漁港の肉子ちゃん (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344421844

作品紹介・あらすじ

男にだまされた母・肉子ちゃんと一緒に、流れ着いた北の町。肉子ちゃんは漁港の焼肉屋で働いている。太っていて不細工で、明るい-キクりんは、そんなお母さんが最近少し恥ずかしい。ちゃんとした大人なんて一人もいない。それでもみんな生きている。港町に生きる肉子ちゃん母娘と人々の息づかいを活き活きと描き、そっと勇気をくれる傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 最初は【読みやすいけど…なんか読み進まないな…】
    と思っていましたが

    凄い 大事な内容でした
    明石家さんまさんが、映画化したいのも分かりました
    【生きてるだけで丸儲け】の作品でした

    人間と言うものの、美しさ、汚さ、強さ、脆さ…それでも生きてくとは何か…

    でも全てにルールも正解もなく
    まず【生きてりゃ良い】

    そして女房にも あらためて感謝してしまう
    そんな お話でした

    肉子ちゃん風に感想を言うのなら…

    女性には感謝しないとね!!
    【女心】にフタをして!
    【安心】って字になるんやから!!!

  • 人に勧められた本。
    個人的には初読の西加奈子さんです。
    中身はとても読みやすいもので真っ直ぐ楽しめる内容でした。
    視点の変化が少なく、登場人物もかなり限られているので本の内容はとても理解しやすいと思います。
    この本は、肉子ちゃんの生き方にどれだけ共感というか羨望するかで感想が変わる気がします。
    自分はひねくれまくっているわけですが、それはそれで楽しく生きているので、あくまでこういう生き方の人もいるよな〜としか思えませんでした。

    この感想ひねくれてるなあ。

  • 人と人の繋がりがとても温かく感じられる話でした。
    生まれてきた境遇を決して悲観せずに、今を生きる・生きていくんだという気持ちの持ちようとでも言いましょうか、人間の強さについて考えさせられました。皆さんの評価の高さも納得です。

  • 「肉子ちゃん」という名前のつけ方とか、あの男の子たち、嵐やん、とか名前に関して思うところはあったものの。

    最初は、肉子ちゃんと、漁港の愉快な仲間たち、のような感じで始まり、しばらくそれが続くものだから、あの怒涛のラストには、いい意味で、とてもいい意味で、引いた。ラストの70ページに、全てが詰まってる。

    とても敏感で、繊細なキクりん。自分と重ねて、読んだ。当たり前のように、空気を読み、生きていくということ。
    自分では楽な方、と思っている選択でも、それはちっとも楽な方ではないということに、本人が一番気づかない。いや、こういう生き方をしていると、我慢しまくっていて、自分の気持ちなんてものはずーっと封印されたままで、だから、本当は、自分のその選択が楽な方でないことになんて、気づけないのだ。
    攻撃される方が楽。確かにそうかもしれない。でも、そもそも攻撃される時点で被害者なのであって、ちっとも楽ではないわけで。それなのに、人の顔色を見て生きていると、そういう生き方を身につけてしまう。その生き方が楽だと、思いこんでしまう。なんという残酷な支配。マインドコントロール。

    キクりんの周りに、サッサンのような人がいてくれたこと、キクりんが肉子ちゃんに大切に育てられたこと、二宮がキクりんの話を聴いてくれたことは、とても尊い。キクりんの力だ。そして、生まれてきてよかったんだ、生きていていいんだと、キクりんが今、知ったことで、これから先、強く生きてゆけると思った。
    最後のサッサンの言葉と、キクりんの告白と、肉子ちゃんの涙に、わたしも涙した。

  • H29.7.19 読了。

    ・肉子ちゃんと港町の人々の息遣いを活き活きとしたまま閉じ込めた物語であるとともに、ありのままでいたいとという気持ちと、それに抗おうとする自意識を同時に抱えたキクりんが、様々な出来事を通じて成長していく話である。
    ・天真爛漫な肉子ちゃんのファンになっちゃいました。
    ・まさに一気読み、そして後半は大号泣な展開でしたが、読後は心温まりました。
    ・「キリコについて」に続いて西加奈子さんの作品2冊目でしたが、ますます西加奈子さんの作品が好きになりました。

    ・この話のモデルになられた宮城県女川町の焼肉屋さんのおかみさんのご冥福をお祈りします。

  • 親戚に大阪のおばちゃんがいてるけど独特な喧しさあるよね。

    多分肉子ちゃんの大きな声で言いたいことを気にせず話す感じはそんな感じなんだろうなぁ。

    肉子ちゃんが働いている焼肉屋が近くに合ったら通ってしまうな。

  • 普通に人生でない肉子ちゃんが

    普通が一番ええのんやでっ!

