのは作者としてはつらいだろうけれども、そういう看板の人なので仕方ないだろう。

  • 博打打ちとしても知られる無頼派作家が、指針をなくした平成日本に憂いの一刀を浴びせる。茶番のごとき民主党政治、ダイナミズムをなくした経済、進化とともに失われた人情・・・。修羅の道を歩んできた男だからこそ冷徹に見定めることができる、現代社会の腐敗とは?そして、今こそ求められる日本的美徳とは?切れ味抜群の痛快エッセイ!

  • 夕刊フジのコラム集ということで、楽しみにしていた。「戦後の昭和」を生きてた筆者の心意気が色濃く出ていて、内容は多岐にわたっていて、笑えたり、考えさせられる節があったり、どうかしている今の日本を憂えつつ、パンチの利いた諫言集とも言える気がする。年は私の親ほど離れているが共感できる部分が多かったように思う。

  • 無頼派と呼ばれる作家・白川道の日刊ゲンダイに連載しているエッセイ集。新聞への投稿ということでどうしても日常の新聞ネタが多くなっており若干はじけっぷりが乏しい。
    同じ無頼作家の大阪在住・黒川博之のエッセイとかなり混乱してしまうのは俺の頭が膿んでいる所為か?(黒川のは、さすがに大阪に住んでいるだけあり笑い満載なのだ)それにしても白川も良く黒川のエッセイには麻雀仲間として「悪魔のささやき」などと書かれていたが流石に歳の所為なのかすっかり麻雀からも足が遠のいているとあるのは寂しいな。と、言いつつも「干支を覚えられない」「ネ、ウシ、トラ、ウ、ウー、マンボ!」という下りだけでももとは取った気分だ。

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