- Amazon.co.jp ・本 (477ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344422025
作品紹介・あらすじ
権謀術数が渦巻く出世争い。欲望、嫉妬、裏切りが引き起こす情報操作-メガバンクが生み出した「合併」の弊害に悩まされる広報部員・裕也のもとに、写真週刊誌が頭取のスキャンダルを入手したいという情報が入る。事実確認に追われる彼が掴んだ驚愕の真相とは?密告者の狙いとは?銀行を知り尽くした著者だからこそ物し得た超リアル企業小説。
感想・レビュー・書評
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2021.6.17-417
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普通の銀行作品である、とくにワクワク感は起こらなかった。スーと読み流した。
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過去最高益を出した会社なのに、銀行の貸し渋りにあい倒産してしまった。その会社の社長の美人の妹が銀行に逆襲を誓うが、頭取のスキャンダルでしか追い詰めることは出来ないと悟り、自ら身体を投げ出す。その妹は主人公の元恋人で今でも忘れられない人であった。また、バブル期のつけの合併の弊害は今でも残っていそうなのがわかる物語である。
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銀行小説。池井戸潤氏と同様、銀行マン出身の作者だけあってリアルに銀行の内情を描いているのだろう。
どこの企業でも不祥事、コンプラ違反の事案ていうのは大なり小なりあるのだろう。その中で、それを正す良識人がいるかどうかによってその企業が泥沼にはまり込むか、それをきっかけにより浮上するかの分かれ道に立たされるのかもしれない。
企業は人なり。この小説でもその良識ある若手行員を中心に物語が展開していく。
実際のみずほファイナンシャルグループの3行統合後のドタバタを題材に現実に即した形で描かれている。
ミズナミファイナンシャルグループがみずほファイナンシャルグループ、ミズナミホールセールバンクがみずほコーポレート銀行、ミズナミリテールバンクがみずほ銀行。(そのまんまやん)
文庫本の表紙の建物もみずほの本店じゃないかな?
しかも、みずほコーポレート銀行の初代頭取の路上キスの話も題材になっている。
銀行というか企業の内部の権力闘争としての派閥争いなど、嫌な部分が描かれていてちょっと気分が悪くなるが、特に金を扱う銀行ってこういう世界なんだろうなと妙に納得した小説。江上氏の作品はこれで2冊目。多作な作家なので他の作品も読んでみようかと思う。
私が社会人になったときは、都市銀行と呼ばれていたのは13行。
第一勧業銀行
富士銀行
三菱銀行
三和銀行
東海銀行
東京銀行
三井銀行
太陽神戸銀行
住友銀行
大和銀行
協和銀行
埼玉銀行
北海道拓殖銀行
破綻してなくなった銀行もあるが合併統合を繰り返して、今や4行。
これを見るだけでも月日が経つのが早いと感じてしまう。
それにしても銀行に対してはいいイメージを持っていないなあ。銀行ってろくなところじゃないと金のない私は思ってしまう。(^-^*) -
メガバンクが生み出した「合併」の弊害に悩まされる広報部員を、前代未聞の頭取のスキャンダルが襲う。それを機に泥沼化する派閥抗争の果てに彼が見たものは…。欲望、嫉妬、裏切りが渦巻く企業小説。
三行合併のみずほ銀行がモデル。作者もかつて第一勧銀の広報部次長だった。現実にみずほの頭取が起こしたスキャンダルが描かれているが、企業小説にありがちな描写の薄さで魅力の乏しい作品だった。
(D) -
おもしろいです。
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江上さんの本には、よく美女が登場する。
そして、ちょっと色っぽい展開になりがちな印象。
本作も、またそのパターンか、と読むのをよそうかと思ったが、なんとか読了。
正義感なのか、出世欲なのか、性欲なのか、恋愛なのか。
どこに本質があるのか分からないが、物語は進む。
失礼ながら、江上氏も実体験として、最後は不本意に終わられたであろう第一勧銀での会社人生。
その原因の一つでもあるのであろう、合併した銀行の、辞めた後も全く変わらぬ体質を浮き彫りにすべく、欲望渦巻くわけのわからぬ銀行の内情を、そのままわけのわからぬように書いたと思うと、なかなか味わい深い。
が、成仏して、もっと心洗われるような物語を編んでいただきたいもの。
「下町ロケット」を読み返したくなりました。 -
最後の展開がいまいち盛り上がりに欠ける。
もうちょっと頭取たちの醜い争いを見せてほしかった。
著者プロフィール
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