ラストファンタジー (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 78
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344421196

作品紹介・あらすじ

家族って何?「ラストファンタジー」とは「空想、幻想の世界と決別し、現実を生きる」という意味。母親に捨てられ、父親と死に別れた経験を持つシングルマザーはまっとうに子供を育てることができるのか。北海道への熱く哀しい思いとともに、小説とエッセイをミックスして、「水曜どうでしょう」の鬼才、鈴井貴之のルーツと今を一冊に凝縮。

感想・レビュー・書評

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  • ミスターどうでしょうである鈴井氏の著書と言うことで購入。エッセイ・小説・エッセイ+書下ろし小説という構成が新鮮だ。その中身はダークなミスターを見た感じ。エッセイ部分を読むと「人付き合いが苦手」とあり、場面場面で役割を演じる=人格を変えるという著者の姿を主人公に演じさせているのが良くわかる。そして、残念ながら主人公の女性・満里恵の独白での進行に男臭さを感じるのだ。ラストで横峰Dになかなか良い台詞を喋らせているが、藤村Dを思い浮かべ、その残像が消そうにも消せなかった(^^;

  • 天邪鬼な鈴井さんらしい視点、シナリオ。

    自分晒したくない、それが怖いから誰か役を演じる、っという考え方にとても共感出来る。

    裏を勘ぐる事≒視点を変える事も納得。

    あと、カタカナの使い方と、言葉の繰り返しがちょっとホラーに感じる(笑)

  • ファンタジー色の欠片が一つも見当たらないグレーな世界

  • ミスターどうでしょうのエッセイを読んでいたので予想どおりはじめは暗さを感じたけど、最後は希望を感じる内容だった。

  • CREATIVE OFFICE CUEの現会長にして水曜どうでしょうの
    ミスター、生涯現役を宣言して今も最前線で活躍中の鈴井貴之の作品。

    体裁は小説を中心に前後をエッセイで挟んだ異色作。なんでも、
    「小説家と呼ばれるのが恥ずかしい」という実に鈴井さんらしい理由
    でこの形態に落ち着いた模様。

    小説部分の完成度は非常に高い気が。
    暗さと倦怠感が全篇に溢れるちょっとしたイヤミス。気分はどんより
    してしまうのだけど、時折剥き身の刃物のような鋭い描写や台詞が
    登場してくる。その対比が実に見事で、見てはいけないモノを長時間
    物陰から見つめているような緊張感が持続する。このあたりがきっと
    鈴井貴之の「狂気」であり、僕が彼にいちばん惹かれる部分。
    バラエティで駄洒落を連発し、終始ニコニコしながらも目だけは笑っ
    ていない、という鈴井さんのパンクな要素が色濃い。

    しかし、物語に密接に関連するエッセイ部分からはホッとするような
    「やすらぎ」が。「ダメ人間」の時と同じように徹底的に自分を卑下
    しているが、文章は軟らかく圧倒的な説得力もちゃんとある。
    「狂気」と「やすらぎ」を同居させ、それらを1つの作品に仕上げて
    しまうのだから、その才能には本当に恐れ入ってしまう。

    オフィスキューのメンバー、大泉洋も安田顕も戸次重幸も大好きだが、
    僕がなってみたい、と思う人間はやっぱり鈴井貴之だな、と改めて。
    ラストの文庫版書き下ろしアフターストリーで、ちょっと泣いてみて
    ください、皆さん!

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著者プロフィール

大学在籍中に演劇の世界に入り、1990年に劇団「OOPARTS」を結成。「OOPARTS」解散後は、タレント・構成作家としてHTB「水曜どうでしょう」などの数々の番組の企画・出演に携わる。2001年より映画監督としても活動を開始。

「2020年 『水曜日のおじさんたち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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