フリーター、家を買う。 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 10971
感想 : 856
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  • Amazon.co.jp ・本 (395ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344418974

感想・レビュー・書評

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  • 面白かったけど、ちょっと綺麗事が過ぎるかな。
    特に後半はトントン拍子に進み過ぎていて感情移入もできずにちょっと白けてくる。

    序盤の姉の説教シーンがこの作品のピークだった。
    ☆2.8

  • 正直、序盤は読み進めるのがとにかく辛かったです。お母さんの描写も中々ヘビーですが、お父さんを亜矢子が問い詰めるシーンがグサグサ刺さる。「あんたは自分だけがかわいいのよ!」「結局あんたは家族なんか大事じゃないのよ」やめて、こっちのHPはもうゼロです。

    まあ確かにこのお父さん相当な駄目人間なのですが、今一つ合点がいかないのは、詰問が始まった瞬間から主人公が完全に傍観者、というか病気をほぼお父さんのせいにして高みの見物に入ってしまう点。いや、あなたの行動もかなりアレだよ。加害者だよ。姉ちゃん甘くない!?病院に付いていったのは偉いけど、この後のお父さんに対する態度は「いかに巧く転がすか」ですし、しまいにはお姉さんに対しても微妙に上から目線。ううん、何だろうこのもやっと感。

    ただし、話が進むにつれ、重石が取れるかのように物語がスムーズに動き出します。中盤以降はいかにも有川節なお仕事小説ですし、何なら一番面白いのは巻末の恋バナです(笑)。最後まで通せば有川さんらしい一流のエンタメ小説なのですが、冒頭がいちばん重い、という構成は挫折する読者も出そうでリスキーだなと感じました。

    タイトルから「お金もないフリーターがどんなマジックで家を!?」という方向性を期待していると、目次の時点で裏切られるのでご注意を。

  • ◆全体の印象
    最初から最後まで一貫して読みやすかった。
    自分も土木の会社に勤めているので、武にとても親近感が湧きました。
    作品と通して武が成長していく姿が、読んでいてとても気持ちよかった。
    家庭や仕事がだいぶ落ち着いた頃に、恋愛の話も出てきて少しキュンしました。笑
    豊川が一番印象に残っています。一緒に働けたら楽しいだろうと想像してしまいました。

    ◆印象に残った場面トップ3
    ①「ごめん、ノーカン」
    →ノーカン!?にできるかぁ!とツッコミたくなりました笑
    今度僕にも同じ状況が訪れたらノーカンって言います(絶対来ないと思う)

    ②ナニ敵に陰ながら塩送ってんだ。
    豊川くんの優しさを感じました。
    自分と同じ人を好きになっている人を応援できる人って、かっこいい。

    ③「よかった」P307
    武と真奈美が将来のことも加味して付き合っていることを知って安心した豊川。
    そうなってくれないと、困っちゃうよね。僕も安心しました。笑

  • 勉強っぽい本が続いたので息抜き息抜き。
    の、つもりが。

    父親のクソドクズっぷりに唖然。
    すごいなここまで突き抜けてクズだと!
    …失礼しましたあまりの驚きに言葉がお下品になってしまいました。

    主人公がニートから抜け出すまでの過程は面白いしスカッとするとこもあるんだけど、父親のクズさがひど過ぎて集中できない…。
    有川浩らしく「悪人なんていない!」的フォローが入ることは入るんだけど、それは人として親として当然のことだし、ラストの解決法も「できるならお母さんが病気になる前にやったれよ!」と。
    取り返しのつかないことってあるんだよ?
    …あかん、作り物に熱くなり過ぎた、これこそ作者の思うつぼかもしらん。

  • 最初はキツめの入りでビックリしたけど、最後は有川さんのほっこり話。こんな良い会社はないと思う。

  • お母さんの病状が、心配だった。
    うまくいきそうなところでお母さんの調子悪くなるし笑
    お父さんは最初すごい嫌な人だったけど最後の方では誠治とも良い関係になり協力してくれて、母のことも理解し、引っ越すことも考えてくれて良かった。
    家族の再生って感じの話だった。
    個人的には土木の仕事のみんなが好き笑

  • 面白かった。人から勧められて読んだ。エンタメ小説だなあと思った。自分には合わないと感じた。主人公が報われすぎている気がする。最初の方はうだうだやっていて感情移入できるところもあったが、後半になって特に問題もないままの順風満帆、ラブコメなんかは何を読ませられているんだろうな、と感じた。情景描写が少なく、どんどん物語が進んでくため、少々目が滑るようなこともあり、深くのめりこめなかったこともあると思う。とかく、自分には合わないものたまと感じた。

  • フリーター、家を買うというタイトルに少しコメディー要素があるのかなと思っていたが初めから話が結構重かった。しかし主人公のクズ人生から立派な大人になる過程が好きだった。また、お父さんは気難しい性格だったが頼られると嬉しそうにするところが可愛いなと思った。(途中は別として、、)

    もっと主人公の恋愛話を最後までみたかったなあ

  • 内容とは関係ないんですけどね、そして今更なんですが、有川さんって、何気ない日常会話の言葉遣いの中に、さりげなく美しい日本語を使うなって突然思ってしまいました。
    あげつらう、誂える、足蹴にする、かしぐ、とか。当たり前の日本語で、意味は誰しも知っているけれども、日常にはやっぱりあまり使わない言葉。ふとそういうのを思い出してむふふとしながら読みました。

    話は、最後はロマンス小説的になってきて、なんかちょっと主人公が立ち直り過ぎというかかっこよくなりすぎで、意識が変わっただけでここまで変わるもんか??とかちょっと思ってしまうところはなくもなかったが、でも、読んでいて嫌な気はしないですよね。面白かったです。

    あとは、主人公の父親的思考、自分自身にもあるかもしれない、と思い、少し自信を反省しました。もうここまできたんだしいいんじゃないか・・・と、他人の優しさに甘える感じ?気をつけなくては。

  • あまりにサクセスストーリーでびっくりしました

    読んでいてつらい部分がもりもりですが
    本を閉じさせずぐいぐい引き込むのが
    やっぱり有川さんの文才なんやなあと感じます
    悪者も100パーセント悪者にはならへんし

    そしてやっぱり恋愛はちゃっかり盛り込むんですね。笑

    何のために働くか?働くって何なのか?
    そこまで考えさせてくれるので、ある意味お仕事小説の側面もあります。

著者プロフィール

高知県生まれ。2004年『塩の街』で「電撃小説大賞」大賞を受賞し、デビュー。同作と『空の中』『海の底』の「自衛隊』3部作、その他、「図書館戦争」シリーズをはじめ、『阪急電車』『旅猫リポート』『明日の子供たち』『アンマーとぼくら』等がある。

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