試着室で思い出したら本気の恋だと思う (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 2735
レビュー : 264
  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344421509

作品紹介・あらすじ

年下に片思いする文系女子、不倫に悩む美容マニア、元彼の披露宴スピーチを頼まれる広告代理店OL…。恋愛下手な彼女たちが訪れるのは、路地裏のセレクトショップ。不思議な魅力のオーナーと一緒に自分を変える運命の一着を探すうちに、誰もが強がりや諦めを捨て素直な気持ちと向き合っていく。繊細な大人たちの心模様を丁寧に綴った恋物語。

感想・レビュー・書評

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  • この印象的なタイトルが前々から気になってて、読んだあとに著者の尾形真理子さんについて検索してみて納得。この方、元は売れっ子コピーライターで、主にルミネの広告のコピーを多数手がけていたそう。
    ちなみにこのタイトルも、元々はルミネの広告に使われたコピーで、本書は短編集なのだけど、それぞれのタイトルもほとんどがコピーとして使われたもののようです。
    「悪い女ほど、清楚な服がよく似合う」とか、女性ならではの観点に、いちいち深く頷いてしまう感じ。

    closetという、渋谷にあるセレクトショップが必ず登場する短編集。タイトルの通り、試着室にて試着中に想いを寄せる彼のことを頭に思い浮かべる女性たち。
    長年付き合っている恋人であったり、片思いをしている同僚であったり、不毛な恋だと分かりながら離れられない不倫相手であったり。
    東京のあらゆる場所で働くいわゆる普通の女性たちの恋。超美人なわけではなく、モテモテなわけでもない、だけど出来るだけ綺麗な自分でいたくて、お気に入りの洋服がたくさんあるclosetに足を運ぶ。
    作風はさすがルミネのファッション系コピーを手がけている作家だけあって、雑誌で言えばsweetとかarを読むような世代が一番共感しそう。
    こういうのを読むと、普通に昼間働いて恋愛を愉しむ女性に憧れてしまう。笑

    最後に短く、closetを営む女性にスポットが当たるのだけど、何気にそれが一番印象に残ったかもしれない。
    さりげない気遣いが出来るけど押しつけがましくなく、スタイルが良くてセンスも良い、素晴らしいショップ店員にしてスタイリストでもある彼女の恋。

    著者の名前で検索すると、ルミネの広告もたくさん出てきて、すごく可愛らしい。見たことがあるのもいくつかはありそう。

    好きな人のために綺麗になりたい。という思いが、このタイトルに繋がる。
    健全で前向きで美しい想いだな、と思う。

  • 「試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。」という胸に刺さるタイトル。この短編集の主人公は、恋する30代前後の女性たちでした。

    尾形真理子さんは、博報堂でルミネや資生堂やティファニーなどの広告を手がけているコピーライターの方だそうです。
    さすが、コピーライターだ・・・とため息をつきたくなるくらい、最高のフレーズを繰り出すので、思わず著者について調べてしまったほど。
    「恋は奇跡。愛は意思。」
    これは、著者について調べる中で一目惚れして何度も反芻してしまったフレーズ。

    私はコピーライターは「言葉選びが上手い人」だと思っていたら、どうやらそんな簡単なものじゃないようで。
    本書を読めばわかるとおり、ターゲットを明確に捉えて、戦略的にメッセージを伝える人でした。

    肝心の小説の内容は、全く違う境遇・・・のはずなのに、どの女性の気持ちもちょっとずつわかって、読んでいて、走馬灯のように今までの恋愛を思い出しました。
    中でも好きなのは、「悪い女ほど、清楚な服がよく似合う。」と、「好きは、片思い。似合う、は両思い。」
    前者の相手は、ずるい男性。
    時間を経てどんどん研ぎ澄まされるような女性像は、すこし身近に感じるものでした。「耐える」と「身を引く」以外の選択肢があってもいい、なんてフレーズが身にしみます。
    後者の相手は、我が道を行く男性。
    やさしいけど、ちょっと言葉が足りなくないだろうか?でも魅力的で、そして女性の気持ちがものすごくわかる。

