さようなら、私 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎 (2013年2月7日発売)
3.22
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本棚登録 : 1256
レビュー : 159
  • Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344419735

感想・レビュー・書評

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  • 三つのお話。

    小川糸テイストがふんだんに盛り込まれていながら、今回は「ほろっと泣ける」寄り。

    表題「さようなら、私」が三つのお話をまとめている。

    かなり深い傷痕を抱える女性が登場するのに、話としてはそこまで暗くならない。
    本人を取り巻く周りの人間のパワーと、彼女達が口に運ぶ食事のエネルギーがきっとそうさせているのだと思う。

    そうして力を蓄えた彼女たちが、ふっと目を覚ます瞬間……本当に感動する。

    小川糸作品は、なんだかゆるくてぬるくてぽかぽか気持ちいいのが好きだったけれど、こんなにも強いメッセージと目覚めをくれるとは思わなかった。

    恐らく『私の夢は』というエッセイのバンクーバーやモンゴル訪問が下地になっているのだと思う。が、そちらはまだ読んでいないので、またいずれ。

    短編ではあるが、「つるかめ助産院」の時以上に“いのち”へ目を向けることになったなぁ。本当にすごく良かった!!

  • 2つ目を続けて読むのがもったいないくらい、最初の短編が好きなお話でした。
    ・もし自分に行き詰まったら、もっと広い世界に飛び出して、自分よりも上を見るといいんだよ。
    ・いつだって私は自分中心で、周りの人の愛情に気づくのが遅くなってしまう。
    ・自分の目で確かめなくちゃわからないことが、世界にはまだまだいっぱいある
    2013.02

  • 「さようなら、私」の意味がわかった時、目の前に爽やかな風がふいた。「私」は皆、過去に囚われていて、過去に怯えていて、変えられない自分にすがりついている。その姿は見覚えがある様で。出会った人に刺激を受け、過去を受け止め、幸せになる道を歩み出せたら、きっと未来は明るい。

  • 過去の自分にさよならしたい。
    そんな人物が主人公の短編が3作品。
    そのうち2作品は、モンゴルとカナダのバンクーバーが舞台。
    さすが、著者がよく訪れている場所だけあって、エピソードや描写がすごくリアル。(エッセイも読んでます)
    私にはモンゴルの遊牧民暮らしはおそらくできないだろうな(笑)

  • モンゴルのウランバートル、カナダのバンクーバー、どこかの駅の近くの雑居ビル。
    いつか秘密くんのような人に会ってみたい。

  • 「さようなら、私」
    というタイトル。まさに今の自分にピッタリなタイトルだと思って手に取った。

    オムニバス形式の本であったが、どの物語の主人公も今の自分の人生に行き詰まって、悩んで、戦っていた。そんな彼女たちがそれぞれパッと道が開けるような、何か打開策を閃くような人物や事象と出会う。
    いつまで悩んでいたってしょうがない。いつまで泣いていたってしょうがない。しょうがない、なんて陳腐な言葉しか思いつかないけれど、物語の主人公や読者である私が抱えた悩みの道はいつかは開ける。それは時間かもしれないし素敵な出会いかもしれない。
    悩んで、苦しくて、藻掻いているこの時間が、いつの日か笑って話せるような、ああこんなこともあったな、と思いを馳せるようになるのかもしれない。
    そう思わせてくれる1冊だった。

  • 心温まる作品

  • 「もし自分に行き詰まったら、もっと広い世界に飛び出して、自分よりも上を見るといいんだ。狭い世界でうじうじしていたら、もっと心が狭まってくだらない妄想に取りつかれるだけだもん。自分のことなんか誰も知っちゃいない、屁とも思っていない世界に自ら飛び込めば、自分がいかにちっぽけな存在か、嫌でも思い知らされるよ。そうすれば、開き直って、もっと成長できる。自分に限界を作っているのは、自分自身なんだ」

  • よい本ではあるのだけど、「オカマ」という差別用語が使われていて、一気に醒めました。

  • 悩みを抱えた女性たちが全く違う環境へ飛び出し、再生する物語。ぽんぽん話が進んでいくので全体的にどちらかというとエッセイ的な文章だなと思いました。最初のお話はモンゴル、二つ目はカナダが舞台なので紀行文としては面白いかもしれません。

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著者プロフィール

小川 糸(おがわ いと)
1973年生まれ、山形県出身の小説家であり、作詞家・翻訳家でもある。作詞家の際の名義は、春嵐(しゅんらん)を使用。
2007年に初の絵本を上梓し、さらに翌2008年に小説『食堂かたつむり』を発表。同作は第1回ポプラ社小説大賞に応募し、最終選考にも残らなかった作品だったが、目に留めた編集者によって刊行され、ベストセラーとなり映画化された。同作は、2011年7月、イタリアの文学賞である、バンカレッラ賞料理部門賞も受賞している。
2017年、『ツバキ文具店』が「本屋大賞2017」で第4位にノミネート。ドラマ化もされた。続編『キラキラ共和国』も発行、代表的シリーズかつヒット作となっている。
その他代表作として、テレビドラマ化された『つるかめ助産院~南の島から~』。

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