やわらかな棘 (幻冬舎文庫)

  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344421455

感想・レビュー・書評

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  • ちょっとずつ繋がってる短編集。

    どの章にも響く言葉があったし、共感する部分も多かった。

    やはり最後の弟が亡くなった姉の章が
    切なくて、似た体験をしたことがあるから
    分かる部分もあって、思わず涙が出た。

    初めて本に折り目をつけた。
    すごく胸に響いたほんでした

  • 4つの話。
    登場人物は少しずつ絡み合っているが、ひとりひとりがそれぞれ棘を抱えて生きている。
    しあわせの価値観、生きている意味、行動する理由、育った環境。生きる中で育っていく感情と、静かに向き合う主人公たち。
    面白かったです。色々な考えの人がいるけれど、自分の人生をきちんと大切にしようと省みる1冊でした。

  • 最初の章で「うわぁ重すぎじゃない?」と思いました。ここまで一線を越える女性は稀なんじゃないかとも思ったし、こんな男も、いくらなんでも稀なんじゃないかと。
    ・・・いや、もしかしたら結構いるのかな?
    次の章で、あ、これは短編連作なんだな。と気づいたあたりから、がぜん面白くなりました。
    この棘は誰でも持ってるものなんじゃないかな。と思える章もあったし、苦々しく感じる章もあったけど、これは最近の中ではヒットな本です。
    いろんな意味で、素直に面白かった。

  • 冒頭でぐっと引き込まれ一気読み。

  • 甘糟ミリさんに傾倒が似てる!

  • 4つの話。
    やわらかな棘という題だから、軽めの復讐ものかと思って読み進めたけど、ドロドロはほとんどない。
    辛かったけど、頑張る的な応援したくなるような四つの話。
    第一章「まちあわせ」は、付き合ってた彼氏に裏切られ復讐を考えている晴が主人公。
    第二章「ヒヨコと番長」は、裏切り者の晴の元カレと結婚した奈那子のお姉さんの話。
    面白かった。

  • 繋がりのある、それぞれの男女の短編集

    交際中の男性に突然捨てられた女性は復讐を仕掛け
    その男性と婚約した令嬢はタワーマンションで姉と会い
    その姉は合わない幼稚園での仕事をこなし
    幼稚園に通っているシングルマザーの親子はそれぞれの日常を送り
    最初の女性の高校時代の同級生は弟の死後、拒食症になりながらも花屋でバイトし生活し
    続いていく同じ時間枠の中で一日を送っていく
    傷を負いながら、時々悲しくなりながら
    それぞれの今を生きていく

  • 【自分を裏切り別の女性との結婚を決めた彼への復讐を誓う晴美、盛大な結婚式を挙げ高級マンションに住むもなぜか満たされない奈那子、子供を育てる自信がもてない母親、亜季…】(Amazonより転載)といったあらすじを読み、またしてもどろどろ人間関係崩壊ものを期待して読みましたが全く違いました。

    先日の『一瞬の雲の切れ間に』続いて敗北です。

  • 生きていくことは面倒で苦しいことだ。救ってくれるのは、友人でも愛する人でもなく、自分の気持ちだ。普通にどこにでもいる女性たちの心の苦しみを描いた連作小説。
    異性なのでよくは分からないが、おそらく等身大の女性たちが主人公。家庭内でも社会生活においても、人間関係はわずらわしく面倒だ。登場する女性がとても身近に感じるので、その棘の痛みもストレートに伝わってくる。故にタイトルの巧さは秀逸だ。

  • 15/11/30
    復讐の話、もうちょっと読みたかったけどそのもうちょっと読みたいくらいがきっといいんだよね。「春待ち」はじんときました。“いつかは生まれかわって、知らない人になって知らない人と、この夕陽を見ることができるんだろうか。” (T_T)
    それから『誕生日は祝われる日ではなくて、感謝する日なんだ。お腹を痛めて、うんと頑張って、この世界に送り出してくれてありがとう、お母さん』て似たような言葉、市川拓司の小説でもあったけど、こういう考えすてきだと思います。

著者プロフィール

1976年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。2000年、ノンフィクション『光さす故郷へ』を刊行。06年、群像新人文学賞受賞作を表題作とした『憂鬱なハスビーン』で小説家としてデビュー。その他の著書に『彼女のしあわせ』『憧れの女の子』『不自由な絆』『あの子が欲しい』『自画像』『少女は花の肌をむく』『人生のピース』『さよなら獣』『人間タワー』など多数。

「2021年 『君たちは今が世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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