天帝の愛でたまう孤島 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (695ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344421585

作品紹介・あらすじ

古野まほろが所属する、勁草館高校吹奏楽部と生徒会は、文化祭で演劇を共演することに。しかし、通し稽古のため渡った絶海の孤島で、その脚本に登場する怪人が現実に暗躍し、メンバーを密室で殺戮し始める。台風に見舞われた孤島。神出鬼没の殺人鬼。生き延びるために。大好きな人を守るために。まほろに用意されていた悲しすぎる衝撃と絶望とは。

感想・レビュー・書評

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  • 天帝シリーズ新訳版の3作目。
    ミステリガジェットをこれでもか、と大盛りにした構成と、独特の文体で読ませる。
    新訳版になって随分ととっつきやすくなったが、『孤島』は講談社ノベルズ版の衒学的な修辞が復活傾向で嬉しかった。やはり古野まほろはこれが無くては。

  • 天帝シリーズの三作目。
    おなじみ勁草館高校吹奏楽部に加え、同校生徒会のメンバーが、文字どおりタイトルどおりの絶海の孤島「天愛島」で連続殺人事件に巻き込まれます。
    言いたいことはたくさんあるんですが、何を言ってもネタバレになりそうなので、本格ミステリ好きには堪らない話だとだけ述べて、今作の内容にはこれ以上触れずに…
    これから、この本を読みたいという方々に。
    このシリーズは必ず一作目の「天帝のはしたなき果実」から読んだ方がいいです。
    一作目から読んでいる僕にとっては、本作の最後に明かされる事柄は、かなり衝撃的で打ちのめされ、冒頭に戻って幾つかの箇所を読み返して、それらが数々の伏線だったことに気づき、圧倒されました。
    その衝撃の事柄に加え、主人公のまほろも高3の夏を終えて進路を考えようという時期。以降、このシリーズがどのように続いていくのか、目が離せないです。

  • 天帝シリーズ3作目。ここでいったん区切りらしい。三部作なんだって。
    絶海の孤島天愛島。まりと栄子が買ったのだ。そこへ、吹奏楽部と生徒会が行く。うまい具合に台風まで来て、絶海の孤島ばっちり。
    老婆の使用人。天愛島名物はピラニア。そして、島にはお宝が隠されているという。
    次々殺される高校生。犯人らしき死神仮面。
    あいかわらず、まほろが犯人を推理する。その後に、驚愕の真相が。
    まほろを除く吹奏楽部の共犯。まほろの失恋。友の裏切り。そりゃ、区切りだねw 台風も過ぎ去り、本土へ戻る。
    そしてコンクール。吹奏楽部、みごとに金賞に輝く。

  • 突きつけられたのは、主人公にとって前2作以上に残酷な結末。物語において、唯一の希望だったあの2人の恋愛、それがこのような形になってしまうとは。実香さん…。休憩3は、『御矢』の休憩4同様に謎。他の作品を読んでいけば分かるのか?謎解きには真摯に取り組んだが、真相を看破するには至らず、悔しい。解けそうで解けない、絶妙な難易度だと思う。これはすぐに『鳳翔』を買わなければ。

  • 再読。天帝シリーズ第三弾。今回は絶海の孤島が舞台。暗躍する怪人、孤島に伝わる謎の祈歌、そして肝心の舞台である城館、と今までの作品と変わらず探偵小説的ガジェットがふんだんに盛り込まれた本作であるが、その結末は物悲しく、しかしそれでも希望を残す終わり方だった。再読という事もあって細かいところは忘れている箇所もあったが、大筋の話と結末はしっかりと覚えていたので伏線を回収しながら楽しく読めた。初読時は果実ほどのインパクトは感じなかったが、探偵という役どころの業のようなものを如実に感じてしまった覚えがあったなぁ。

  • (軽くネタバレ)
    再読。
    なかなか読書のペースが掴めず、読むのにかなーりの時間を要した。
    やはり初読のときの印象と同じく、中盤までのまるでアニメの「水着回」のような演出はどうなんだと思わざるを得ない(笑)ちょっとあまりにも締まりがなさすぎるような……。
    ただ、後半〜終盤の明かされる真相の重たさを踏まえるとそれで良かったのかなとも思える。
    初読時にはまほろ作品にしては割とロジックが弱いという印象だったのだけれども、再読で改稿されているからか、その印象は良い意味で覆された。
    あとこのラストで次作以降との繋がりが……とも思っていたので、そこもフォローが入っていた。中盤のとあるエピソードとかも多分ノベルスにはなかったものだと思うし、かなり直しが入っているのかな?という感じ。
    続いて『鳳翔』も読みたい、がいつになるか。

  • 180213読了。
    今年9冊目今月3冊目。

    圧倒的リーダビリティ。
    これでもかというガジェット、にやにやしっぱなしのネタ。

    おもしれーわ。

  • 「天帝」シリーズ3作目。ルビだらけの文体は相変わらず。
    ガンダムネタやら攻殻ネタやらその他諸々が、
    セリフの随所に散りばめられているのも相変わらず。
    でも、大分慣れました。
    全部理解できる読者ならもっと楽しめるのかもしれませんが、
    ルビやら分からないネタやらはサラッと流して読んでも十分楽しめました。


    今回ちょっと残念だったのは、
    「公理」を積み重ねる推理がちょっとだけしかなかったことです。
    どちらかと言うと殺人鬼の神出鬼没さに振り廻された展開でした。
    私的には推理合戦がこのシリーズの醍醐味だと思うので、
    もっと幅を利かせて、ねちこくやって欲しかった。


    ミステリーらしくどんでん返しは良かったです。
    トリックについては・・・随分荒技でしたね。


    最後、気になる終わり方でしたが、
    巻末の解説で「三部作の最後」と言いつつ、
    次回作以降が刊行されているので、
    続きはその内読めるでしょう。
    (私は文庫派なので、文庫化を待ちます。)

  • 05/26/2014 読了。

    久々のまほろ作品読みだったので、
    世界観に入るまで、時間かかった…。

    usiさんのイラスト好きなので、登場人物もう少し
    イラストで上がったりしないかなぁ…。
    今回、府中君とか田邊君とか見てみたかったなぁ。
    まぁ、修野嬢が一番見てみたいけど。

    内容は、探偵が探偵であることをまほろ君が
    良しとしないところとか、自責とか…。
    探偵役が探偵であることに嫌悪感を示す探偵とか
    あまり見たことないので、フィクションとはいえ
    こういう考えが出てくるのって新鮮だなぁ、と。

    続きも早く文庫化されるのを待ってます。
    時間かかるけど、前2巻読み返すかなぁ…。

  • ついていけないネタが多すぎる.いつもとは違ったどんでん返しだけど,そんなのは些細なこと.まあ女狐は期待していたが.
    本格はこうでなくては.

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著者プロフィール

東京大学卒。リヨン第三大学法学部第三段階専攻修士課程修了。元警察官僚。2007年『天帝のはしたなき果実』でデビュー。以後続く「天帝シリーズ」は、高校生、大学生を中心に熱狂的なファンを獲得。他著作に『絶海ジェイル』『背徳のぐるりよざ』『その孤島の名は、虚』など。

「2022年 『老警』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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