乱心タウン (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (653ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344419407

感想・レビュー・書評

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  • 高い塀に囲まれたセレブが住む町「マナトキオ」。
    自己中心的で非常識な面々が巻き起こすトラブルが、これでもか!ってくらい書かれている。

    まさにタイトル通り『乱心タウン』。
    まともな人間を探すのが難しい街だった(笑)

    彼らは「自分達は特別な人間で、塀と監視カメラと警備員によって外の世界から守られている」と思っているようだが、逆もしかり。
    はた迷惑な人間をまとめて隔離して、外の人間を守っているのかもしれないw。
    動物園の動物から見れば、檻に入って見えるのは人間の方だ。

    高い塀、監視カメラ、警備員....
    見方を変えれば「マナトキオ」って、まるで刑務所のようだ。

    最後、彼らに下される「最後の審判」を考えると、ぞっとする。

  • 最初、近所に新築された巨大敷地マンションの話かと思ったくらい、びっくりした内容だった。
    欲望って限りがないね、少しずつ住民が壊れていく様が、本当に恐かった。

  • 深いこと考えず、楽しく読書したい時に、オススメ〜

    文庫本にしたら、わりかし分厚いけど、すらっと読める。
    「痛快エンターテイメント」と、背表紙のコメントにあるけど、まさにその通りです。
    2時間ドラマとか、そんなんで映像化したら、面白そうだなぁ、だとしたら、配役はどうかなぁ〜とか、思いながら読んでました。

  • マナトキオという、壁に守られた超高級住宅街の中で次々に起こる不思議な事件。

    これか、続々と語られているけど、オチがつく人もいればそうでない人もいて。
    バカだなぁ、と思いながらも続きが気になるはらはら感もあり。面白い。
    映画とかになりそうな感じに住民が動いていくんだけど、それぞれが自分勝手で利己的で最低。なので、心置きなく不幸を笑える気がする。非常に軽快。
    が、結局勧善懲悪とはいかず。

  • ここ最近、1冊読み終えるのに時間がかかる本ばかりだったので、文庫で640ページありながら数日で読了できるような作品は有難かった。

    「マナトキオ」という、超セレブの人たちが住む高級住宅地と、彼らを取り巻く人たちの引き起こす騒動を綴ったもの。

    剥き出しのエゴは、近所づきあいが希薄なご近所さんの間では交錯することすらなく、個人レベルで妄想として膨らむのみ。結局それらは最後まで交錯することなく物語は終わる。但し、最後に不気味な余韻を残して。。。

    山田宗樹作品はどれもrapid readingが可能だが、これはとりわけサラリっと読めてしまう。でもそれなりに面白く読み進められた。

著者プロフィール

1965年愛知県生まれ。筑波大学大学院農学研究科修士課程修了後、製薬会社で農薬の研究開発に従事した後、『直線の死角』で第18回横溝正史ミステリ大賞を受賞し作家デビュー。2006年に『嫌われ松子の一生』が映画、ドラマ化される。2013年『百年法』で第66回日本推理作家協会賞を受賞。その他著作に『ジバク』『ギフテット』『代体』『人類滅亡小説』『存在しない時間の中で』など。

「2022年 『SIGNAL シグナル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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