ぼくから遠く離れて (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 56
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344421837

作品紹介・あらすじ

その名前じゃ、女の子にはなれないでしょう?大学生の光一に次々に届く、Keyという謎の女性からのメッセージ。やがてKeyは、光一に名前を変え、女装することを強要しだす。「ぼくがぼくじゃないみたい」。鏡に映ったもうひとりの自分を愛し始めた光一。自ら選んだ性を生きる日本人たち。望んだ肉体と精神が手に入る驚きのラスト!

感想・レビュー・書評

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  • 光一の元にkeyという人物からメールが届く。果たしてkeyの正体とは・・・。


    もっとずっと若い頃に、この話を読んでみたかったなと。自分のジェンダーで迷っていた頃、いや、今もどちらかと言えば決まってないと言えるのだけど。

    ぼくがぼくでいるために。
    わたしがわたしでいるために。

    どっちでも良い世界なんて、まだまだ来ないけど、keyが言うように、そういう世界が訪れれば良いなと思う。

  • 装丁とタイトルに惹かれて読みました。

    んんーーーーーーー
    第3の性、みたいな題材はすごく興味のあることだけど
    中途半端に現実味がなかったし(どんな大学だよって思いながら読んだ)女性視点からみると、女性の登場人物がとても都合のいい感じがした。なんていうかこう、女性=母性みたいなニュアンスを感じてしまってアレルギー反応起きた。勘違いかもしれないですが。

  • 読み終えた。「第三の性」っていうものを描いた内容はとても良いなあと思ったんだけど、なんだろう、語り口調がこのみではないといえば良いのか。最後にすっと朝日が差しこむような終わり方はすきだったけど。
    個人的な感覚だけど、私はおとこだとかおんなだとかにとらわれない生き方を選ぶことを「自分から離れる」ことだと思っていないんだよな。たぶん。だから(タイトルも含め)変な感じがしたような気がする。
    もちろん主人公である光一が「自分から離れていく」と感じているのかもしれないけど、別に離れてなくないか。女装をする、というのは、産みの母親から得た、それまでの人生で経験してきた、それらが積み重なった自分の本来の「従来のおとこらしさに囚われない・囚われたくない」という価値観に「近づく」ことではないのか?あれ?
    それともこれまでの窮屈だった自分から離れる、という意味なのかしら。

  • 表紙買い。
    以下ネタバレ含む。

    一人称でも三人称でもなく二人称?
    僕でも、彼や名前でもなく
    「君」 という小説であまり見ることのない人称に最初からかなり違和感があり、さらに「アンジュ」という名前をみた瞬間に、あこの本失敗したかもと思い、それらが続きを読むのを妨げることになるかなと思ったけど、さらさらと2時間くらいで読めた。
    けど、あえてその人称を使うための理由があまり私には感じ取ることができなかったのだけれど。君、君、君と頻繁にあらわれるのに気になるよりは、僕とかでも良かったのではと思ってしまった。
    登場人物は、女性が多めで、立ち替わり出てきたりしばらく名前を見なかったりという感じで、名前との印象も強くなく、人物が非常に覚えづらかった。
    その中でマナ、大学教授とかは印象に残ったかな。あと、中原中也の有名なフレーズを口ずさむシーンも。
    読後感は悪くなかったけど、心もあまり動かされずやはりなんとなく印象薄かった。父親がああなっておおごとなのに、主人公の感情がああだからなのか、そうなんだ、へえって感じでおわり。

    男らしくありなさい
    女らしくいなきゃ そういうのって少しおかしいなって思うし、ちょっと違うものになりたいと思うこともあるかもしれない。
    君は君でいい。それが一番大切なことかも。

    あとは誰がkeyなのか?それだけで先を読ませる物話だった。
    先はなんとなく読めるけど、答え合わせをしたくて、途中で放り出せない。
    でも主人公が女装に目覚めたのって、結局は元母親が「女の子だったら」、そんな風なこと言ったせいじゃないかな。何気ない一言が影響を及ぼしたりするよね。なにより家出て行って、それ以来の母親なら尚更。
    元母親はなんていうか、不器用な人間なんだろうな。友達も少ないみたいなこと書いてあったし。わかったあとに、少しメールを読み返してみると、いつも見守っているとか、許してくれるだろうとか、ああなるほどねってなる。
    それにしても、アンジュ(安樹)だなんて、かなりのキラキラネームだ。

  • 主人公の代名詞が君で統一されている二人称小説。読んだ時の奇妙な感覚が狙いなのだろうけど僕には合わなかった。

  • 辻さんの中性化願望とダブってしまった。
    第三のジェンダー、言葉にすると新しく感じるけど、かえって難しくしてるように感じる。光一くんのこれからが気になる。

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著者プロフィール

辻 仁成(つじ ひとなり/つじ じんせい)
1959年生まれ、東京都出身。ミュージシャン、映画監督、小説家。1985年にロックバンドの「ECHOES(エコーズ)」ボーカリストとして活躍。2003年に渡仏し、拠点をフランスに置いて創作活動を続けている。
1989年『ピアニシモ』で第13回すばる文学賞を受賞し作家デビュー。1997年『海峡の光』で第116回芥川賞を受賞。1999年、『白仏』のフランス語翻訳版で、フランス五大文学賞の一つフェミナ賞の外国小説賞を日本人として初めて受賞。
ほかの代表作として、映画化された『冷静と情熱のあいだ Blu』『サヨナライツカ』をはじめ、『右岸』『ダリア』『父 Mon Pere』など。

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