モンスター (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 11035
レビュー : 1428
  • Amazon.co.jp ・本 (494ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344418509

感想・レビュー・書評

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  • その醜さゆえに、運命に抗って強く生きていくことを選んだ姿が、せつなく悲しかった。究極の選択をしなければならなかった彼女の人生は・・これはこれでよかった、のかな?

    美醜とは何か。男性の視点のみならず、女性の美醜への思いも分析していて、興味深いものがあった。

  • 描かれているのは、どちらかというと男性かも

  • 魅力的で一気に読めたけど、誰かに感情移入したりすることもなく
    心に残る作品ではないな、という印象です

    ラストはちょっぴりの切なさで幕引き・・
    かと思いきや、そんな幻想も打ち砕くエピローグ。

    エピローグで現実を突きつけられる後味の悪さがなければ
    もっと印象に残らなかったと思うので
    賛否両論のこのエピローグ、私はすきです


    人間の欲深さ、ズルさがこわい
    本当の美しさとは?男の本心とは?

  • のんびり読書しようとお風呂に持ち込んだら止まらず、2時間以上湯船に浸かっていることになった。

    奇形に近いブスに生まれた女の子が過酷な子供時代を経て、整形により生まれ変わる話。男が書いたとは思えないほど、美人とブスに対する世の人の接し方が明確に書かれている。そう、女でブスに生まれたら本当にキツいよね……。自身も女だけど可愛い女の子を見たらほわわってなるし、扱いが違うのも世の常として理解できる。男ならまだいい。知力体力財力に会話力出世と異性と勝負できるカードは選べる。しかし女性は、特に見られないと言われるほどのブスは、社会から爪弾きにされる。

    復讐や悲しみで単に終わらせず、ハッピーエンドではないけれど後味の悪さを残さないところも筆者の魅力。
    主人公のような顔で生まれてきて、ただいるだけで蔑まれるなら、私だって同じようになったと思う。美人はちやほや優しくされるから素直になり、ブスは嫉妬や悲しみなどのマイナスの感情に晒されるため性格が歪むという考えは一理あると思った。美人だからブスだからということでなくて、優しい中で褒められて育った子供は同じことを周りに返すし、そこにいるだけで蔑まれてきた子供が、世の中に感謝するようになるとは思えない。世間を呪い、自分の顔に泣き、女を諦めてでも諦めきれないのは当然だと思う。だって辛すぎるもの。
    彼女の育った環境の中で、どこで前向きになれる要素があるというのか。彼女が整形手術という手段に出会えたのは僥倖だと思う。整形手術は親から貰った顔を弄るということていい印象はもっていなかったけど、この本を読んで印象が変わった。半永久的な化粧と同じ。何よりも整形手術で気持ちが明るくなる、人生を変えられる人がいるならば、全然悪いことではない。

    顔で判断するのは人間の性として変えられないのだろう。であるならばせめて、誰もを強制的に美人レースに乗せることをやめて欲しい。人生のレールの選択肢が広がる分、自分の力で手に入れなければいけないものも増えたのだから。人は生まれつき平等など嘘だ。

  • 人気に期待し過ぎたかな?
    百田さんの「モンスター」です。

    女性の怖さを綴っているような物語。
    普通の人達の「綺麗な女性」に対する対応や、いわゆる「ブス」と言われる状態の心理。
    どちらかと言うと、小説でも表現しにくい“タブー的”な内容をズバズバと書き込んでいます。

    そういえば、最近テレビで見るタレントの女性は、誰が誰やら、みんな同じ顔に見えます。
    ああ、なるほどね。この本を読んで分かりました。

    面白いんだけど、読了感が暗い。何とも評するのが難しいです。

    女性は、この小説を読んで、どう感じるのかが気になります。

  • 久しぶりに貪るように完読した一冊。男性の作者が描く女性の美に対する執着を脱帽。男性が思っている以上に、女性は外見によって差別化され、社会的に受ける扱いも変わる。整形によって周囲の対応が変化していく様がリアルに描かれていた。同時に加速していく美への欲望もすごくリアル。整形シーンや心理学者の発言などに取材力をベースにした作者の制作力を感じた。どんなに外見は整形できたとしても、心まで他人に変えることはできない。最後まで和子の悲痛な心が辛く響いた。ラストの解釈は別れるところだが、私は和子にとって幸せであったと信じたい。

  • 醜い少女が世の中で酷い仕打ちを受け続け、内面が抑えられなくなり初恋の人を失明させようとしてしまう。家族にも勘当され、独り生きて行くことになって、「美容整形」と出会う。

    この種の専門職だった私にとって、ここで施術を受ける人の人生を深く考えさせられた。美容整形で人生が変わり、明るくなる人は大勢いる。それは前向きでとても善い事だと思う。

    プロポーションとお肌が取り柄のボディがあって、顔に手を加えた主人公は、やがて完璧な美を手にする。何もかも欲しいがままにできる美女となり、かつて密かに思いを寄せた人に会いに行くという壮絶な話しだった。

    昼ドラっぽい内容だったが、女性が美を追求する事は悪くないなと感想を持った。人間の本質についても考えさせられた。

  • エンタメとしては楽しめましたがリアリティに欠けたかな。。あれだけ整形繰り返したらお化けみたいな顔になっちゃいそう。。しかし女性の心理描写はさすがでした。エグかった。

  • 壮絶な物語。主人公が整形を重ね美しくなっていく描写にリアリティを感じた。また、心理描写も巧みで引き込まれた。この人の小説は本当に読みやすい。

  • 「美人とブスの差は皮一枚」
    それが人の生き様を変える。

    表立って語られることのない美容整形手術の現実には凄まじいものがある。主人公の宿命は人間がつくり出す価値観と欲望が背負わせたものであろう。

    求める者が存在するからこそ、それを与える裏の世界も存在する。モンスターとは誰だったのか。モンスターたらしめているものは何だったのかを考えさせられる。

    空の上の主人公が、「それでも私は後悔なんてしていない。」と言い切ってくれていることを願う。

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著者プロフィール

百田 尚樹(ひゃくた なおき)
1956年生まれ、大阪府出身の放送作家・小説家。『探偵!ナイトスクープ』の放送作家として活躍。
50歳の時にはじめて執筆した『永遠の0(ゼロ)』で作家デビュー。ヒット作となり、映画化されている。
ボクシング青春小説『ボックス!』が第30回吉川英治文学新人賞候補、第6回本屋大賞の5位に選出され、映画化もされた。『海賊とよばれた男』で2013年本屋大賞大賞受賞。コミック化、映画化された。

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