    30代の恋愛を丸ごと肯定してくれるようなこの感じ。久しぶりに服を買いに行きたくなりました。
    試着して、自分にぴったり似合う服を手に入れたい。
    恋する気持ちを沸き起こす1冊でした。

  • あ〜恋ってこんなんだったなあって。
    ほんと色んな気持ちを知れるよね。
    その分パワーも使うけど。

    『新しい色を何度でも重ねていく手間と気持ちを、わたしは面倒くさがっていた。』

    これはちょっとぐさっと来たな。
    一緒の時間が長いせいにして自分の気持ちを伝えるってことをしなさすぎたって、ちょっと昔を思い出してみたり。笑

  • コピーライターのかたが書いた本で、タイトルから各話の内容まで買い物好き・ファッション好きな女性にグッ! と来るようなセンテンスばかりだった。
    各話現状→Closetで試着→回想→購入後前向きな気持ちで終わり、続きは想像におまかせな部分があるがどれも決して暗い未来なんかじゃありませんように……!

  • 最近本を読むときはもっぱら図書館だったけど、久々にジャケ買い的に本を買おうと思って目に留まったのがこの本でした。ルミネの広告のコピーみたいだなって思って、いつもルミネのキャッチコピーはうまいなーってつい共感するのだけど、その一文の先を知ることができないむずむず感みたいなものが残るので、同じ感覚を小説で見つけて嬉しくなったんです。

    そしたら、本当にルミネのコピーライターさんでした!笑

    大人の女性にスポットライトの恋愛短編集。
    各ストーリーに登場する主人公の女性が、様々な理由で一着の服との出会いを求めて、もある同じセレクトショップを訪れては、試着室で自分自身と向き合う。それぞれのストーリーその向き合うとの気持ちが物凄くイメージしやすかったです。

    何より、各ストーリーの最後に出てくる一文がすっごく素敵。

    さわやかで、晴れやかな気持ちになれる恋愛短編集です。

  • 『感情は、年を取らないのかもしれない。対処の仕方が大人になっていくだけで。』

  • 題名があまりに面白く、思わず手に取った本。
    予想外に良かった。
    30年に一度くらいこういうジャンルも悪くはないかも。

  • 試着室で思い出したら本気の恋だと思う。

    っていうタイトルを見たときに、そう?と思った。
    本気の恋じゃなくても、誰かを思い出すことはあるだろう、って。
    でも読んでみてわかった。これは試着室でただ服を試着するだけじゃなくて、自分に似合う服を選びながら、自分に似合うとは何かを考えながら、自分に本当に似合うと思った服を、あの人はどう思うか、っていうところまで考えて、その人を思い出したら本気の恋なんだ。
    舞台となるお店には、色々な想いを持った女の人が来店する。試着室で一回自分の心も丸裸にして、こんな自分もありかな、と思って新しい自分を試着する。
    こんな新しい自分どうかな、って思った時に思い出す人に、本気の恋をしてるってことだと思う。

  • ふんわり幸せになった。
    たしかにちょっとお洒落な服着るとなんかルンルンになるしな、ルンルンしてたいないつも

  • PinterestでよくADにPINしてしまうのは著者の広告だ。惹きつけるフォトグラフに添えられるキャッチコピー。そんな言葉たちが、セレクトショップ「Closet」に集う女性の物語に代弁される。

    『あなたといたい、とひとりで平気、をいったりきたり。』
    『悪い女ほど、清楚な服がよく似合う。』
    『可愛くなりたいって思うのは、ひとりぼっちじゃないってこと。』
    『ドレスコードは、花嫁未満の、わき役以上で。』
    『好きは、片思い。似合うは、両想い。』

    著者がこれらの言葉を生み出すとき、試着室で沸き起こる彼女たちの恋焦がれを、きっと想像しているのだろう。

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著者プロフィール

尾形真理子(おがた まりこ)
1978年、東京都生まれのコピーライター・制作ディレクター。2001年日本大学法学部新聞学科卒業後、博報堂に入社。ルミネをはじめ、資生堂、Tiffany&Co.、キリンビール、日産自動車など多くの企業広告を手がける。朝日広告賞、TCC賞など多数受賞。
『試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。』(幻冬舎)で小説デビュー。

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