- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344420489
作品紹介・あらすじ
憧れの旅の民・ジプシー(ロマ民族)と出会うべく、東欧・ルーマニアへ!だが、せびられ、襲われ、ころころ変わる言動に振り回されっぱなし。そんな時に辿り着いた心優しきジプシーのおばあさんの家。「今、このとき」を大事に生きる、自由で自信に溢れた彼らと過ごすうち"旅人OL"てるこの心に決意が芽生え-。痛快怒涛の傑作紀行エッセイ。
感想・レビュー・書評
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ヨーロッパの2冊は楽しく読めたのですが、この本は私にはあまりに縁遠い旅でした。コロナ以前のチュイルリー公園、オランジュリー美術館の前をひとりで歩いていると、良くある話ですがジプシーの子どもたちに囲まれ、見た目中学生くらいの女の子に何も入っていないパンツの前ポケットに手を突っ込まれました。
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周りに遠慮ばかりして縮こまってて何の意味がある?自分は自分、好きなように生きればいーじゃん!広い世界に自分みたいなのがいたっていーじゃん!
上記は、我が道をいきすぎるジプシーとの交流から、たかのさんが導き出した答えのひとつ。会社を辞め日々悲嘆に暮れていた私は、この本に大変勇気をもらった。
たかのさんは、超人的なコミュニケーション力と行動力で旅先の人とすぐ打ち解けてしまう旅の申し子のような人だ。旅好きだけどシャイな自分とは全然違う世界観を持ってるのだと、この本を読むまでは思ってたし憧れてた。でもルーマニアに旅した当時のたかのさんはまだ会社員だったこともあり、やはり周りの視線が気になったり肩身の狭い思いをしていたようだ。それが、ジプシーとの出会いで吹っ切れたのだ。たかのさんの旅を擬似体験できたことで私もずいぶん楽になり、大げさかもしれないけど人生の転機のひとつになった本。
旅行記としても勿論読み応えがあり、一癖も二癖もあるジプシーたちに果敢に挑むたかのさんに感心したり笑ったり、読むのに忙しかった。 -
自分にないものをもってる人に憧れて、こういうの、読んじゃうんだよなぁ。
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ジプシーという言葉はよく聞くけど、具体的にはどういう人のことなのか全く知らなかった私。
「人情ヨーロッパ」にジプシーが出てきて、俄然その存在に興味というか、何者!?という疑問が湧いてこちらを購入。
読み始めてみて…ジプシーやばい。絶対友達になれない。ルーマニアという国自体住みにくそう、って感じだったけど。
段々と素敵なジプシーが現れ、途中からはジプシーの生き方考え方を、素敵だなぁと思ってしまうくらい洗脳されてくる(笑)
勝手にカテゴライズせず、基本的にはみんな「人間」で、環境や個性により生じる差はあるかもしれないけど、すんごい悪人というのは実は一握りなんだと思えたら、すごくこの世は生きやすくなる気がする。
過去を思い煩ったり将来を不安がったりすることなく、今をめいっぱい楽しむジプシーのマインド、素敵だなと思った。 -
面白いぃー!!!!
初めて読んだけども、なんかわかるなぁーこの感覚!!!
わかる!わかる!海外あるあるというか、なんというか!!!
わたしも冒険大好きで今までもいろんな事してきたけども、誰かに会いに!っていうのはないかも?笑
そして、それが誰かもわからない旅って!!!!
とんでもジプシーが数多くいて、でもそれぞれに個性と優しさがあって、涙あり笑いありでなぜか一緒に旅した気分になってしまう一冊です!!!!! -
自分の中の「元気」を確かめるために
読みたい作家さんのお一人が
たかのてるこさん
あいかわらずの
たかのてるこ流
いきあたりばったり
それでも
ちゃんと逢いたい人には
遭ってしまう
そのバイタリティーと好奇心旺盛さ
には大拍手
今回の旅で
知り合った、というより
家族同然になった
ジプシーの方たちに
逢ったことから
「自分をまるごと受け入れること」
に到達した てるこさん
先日 観直していた
寅さんの映画の中で
光男くんが
「寅さん 人間はなんのために生きているのかな?」
という 問いに対して
寅さんが
「ああ、生まれてきてよかったなあって思うことが、なんべんかあるじゃねえか。そのために人間生きてんじゃないのか?」
という言葉を返すのですが
まさに そのことを
地で行っていらっしゃる
たかのてるこ嬢でありますね -
初対面から、言葉が通じなくても、仲良くなれる、作者のバイタリティに圧巻された。また、女同士は、男同士よりも仲良くなりやすいと思うが、女だから通じる部分も多くあると思う。
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エネルギッシュなジプシーという存在の魅力や諸々を、いつものたかのてるこさん節で鮮やかに描写している一冊。
何を読んでも、面白くパワフルな彼女と旅をしている気分になるので、大好き!今後の活躍も楽しみ。 -
これまた、いつ読み終わったのか・・・
多分5月くらいかなぁぁ・・・(笑)
たかのさんの勢いにこちらの作品でもビックリだったけど
私は「ダライラマに会いに行く」の方が好きかなぁ~
