往復書簡 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
3.51
  • (251)
  • (927)
  • (975)
  • (175)
  • (29)
本棚登録 : 7287
レビュー : 716
  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344419063

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 手紙のやり取りを上手く取り入れた作品で面白いのだが、手紙ってのがもうすでにリアリティを感じられなくて、その点で少し白けてしまう。
    ただし、ミステリーとしては面白いし、登場人物それぞれの視点から事件が立体的に見えてくる手法はいつものことながら上手くて感心してしまう。

  • 読みやすかった。いくつかの話が入っているので物語に入り込みやすかったような気がする。

  • 手紙のやりとりのみで構成される点は、「告白」の語りのみの構成同様、想像力を掻き立て、小説ならではの面白みが感じられる。

    当然手紙を書いている人によって視点が異なり同じ事象にも違う見方を提示する。何人かの文面を読み進めるうちに、事件の真実のパズルが少しずつ集まり、全容を把握するに至る。そのプロセスが、見てはいけないものをゆっくりと覗きみるようで、気持ち悪くも癖になるのだ。

    三部(四部)構成で、全て、過去の事件に囚われる人間心理を色濃く描いたもの。特に一部目は、手紙の文面から滲み出る女性特有の僻み妬みが、人間のエグみを表現しており秀逸。

    背筋がぞっとするような湊かなえ作品の薄気味悪さはしっかりありながらも、各話最後には小さな希望がもたらされ、ほっとできる一冊。

  • 手紙の交換により、過去に起こった事件が次第に明らかになるという珍しい形の小説。一つの事実も見方を変えたり、自身の思い込みによって解釈はいくらでも変化する。またそれによって当事者同士の関係性も大きく関わっていくものだと改めて感じた。

  • 手紙というのは特定の相手に向けて送られるものであり、普段見ることは出来ないものであるため、読者としては、何か私信をのぞき見る感覚を持ちながら読んでいた。
    手紙の内容には過去の事件・事故に対する新事実であったり各人の思い込みであったり、読み進めるうちに何が真実か分からなくなるように構成されており、サスペンスとしても楽しめるものであった。
    過去の同じ事象であっても、立場や得られた情報等によって見え方・とらえ方が違うということ、人間の思い込みによってバイアスがかかってしまうことを改めて考えさせられた。

  • 4編からなる短編集。特に「二十年後の宿題」は、映画「北のカナリアたち」の原作ということで読み始めたのですが、映画とは異質なものでした。
    「二十年後の宿題」は先生から教師になった教え子の男性に託された依頼に対しての先生への報告形式の往復書簡。
    二十年前、生徒と先生夫妻でピクニックに行き、そこの川で先生の教え子を助けようとして亡くなった先生の夫。
    その場にいた6人の生徒たちそれぞれの目線により、その事故の事が語られ、次第に明らかになっていく事故の情況。
    そもそもクラスで喧嘩をし、仲直りの為のピクニックに行く原因を作った生徒は、自分たちが先生の夫を死なせたと悩み続け、また、現場を見た生徒は先生への不信感・・・溺れる生徒を助けに行って逆に溺れた夫。先生の取った行動はまず二人を引きはがして、夫を救おうとした。何故先生はそのような行動を取ったのか。
    手紙のやり取りの中で、次第に真相が明らかになっていく。
    最後に、少し明るいオマケが付いていて、心が和まされる。

  • 湊かなえといえば「ドロドロ」なイメージ。それを少しだけ薄めつつ、ときどきゾワッとさせてくれる短編集でした。
    1対1、または複数の人間での往復書簡の形でストーリーは進んでいく。手紙を通して徐々に明らかになっていく、10年前、15年前、20年前の誤解やその真相……。
    すべてのピースがカチッとハマったときの気持ちよさの中にあるほんの少しの救われなさこそが、まさにこの作者らしさなのだろうなと感じた。

  • 今まで読んだ湊かなえ作品の中では1番好きでした。

  • 手紙のやりとりだけでここまで展開されるとは 誰かに手紙書きたい♫

  • 手紙のやりとりで物語が語られる。
    でも手紙に真実だけを書く訳ではないから
    そうくるか!というところも、
    あ、やっぱりね、とうところもあり。

著者プロフィール

湊かなえ(みなと かなえ)
1973年、広島県生まれ。武庫川女子大学家政学部卒。
2005年に第2回BS-i新人脚本賞で佳作入選。2007年には第35回創作ラジオドラマ大賞受賞、「聖職者」で第29回小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。読んだ後に嫌な気分になるミステリー「イヤミス」の優れた書き手として著名。
「聖職者」から続く連作集『告白』は、2008年、「週刊文春ミステリーベスト10」で第1位、「このミステリーがすごい!」では第4位に選ばれ、2009年、第6回本屋大賞を受賞。デビュー作でのノミネート・受賞は、共に史上初。2012年「望郷、海の星」で第65回日本推理作家協会賞(短編部門)、2016年『ユートピア』で第29回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。ほか、直木賞で度々候補になっており、2018年『未来』で第159回直木賞に3度目のノミネート。同年『贖罪』でエドガー賞候補となった。
映画化・ドラマ化された作品多数。特に映画では、2010年『告白』、2014年『白ゆき姫殺人事件』、2016年『少女』、2017年『望郷』と話題作が多い。

往復書簡 (幻冬舎文庫)のその他の作品

往復書簡 単行本 往復書簡 湊かなえ

湊かなえの作品

ツイートする