血の轍 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 456
レビュー : 54
  • Amazon.co.jp ・本 (524ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344421141

作品紹介・あらすじ

元刑事が絞殺された。警視庁捜査一課の兎沢は、国家を揺るがす大事件の真相に元刑事が辿りついていたという糸口を掴むも邪魔が入る。立ちはだかったのは公安部の志水。兎沢に捜査のイロハを叩き込んだ所轄時代の先輩だった。事件の解決を泣ぐ刑事部と隠蔽を目論む公安部の争いが激化。組織の非情な論理が二人の絆を引き裂く…。胸打つ警察小説!

感想・レビュー・書評

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  • 周到に準備された仕込みは、悪意以外のなにものでもない...。水面下の暗闘から互いに露骨に打ち合う怒涛の後半は、そこまでやるか、の応酬で途轍もない。タイトルに納得。最後のシーンに少し救われる。

  • 何とも息が詰まりそうになる刑事小説でした。

    刑事と公安の対立をかいた小説ですが、いやぁ、
    警察ってワルだなぁ。
    特に公安のえげつなさが光る一冊。
    本当にこんな事してるのだろうか。
    恐ろし恐ろし。

  • これは警察小説だがメインは犯罪行為でも犯人逮捕でも無い。
    刑事警察VS公安警察の血みどろの抗争の物語。

    兎沢は言った「志水さん、俺、今度父親になります」
    志水は言った「本当か?今何カ月だ?」
    先輩後輩として暖かい心の交流を続けていた2人。
    「あんたたち見た目は違うけど兄弟みたいだねえ」と定食屋の女将は笑った。

    時は経ち兎沢は捜査一課、志水は公安総務に奉職している。公安のメンツを保つ為だけの或る逮捕劇が、彼らの絆を徹底的にずたずたに引き裂いた。
    元々は同じ方角へ迷いなく進んでいた轍。いつしか大きく軌道を外れ、激しくぶつかり合う。
    それは彼らだけではなく、血を分けた兄弟であるべき組織同士が、鉤爪を立て牙を突き立て合う、血みどろの争いであった。
    正義はどちらの側にあるのか?誰にとっての正義なのか?


    いやあ汚い汚い、なんて薄汚い世界なんだろうか。冒頭から謀略の為に個人の人生を引っ掻き回して組織の部品として育て上げる。なんて薄汚いのでしょうか。そして・・・・とても面白い。
    これまでに警察内部の軋轢を書いた小説は有りましたが、ここまで二転三転してシーソーゲームとなる小説が果たして有っただろうか。
    相手の足元を掬い、一発一発パンチを交換し合うような攻防から目が離せなかった。



    それにしても兎沢のエピソードは同じく娘を持つ身としては身につまされたなあ。かわいそうなの本当に。これは読まないと分からないから!
    公安警察って本当にこんな感じなのかな?完全に悪者というか、うちらの思っている警察とは全く別物なんでしょうね。大概悪者として登場する事が多いので、全くもっていい印象無いです^_^;

  • ストーリーが3つの年代で進んでいるのが
    読み進めていくうちに掴めるまでアレッ?と感じてしまいました。
    犯罪を解決する刑事、国家を守る公安の確執を中心に
    警備、監査と各々の立場を守り、主張し、、
    人命よりもメンツを取ったり、駆け引きしたり、事前に仕掛けたりと警察の裏を汚く表現した作品です。

  • どうしてだろう。もう二度と警察小説なんて読まない!って思うのに、しばらく経つとまた手に取っている。
    警察内部の足の引っ張り合いというありがちな展開にイライラさせられ、警察に対するイメージも悪化の一途。それでも夢中で読んでしまう。警察小説って、不思議だ。

    兎沢刑事の個人的な恨みも相まって、刑事部と公安部の攻防は一時たりとも目が離せない。「正義はときと場合によって姿を変える」の言葉に、深く考えさせられた。

  • ラストまでの流れは、さすが相場英雄という展開だが、ラストが性急で乱雑に思う。
    何らかの解決が欲しかった。

  • 警察内の刑事部と公安部の激しい対立、抗争がスピーディーに描かれていて、読み進めるごとに引き込まれていった。
    ただ、ラストは結果として救われた登場人物がいたのだろうかと考えてしまうものだった。

  • 息詰る展開感が面白い。公安と警察の対立を描いたものだが、ここまでではなくても実際本当なのか…と疑問に思う。
    ラストの方は出来すぎて、流し読みしてしまった…
    ですが、最後まで飽きなかった。
    でも面白かった(満足)

  • 本文に刑事の専門用語が出てきた所はリアリティがあって面白かったし、どんどん状況が変わって行く展開にもハラハラした。ただ、最後の方は半沢直樹のやられたらやり返すじゃないけど、公安と刑事部がそんな状態になってしまってたし、ラストの三行は、えぇ⁉︎ってなった。結局、犯人が捕まったとか登場人物のその後の立場がどうなったかは、分からない。それは読んだ各自が、想像するしかないんだろうなぁ。。。

  • 公安と警察の対立を描く。
    かつて信頼関係にあった先輩・後輩が組織の対立に組み込まれ、やがて憎しみ合うようになっていく。
    自己意識すら操る組織の怖さ。

    最後のシーンが印象的でした。

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著者プロフィール

相場 英雄(あいば ひでお)
1967年新潟県生まれ。89年に時事通信社に入社。2005年『デフォルト 債務不履行』で第2回ダイヤモンド経済小説大賞を受賞しデビュー。
12年『震える牛』が話題となりベストセラーに。13年『血の轍』で第26回山本周五郎賞候補、および第16回大藪春彦賞候補。16年『ガラパゴス』が、17年『不発弾』が山本周五郎賞候補となる。

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