後悔と真実の色 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 806
レビュー : 112
  • Amazon.co.jp ・本 (689ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344419339

作品紹介・あらすじ

"悪"を秘めた女は駆除する-。若い女性を殺し、人差し指を切り取る「指蒐集家」が社会を震撼させていた。捜査一課のエース西條輝司は、捜査に没頭するあまり一線を越え、窮地に立たされる。これは罠なのか?男たちの嫉妬と裏切りが、殺人鬼を駆り立てる。挑発する犯人と刑事の執念。熾烈な攻防は驚愕の結末へ。第23回山本周五郎賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 文庫本689ページの分厚さがそのまま
    犯人検挙までの途方もない困難さを表しているようでした。
    ページを進むたびに、少しずつ少しずつ
    犯人に近づいていると感じるスリル。
    読み進めるうちに頭に描いた犯人像は
    遂に逮捕された犯人とほぼ同じ・・・
    それなのに最後まで犯人がわからなかった私が感じたのは
    まんまとしてやられたにも関わらず満足感でした。
    読んだ直後にもう一度最初から読み直したくなる
    最上級の警察小説です。

  • 猟奇的連続殺人事件がテーマの推理小説かと思っていたら、警視庁9係の刑事が次々と登場。
    刑事の性格付けが丁寧に描かれており、警察小説の趣き。
    やがて、その中の一人の刑事が主役となり、不倫や夫婦問題の果て、過酷な運命の変転をたどり、男の転落を描いた人間ドラマの様相に。
    一筋縄ではいかない話の展開に、文庫本792頁もたちまち読み終え、小説の楽しみを堪能した。
    解説に「本格ミステリと人間ドラマの融合」と書かれてあるが、言いえて妙である。

  • 本当に仕事ができる人は周りのことは気にしない、その通り。

    感情という代物は人を傷つけるガラスの破片のようなもの。

    人間はあらゆる面で自分より優れた者と出会った時、どのように感じるものなのだろうか。
    敗北感に打ちのめされるのか、純粋に格の違いを認めて白旗を揚げるのか、相手を己の理想とし、近づくために努力を重ねていくのか。それとも、、、醜い嫉妬か。

    インターネットの普及にて検挙率激減

    西條の言葉『損得なんて考えた事はないんだよ』
    自分の仕事以外にも口を出し、言われた方は不愉快になり嫌われるかもしれないのに。

    役職を自分の力と勘違いするものがいる?
    人が生きていくのに大事なのは知識でも、地位でもない。それができないといつか全てを失う。逆にそれさえできていれば、どんなに窮地に立っても手を差し伸べてくれる人がいる。
    『天網恢々疎にして漏らさず』

    大勢の人の中に紛れていれば、自分が抱える空虚から目を逸らしていられるように思える。

  • 凄く面白い作品でした。

    登場するキャラは個性的ででも、リアリティがある。

    このボリュームなのに話の流れも淀むことなく展開して読んでて飽きない。


    ドラマ化して欲しい作品だと思いました。

  • 長編で読む始めるのに気合いがいりましたが面白かった。指を切り取る連続猟奇殺人事件が発生。全く証拠を残さない犯人。ラストでわかる意外な犯人に驚きました。警察の組織の事や人間関係もディープで面白い。主人公のクールなイケメン刑事の冷えた夫婦関係が悲しい。付き合い始めた頃の妻に夢中になっていく心理や愛人に心安らぐ描写が深いなぁと思った。

  • これはなかなか!いい!男の戦い!!分厚いけどさくさく読めた。途中もしや?とは思ったが笑笑。いい味でてる。ハードボイルドだな。

  • 久しぶりに約700ページ読破。
    始まりもっと簡潔に!面白くない。中盤から興味津々。
    後半は止まらなくなる!途中、何となく犯人がわかるが、それより西条が気になってしょうがない。読破して後日談はないけど西条のこれからの思い理解できる。
    上ズラだけで人を判断してはしっぺ返しを食らいます。
    私は常にそんな事を考えて…あっ!!笑

  • 面白かった。西條さんの仮説は、どれももっともらしく、物語の流れと共に一緒に進んでいけた。真犯人逮捕の流れは、お見事だった。登場人物一人一人がしっかりと肉付けされていて、捜査本部の雑多な音まで聞こえてくる様だった。西條さんにはずっと有能な刑事職のままでいて欲しかった。

  • 若い女性を惨殺し、指を奪っていく指蒐集家。

    憤り、犯行を未然に防ごうとする警察の面々。

    正義であるはずの警察の面々がそれぞれ悪い。
    西條、三井、村越、綿引…

    綺麗事ではのし上がれないというか、常に他者を利用する人間模様。。

  • ついつい手に取ってしまったのです。んが。読んで良かった!!1

    貫井徳郎と言うと、『慟哭』と『修羅の終わり』と言うような雰囲気のイメージが先行して、ゆっくり時間がある時にじっくりと……。と、思っていたのです。

    最初は刑事ものだったので、とゆーか、出てくる人が皆刑事だったので
    古野まほろ『身元不明』みたいな感じ?と思ったのですが
    『身元不明』ほど組織や制度についての描写が堅苦しくないし、そう言う警察とか捜査一課とかよりも、登場人物の心理や生活環境に夢中になってしまったのでした。

    主人公かな? と思う人が出てきたのですがどうやら視点は何人か(勿論犯人視点もあり)でリレーしてて
    それぞれが気になる感じ。
    移入や同情も感じてしまうし、同じ様に落ち込んでしまうのです。
    けど、何でだろう……何故なのでしょうか。好きになってしまうのですよね。
    やり手だったり、ベテランだったりする刑事さん(オッサン達)なのに、皆色んなものを抱えてて、失敗も挫折も、そういうのもあって、人間なんだから当たり前だしパーフェクトな分けはないんだけど、読んでてやっぱり苦しくなってしまうのですよね。
    これぞ貫井テイスト。

    ミステリとしては、登場人物がほぼ警察の人ばかりだから、読者が容疑者や動機を絞って考え出す頃に丁度フラグが立ってしまって、恐らくかなり犯人特定はしやすいのです。
    けど、じっくり読めて、オッサン達の気持ちも味わえて、読んで良かった……と思えたのでした。
    これだから貫井徳郎はやめられない。

    漢字がそこはかとなく難しかったり、けど、それが嫌味じゃなかったりで文章自体がじっくりにはとっても向いていたのです。
    読めなくはないけど、これ書けないのですよね……と言うような漢字が多いかも。
    読んでて気持ちが良い文章。だったのでした(内容は気持ちが良いとかスッキリ爽快とかではないのですが)

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著者プロフィール

1968年東京都生まれ。93年『慟哭』でデビュー。2010年『乱反射』で日本推理作家協会賞、『後悔と真実の色』で山本周五郎賞を受賞。他書に『天使の屍』『崩れる』『灰色の虹』『新月譚』『微笑む人』『ドミノ倒し』『私に似た人』『我が心の底の光』など多数。

「2018年 『女が死んでいる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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