モンスター (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 12472
レビュー : 1500
  • Amazon.co.jp ・本 (494ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344418509

作品紹介・あらすじ

町で一番の美女・未帆はかつてバケモノと呼ばれていた。醜い女が完全なる美を獲得した先にあるのは誰もが羨む幸せか、それとも破滅か。

感想・レビュー・書評

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  • 約500ページの小太りなこちらの作品を本棚越しに眺め続けていましたが
    やっと手に取る事が出来ました。
    美を追求する女と美に翻弄され滑稽な姿をただただひけびらかすメンズの話は少なくありませんが、
    なんと言うか...視野が狭い登場人物しか出ない物語は好きではありません。
    整形外科の先生が1番好きなキャラクターでした。
    この作品は個人的な意見を述べるのが恐ろしいので簡潔に済ませたいのですが
    恋の終わり方。知らぬが仏、とても人間らしい鳥肌の経つラストでした。このラストが無ければ私は投げやりに鼻をほじりながら本を閉じたことでしょう。そしてこの作品というより、この物語をこのラストに繋げた百田尚樹という作家に恐ろしさと尊敬の心を抱きました。

  • (殺したくないなぁ。
     でも、
     彼らと同じ空間には絶対いたくないし。)

    私はテッシュをざざざっと、まとめて抜き取りながら、心でいつも葛藤する。

    …こんな小さな蜘蛛なのに。

    人に攻撃する事もなく、
    ただ家の片隅にひっそりと巣をはり、
    懸命に生きているだけ。

    それなのに
    (気味が悪い。)
    それだけの理由で
    私は彼らの命を簡単に奪うのだ。

    外見が醜い、って一体どういう事なんだろう。

    彼女だって、
    モンスターなんかじゃなかった。
    ただ普通に
    普通の女の子と同じ様に、
    恋したり
    お洒落したり
    友達とおしゃべりしたいだけだった。

    でも、彼女の醜さは、それを許さなかった。

    哀しいのは、家族でさえ
    彼女を認めていなかった(彼女自身がそう思い込んでしまうような扱いをしていた。)事。

    ただ独りの味方もいない彼女に
    孤独は重く圧し掛かかる。

    絶望の淵に追い詰められた者は
    諦めるか
    歯向かうか、
    どちらか、であるというが

    そんな彼女の元に
    整形美容、という剣が降りてきた。
    最強の武器を手にした彼女は
    人生に立ち向かう事に決めたのだが…。

    読書中はずっと、
    薄暗い彼女の心の中に監禁されている気分だった。
    (綺麗になれ。
     綺麗になれ。)

    内側から願う様に必死で
    磨いてはみたものの
    心についた
    傷や汚れは簡単に落ちてはくれなかった。

  • 美しくなりたい...。幼少期からモンスターと言われ続け、並々ならぬコンプレックスを抱えていた和子。整形して誰よりも美しくなると、男達の態度は一変した。幼少期からずっと思い続けてきた英介との再開で、つかの間の幸せを味わったと思った矢先、物語は衝撃的な結末を迎える。英介は美しい未帆ではなく、醜い顔の和子を好きだと言ってくれた。そのことが唯一和子への救いだった。衝撃的なエピローグを知らないまま死んでしまった和子には、ハッピーエンドを迎えられたように見えたのが秀逸だった。

  • リアルだ。

    もちろんフィクションではあるが、登場人物の心はリアルであり、醜い。

    人間の心は醜い。

    私は美しくありたいと思っているが、醜い。

    百田作品、永遠の零に続いて二作目の読書。
    ちまたでは海賊と呼ばれた男が流行っているのでしょう。

    百田作品を評してわかりやすいが資料的だと。
    私は構わないと考える。

    40になろうとする私はいくぶん先入観というものを排除できるようになってきた。
    解説を面白いと思ったことは少ないのだが、
    中村うさぎ、うまいこと言う。

    小説は面白ければ良い、
    作者が何をいいたいのか考えることもない。
    何か身につけなければいけないこともない。

    それでも何かを感じられたときには、嬉しいものですよね。

    人生なるようになる。
    プラスがあっても、マイナスがあっても、落ち着くところに落ち着く。
    この気持ちがあれプラスを楽しめる。
    マイナスを意識しすぎることもない。

  • 大好きですね。あらすじを読んだ時からピンときました。
    整形について現代社会に問題提起。
    衝撃を受けましたし、やっぱりかという残酷なラスト。
    人間やはりこんなものかと。
    見た目が全てではなくとも、やはり見た目が全てなのか。深く考えさせられました。
    果たして何が正解なのか。

  • 先が気になりサクサクと読み進めることができたが整形の過程も風俗の描写もちょっと気分が悪くなった。。エピローグの最後はぞっとした。英介は結局最低な男だったってことなのね、、、


  • 美しくなりたいのは女性の誰もが持っている願望だ。
    1人の人に愛される為に整形を繰り返し、最後の言葉が哀れみの言葉だったとしても、聞けて死ねたのは和子にとっても人生で1番に嬉しかったに違いない。
    そういう人生も面白いと感じた

  • きっと彼女は幸せを掴んだと思いたい。
    数え切れないほどの傷と耐え難い痛みと引き換えに。

  • バケモノとまで言われた顔を持つ主人公。周りからそこまでののしられれば、心もささくれ荒んでしまうのは仕方ないだろう。だから、整形手術をくりかえし、外側が美しくなっていくたびに、どんどん暗い過去から解放されていくのが爽快だった。途中から、彼女のサクセスストーリーで終わることを強く望みながら読んでいた。最後は、ある意味最高の亡くなり方だったのではないだろうか。結局英介が最低だったのが、リアルで残念。

  • 学生時代、書店でアルバイトしていたときにめちゃめちゃ売れていたという印象のあった本です。
    売れてただけあって、すごく面白かった〜!

    やっぱり女性にとって美人に生まれるのとブスに生まれるのとでは天と地ほどの差だと思います。

    和子は死ぬほどの努力でお金を貯めて、美容整形により町一番の美人になることができました。その後は美人の特権を沢山楽しむことができたと思います。
    男女問わず多くの人を惹きつけ、初恋の人を振り向かせることもできた。
    だけど、やっぱりどこかで本来の自分、、モンスターと呼ばれるほどのブスだった自分を受け入れてほしいという思いは捨てきれなかったんですよね。

    整形を繰り返し、あれほど顔にこだわっていたのに、結局は一番に内面を見て欲しかった、という和子のジレンマが切なかったです。
    内面まで興味を持ってもらうには、やっぱりある程度以上の顔じゃないとダメなんですよね(*_*)
    現実は辛い。。

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著者プロフィール

1956年、大阪市生まれ。同志社大学中退。放送作家として「探偵! ナイトスクープ」などのテレビ番組で活躍後、2006年に『永遠の0』で作家デビュー。2013年に『海賊とよばれた男』で第10回本屋大賞を受賞。

「2020年 『野良犬の値段』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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