- Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344419735
感想・レビュー・書評
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「さようなら、私」の意味がわかった時、目の前に爽やかな風がふいた。「私」は皆、過去に囚われていて、過去に怯えていて、変えられない自分にすがりついている。その姿は見覚えがある様で。出会った人に刺激を受け、過去を受け止め、幸せになる道を歩み出せたら、きっと未来は明るい。
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過去の自分にさよならしたい。
そんな人物が主人公の短編が3作品。
そのうち2作品は、モンゴルとカナダのバンクーバーが舞台。
さすが、著者がよく訪れている場所だけあって、エピソードや描写がすごくリアル。(エッセイも読んでます)
私にはモンゴルの遊牧民暮らしはおそらくできないだろうな(笑) -
モンゴルのウランバートル、カナダのバンクーバー、どこかの駅の近くの雑居ビル。
いつか秘密くんのような人に会ってみたい。 -
「さようなら、私」
というタイトル。まさに今の自分にピッタリなタイトルだと思って手に取った。
オムニバス形式の本であったが、どの物語の主人公も今の自分の人生に行き詰まって、悩んで、戦っていた。そんな彼女たちがそれぞれパッと道が開けるような、何か打開策を閃くような人物や事象と出会う。
いつまで悩んでいたってしょうがない。いつまで泣いていたってしょうがない。しょうがない、なんて陳腐な言葉しか思いつかないけれど、物語の主人公や読者である私が抱えた悩みの道はいつかは開ける。それは時間かもしれないし素敵な出会いかもしれない。
悩んで、苦しくて、藻掻いているこの時間が、いつの日か笑って話せるような、ああこんなこともあったな、と思いを馳せるようになるのかもしれない。
そう思わせてくれる1冊だった。 -
心温まる作品
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「もし自分に行き詰まったら、もっと広い世界に飛び出して、自分よりも上を見るといいんだ。狭い世界でうじうじしていたら、もっと心が狭まってくだらない妄想に取りつかれるだけだもん。自分のことなんか誰も知っちゃいない、屁とも思っていない世界に自ら飛び込めば、自分がいかにちっぽけな存在か、嫌でも思い知らされるよ。そうすれば、開き直って、もっと成長できる。自分に限界を作っているのは、自分自身なんだ」(本文より)
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よい本ではあるのだけど、「オカマ」という差別用語が使われていて、一気に醒めました。
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小川糸さん。今回も、一気に読んだ。
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今までの私、さようなら・・・・・・で?この先は、どう生きるの?って思ってしまいました(^^;;急にモンゴルに行くとか、急におっぱいの森に勤めるとか、何だか有り得ない解決先っぽくて、良かったね!て思えなかったし、、主人公たちが何か変われたように感じませんでした。小川糸サン、好きだけど~この作品はイマイチでしたm(*_ _)m
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過去の自分から脱皮し、新しい人生に一歩踏み出し始める女性が描かれる3つのお話。自分のことが嫌いな美咲はモンゴルで、母親を恨む楓はカナダで、子供を亡くした美子はとある不思議な店で、人と出会い、自然と出会い、新たな体験をして、次の一歩へと動き出す決断をする。とどまり続けることも、先に進むことも、どちらも自分が決めることなのだけれど、新しいことは不安だから非日常が後押ししてくれるのを人は待つのかもしれない。
『こんな夜は』を読んだ後だったので、特に外国のシーンは小川糸さん自身の体験がベースになっているのがよくわかった。モンゴルについてはエッセイより詳しく書かれており、まぁちょっとわたしには無理な場所だな、と思ってしまったけれど。