私の中でちょっとジプシー感も変わってしまったし(苦笑)
まぁでもそれが実際会うか会わないかで、また変わるんだろうしねぇ~
やっぱり何よりも経験が大事だわと思うのです(笑)
気になった個所を抜き出してみると・・・
・行き当たりバッタリの旅をしていると、いいことばかりも続かないものの、悪いことばかりも
続かない。というか、すでに自分の身に起きてしまったことをネガティブにとらえても仕方がないから
これからの未来を信じるしかないのだ(p262)
・自分にも言い聞かせていることですが、すでに過ぎてしまった「過去」を思ってくよくよしたり、
どうなるか分からない「未来」を心配したところで、いいことなんて何もありません。そんな心配をする
ヒマがあったら、目の前の「今」に全力を尽くす方が、いい未来が来るに決まってる!と思い、私はもう
「心配しない!!」と決めたのです(p375)
・「自己肯定感」と「幸せ」は密接に繋がっているのだと、最近つくづく思います(p377)
・そんなこんなで、幸せになる秘訣は、お金でも安定でもなく、「自分を丸ごと受け入れること」そして
「自分を好きになること」なのだと、私はつくづく思い知りました(p379) -
奴隷として扱われたり、ナチスの犠牲になっても、ジプシーがこれまで生き延びてこれたのは、彼らがマジョリティと違う独自の価値観とルールで生きてきたから。
自分のことをジプシーと思っている人がジプシー。
ジプシーの生命力はすごい。
なんだかんだで、生き残ってなんぼ。
生きるぞ、という強い意志は人生を生き抜くのに必要なことだし、好奇心は新たな土地に向かうエネルギー源になる。 -
14.mar.2
もーとっても素敵で楽しい本だった(*^^*)
表紙の子ども二人組のかわいさ(表情、服装どっちも!)に惹かれ読み始めたけど、
最初はジプシーの図々しさというか感性に驚き引いてしまう…
勝手に他人のお菓子あげてみんなに配り始めたり、勝手に演奏しはじめて金を要求したり…
他の旅紀行でも見たけど
「ある者は無い者に分け与え、無い者はある者から分けてもらう」
って精神なんだろうなー。
筆者が「無い者」としてジプシーの人たちから暖かく迎え入れられてからは、そのアットホームさとか楽しさにどっぷりはまってしまった^_^
文庫の最初のほうに載ってたサティの可愛いおうちとサティの上品で素敵なたたずまいが現れてる写真が大好き!
リバーナも美人だし、リンコは豪快。笑
個人の尊厳とか自信に満ちあふれてるジプシーたち。
こんな人たちが世界のどこかで楽しく明るく暮らしてるって事実が知れてうれしかったなー。
元気なくなったらまた読みたい!
アマゾンでたかのてるこさんの他の文庫注文したけど、届くまで待ちきれない〜 -
「過去や未来といった概念がない」とか「所有の概念が薄い」ってどういうこと・・・?という疑問に、この本なら答えてくれる。
ほとんど日本しか知らない私にも、ジプシーたるものがどんな様子なのかがヒシヒシと伝わってくるような、臨場感あふれる描写でいっぱいの一冊。
勢い余った漫画の吹き出しのような語り口が似合う、日本での生活からは想像もできないようなエピソードがびっしりと詰まっている。ジプシーと呼ばれる人々の様子も驚きの連続だけれど、筆者のバイタリティにも脱帽!実際には相当大変だったであろう事態も面白おかしく描いてあるのにつられて、ついついページをめくる手が止まらなくなってしまった。
私には真似できる自信はないけれど、こんな生き方の世界があることを知らずに過ごすのは勿体ないかも?! -
ジプシーの自由な生き方に感化されて、
会社卒業を決めて旅人になる決心をしたてるこさん。
地球にはいろんな生き方をしている人がいるってことを知るだけで、
縛られなくていいんだ、
正しい生き方の答えなんてなくて、自由に自分で作っていけばいいんだ
って思える1冊。 -
自己肯定感と幸せは密接に繋がっているのだ
ということを筆者はジプシーに教えられたそうです。本編読んで、後書き読むと思うところが多々ありました。 -
今回はジプシーに会う旅。私にとってもジプシーは謎だったので楽しめた。なんでジプシーは東に来なかったんだろうね。
ほんと魅力的な旅。でも怖くてできない。 -
ジプシーに会いにいく旅、と聞いて最初はピンと来なかったが、自分の場合ジプシーとの唯一の接点と言えるのが、ファンファーレ・チョカリーアという名の、ルーマニアのジプシーブラスバンドである。そう、今回の旅の舞台もルーマニアなのだ。
ジプシーの起源はインドと言われており、約1000年のあいだに世界中に広がって行ったらしい。しかし、なぜルーマニアにジプシーが多いのか?それは歴史上ジプシーたちが奴隷として扱われ、迫害されていた事が大きく関係しているようだ。
本書に登場するジプシーの人たちも、決して恵まれた生活をしているわけではないが、とにかく明るくウルサく親切なのが印象的だった。だがそんなジプシーたちに一歩も引けを取らず、通訳なしで村にホームステイしてしまう旅人たかのてるこ氏も十分にジプシーだと思った。
ジプシーの気質といえば、あまり深く考え込まない、今を大切にする、所有の概念が薄い、とにかく陽気である。どちらかといえば我々日本人とは逆のようだが、そのような明るい性格だったからこそ、各地での迫害にも負けず世界中に広がっていったのだろうと感じた。 -
たかのさん渾身の一冊。読んでるこちらも幸せな気分になるし、色々と考えさせられる。読んで損はしない。