    子供には、罪はないからな!と言う

    その大きな愛にほろっときます



    一生懸命 その人なりに生きる

    それが一番やで

    ある意味背負える人間が

    重いものを背負ってしまうけど

    それでも ええんちゃうか



    ややご都合主義かもしれませんが

    さんまさんが 好きそうな話やわ

    関西人が ほろりときそうな話やわ

    私も勿論 ええ話やなぁ ってなりましたわ

    • kuma0504さん
      こんにちは、musamikaさん、
      この前映画で見たわ。良かったわぁ。
      子供から見た「世界」はこんなんやな、と思うわ。
      もういつ地震が起こる...
      こんにちは、musamikaさん、
      この前映画で見たわ。良かったわぁ。
      子供から見た「世界」はこんなんやな、と思うわ。
      もういつ地震が起こるんか、ドキドキしながら見とったけど、そんな話や無かったんやな。
      何処かの下手な俳優の娘がキクコやっとだけど良かったで。肉子ちゃんは言うまでもなしや。
      2021/06/25
    • musamikaさん
      こんにちは
      コメントありがとうございます。
      キクコちゃんがCocomiちゃんですか・・・
      うーん(笑 と思ってしまいましたが
      合って...
      こんにちは
      コメントありがとうございます。
      キクコちゃんがCocomiちゃんですか・・・
      うーん(笑 と思ってしまいましたが
      合ってたみたいでよかったです!
      映画の出来栄えも良かったんですね
      ほっとしましたww
      2021/06/28
  • 独特の価値観と持ち前の明るさを持った肉子ちゃん。
    壮絶な人生を歩んできていると、はたから見ても思う。
    家族に愛されていない、と感じたとしてもやっぱり家族。
    そして食堂の仲間たちも家族。
    こういうのを群像劇というのかどうか、それはわからない。
    読後感は悪くないけれど、改めて思い起こすとやっぱり壮絶。
    モデル(モデルさん)も存在していて、あとがき3連発で明かされていきます。
    「めっちゃ海やなぁっ!」(あとがきより) ここで納得したような納得させられたような、なんか不思議なほんです。

  • 西加奈子(1977~)
    2004年にデビューし、『サラバ!』(2014年)で直木賞。
    本作は2011年に発売され、2021年にはアニメ映画化されている。

    いちばん引き込まれたのは、あとがき。
    2011年、北国、漁港と聞いて思うところはあったけれど、拉致事件を匂わせる描写が散見されたので舞台は日本海側かと思ったら、取材旅行先は宮城県女川だったとのこと。

    娘が親を「肉子ちゃん」呼ばわりすることが、受け入れがたかった。
    また肉子ちゃんが内でも外でも菩薩すぎて、現実味がなかった。
    内面描写がまったくないので、血のかよった人間に思えず。
    娘の青春小説と捉えるなら、許容範囲内ではあるが。
    ラストの妊娠出産の回想なども含めて、こんなにガッツリ 母娘の物語が読めるとは思ってもいなかった。
    期待していなかったぶん、満足。

    そしてアニメ映画がすごくよかった。
    作画が神だった。
    Cocomi ちゃんの声も可愛らしかった。

  • 小気味よい出だしから一気に引き込まれる。ニヤニヤしながら読んでいる自分がいる。人間関係の葛藤、なさそうでありそうな不思議、愛すべきキャラたち、そして家族の絆...。読み終えた後は心がほっこりする、そんなお話。カンコちゃんの「皆殺しの日ぃー!」がツボでした。

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著者プロフィール

1977年イラン・テヘラン生まれ。2004年『あおい』で、デビュー。07年『通天閣』で「織田作之助賞」、13年『ふくわらい』で「河合隼雄賞」を、15年『サラバ!』で「直木賞」を受賞した。その他著書に、『さくら』『漁港の肉子ちゃん』『舞台』『まく子』『i』などがある。23年に刊行した初のノンフィクション『くもをさがす』が話題となった。

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