遠くでずっとそばにいる (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 250
感想 : 32
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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344418370

感想・レビュー・書評

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  • 大好きな狗飼恭子さんの、久々の新作。しかも、表紙のイラストが遠田志帆さんという、素晴らしい組み合わせに、読む前からうっとり。

    事故で十年分の記憶を失い、十七歳の十二月に戻ってしまった朔美。
    自分の知らない現在の自分を「彼女」と名付けた朔美は、思い出せない過去を探そうとしますが・・・。

    色々な「何故」がわかった時の、「ああ、そうか」という感覚は、少しだけ、ミステリっぽいかも。
    でも、とても痛々しくて美しい恋愛小説。

    実は、どちらかと言うと、恋愛小説は苦手なものが多いのですが、狗飼恭子さんの書く小説は、いつも、何から何まで、ぴたりと私の心に入り込みます。

    ところで、作中に出てくる「春の嵐は何もかもを奪い去る」という台詞が出てくる昔の映画というのは、狗飼恭子さんが脚本で組んだ事のある矢崎仁司監督が昔撮った、『三月のライオン』だったような気がします。
    久々にまた観てみたくなりました。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「素晴らしい組み合わせ」
      遠田志帆のファンです。。。が、狗飼恭子は怖い話を書く作家さんと言うイメージがあって読んだコトがない。
      これは、そん...
      「素晴らしい組み合わせ」
      遠田志帆のファンです。。。が、狗飼恭子は怖い話を書く作家さんと言うイメージがあって読んだコトがない。
      これは、そんなコトなさそうだなぁ、、、
      2013/01/30
  • 真実が知れたとき何となく納得がいかなかった。

  • 薫ちゃんの言う記憶が本当に無くなっていたのかという冗談めいた言葉に、本当に朔美は記憶を失っているのかという思いに駆られた。
    記憶をなくす前の彼女が細見くんへ冷たくしてるのは良心だと思うのは妹たちからの話を聞いて感じたことなのか記憶が実は残っているからなのかと思う気もする。
    だけど、この小説の本質は記憶を失っているのに体は覚えているということだとも思う。

  • 愛は人を狂わせる と思わされる作品でした

    「思い出の入れ物である遊園地」という表現がとても好きです!

  • yk

  • もし自分が記憶を失い、しかもそれが思い出さない方が幸せだったようだとまわりの反応で察してしまったら…
    私だったら記憶がないままの方がいいなぁ…

  • 泣けました。
    高校生からの10年って激動の変化があります。
    自分の理想と現実の落ち着きどころ、、、、そして悲しい。

    最後まで読んで、前に返って確認しながら何度も読み返してしまいました。

  • 事故で、十年間の記憶を失くし、
    いきなり、心だけ17才に戻った主人公。
    27才の自分が、
    嗜好も、性格も、仕事も、違和感だらけ。
    孤独しかない大人になってたら・・・

    でも、成長するってこういう事かもなぁ、と
    しみじみしながら読んでたのだけれど。

    空白の十年間で、自分が
    何を諦め、何を求めていたのか。
    誰を妬み、誰を想っていたのか。

    現実の断片を拾い集めるうちに
    見えてきたものに、クラッときた。

    人生狂わすほど、ヒリヒリした愛がせつない。
    タイトルも装丁もたまらない。

  • 人生ってやり直しができるんだな。

  • 交通事故で10年分の記憶をなくした主人公。
    本当は27歳なのに、自分の時間は17歳で止まっているため、自分がどんな生活を送り、どんな恋をし、どんな風に人と関わったかがすべて失われたまま、手探りで「27歳」を生きなければいけないという設定がよかった。
    後半の展開がやや急すぎた感はあるけれど、余分なものを持たず、すべてをそぎ落としたような生き方を決意する姿がすがすがしい。

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