- Amazon.co.jp ・本 (374ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344422285
作品紹介・あらすじ
二人の子持ちの杏子は、疲れてるママ向けにマッサージと家事代行をする会社を起業した。従業員はお年寄り限定。夫の無理解、姑との確執、アルコール依存など、顧客のママ達にはいろんな悩みがあって、いちいち首を突っ込む老人達に杏子は右往左往。けれど、夫の浮気疑惑、息子の不登校など、自分の家庭にこそ問題が…!?元気が出る長編小説。
感想・レビュー・書評
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お年寄りをなめちゃいけない
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子育て、家事、自分のことで大変なのに、ママ支援の会社を立ち上げる杏子はすごいと思う。
でも、家庭以外にも居場所があるのはいいことだ。ずっと家にこもって、子どもの相手だけをするのは、幸せなことだけれど、しんどくもなる。
最後は従業員であるおじいちゃんおばあちゃん、そして顧客のママたちの底力を見た。
ご近所付き合いは面倒なこともあるけど、やっぱり子どもを見守る目は多いほうがいいし、もっと「助けてほしい」と声に出していいんだと思えた。 -
五十嵐貴久って リカのイメージが強すぎてホラーのイメージしかなかったけど こんなハートフルな話も書けるんだねー。さすがプロ 笑。
最終章では ホロっと泣けた。気がついたら 涙が出てたって感じだった。適用間違ってるかもしれないけど まさに 情けは人のためならず と。
少子高齢化 共働きがフツーなりつつある現在 元気な高齢者には どんどん社会進出して いろんな役割を担ってもらえたらと思うけれど 現実問題としては難しいのか なかなかそういう方向には進んでいかないね。
がんばれば がんばるほど 息苦しくなりがちなのは 家庭も仕事も人間関係も同じだなぁ。頑張りすぎず 自然体というのが 1番難しい。 -
あぁ、育児、家事に追われるママの気持ちをここまで代弁してくれる小説は初めてかもしれない。
私も正社員で働きながら、育児家事を続けてきた。
もう子供に手はかからないが、子育て時期はノイローゼになりそうなほど悩んだ時期もあった。
テレビのニュースで幼児や乳児の虐待を、育児もしたことない奴等が、信じられない!?という顔して報じているが、どの母親だって紙一重なのだと思う。
そのくらい育児というのは大変なことなのだ。
この作者さんは、母親の訴えを上手に代弁してくれている。
主人公の杏子さんの行動に納得できないところも少々あるけど。。。
色々なアクシデントが起こるが、最後はじんわり心温まるそんなほっこりした小説。 -
専業主婦の杏子が起業した、疲れているママ向けの家事代行兼マッサージ業。ただし従業員はお年寄りだけ。孤独なママのトラブルを老人たちが無理矢理解決する痛快長編小説。
これぞ現代の隙間産業。ありそうで現実には商売としては難しそうだが、今を生きる老若男女の悩みはとてもリアルだ。特に登場する老人たちの主張は、これからの高齢化社会に向けて行政側が一考する必要があると思われる。 -
専業主婦が老人とチームを組んで子育てママのサポートをする会社を興す話。
老人には老人の今があり、過去もある。まだまだ人生が終わったわけじゃなく、普段は表に出さないものの、ここという時には活動的になるし、立ち上がることもある。当たり前の事実を敢えて綴った作品は自分の読書歴にはなく新鮮でした。
最後は格好良さに痺れました。 -
二人の子持ちの主婦がママのためのマッサージと家事代行の会社を立ち上げて色々な問題に直面したりするお話。軽めでさくさくっと読めました。
会社を立ち上げる経緯、小さい子のいるママが当たり前に求められることに応えるのがどれだけ大変か、そこはよくわかって共感できた。従業員をお年寄りにするっていう発想も面白くなるほどと思わせる。
しかーし、自分の子どもをほったらかしにし過ぎでしょう。
小5と小2だよ。仕事が立て込んだとしても8時半までほっとくとかありえないよ。そこはだんなさんの言う通りでしょう。お兄ちゃんの問題にももっと早く気づくことができたんじゃないかな。
そして最後の展開が急すぎるし、いきなりだんなさんが理解を示すのも不自然だし、町中の老人たちがあんな風に行動を起こすのも現実的でないというか。まぁ、フィクションだからいいのかもしれないけど、ちょっと都合よくまとめすぎた気がします。 -
育児ママのために、老人たちが従業員の訪問家事&マッサージ会社を夫に知られずにやっている主婦のお話し
家事&マッサージの会社はまぁいいわ
アイデア次第だし、現実にあったら便利なんだろうなぁとは思う
育児に関しても、かなり現実的な描写
確かに忙しいよねぇ、主婦の方々って
理解のない夫とか姑さんがいたらなおさら
そして子供の脈絡のない泣き喚きとかね
虐待するかしないかは紙一重というのもまぁわかる
ただ、その紙はとても分厚く固くてそんなに破れないけどね
訪問した際の気づきから老人達が動くのもまぁやり過ぎと言えなくもないけど、フィクションなので理解はできる
ただ、終盤でのあの動員はもう無理
受け入れられません
現実を元にしたファンタジーです
ただ、この小説で何より衝撃を受けたのは、その後の小学校でのシーン
この場合は老人達だけど、実際に親から同じような事言われた事があるんだよね
子供のためだったら自分がどうなっても問題を解決するという意思は今になってようやく理解できるようになった
ま、あの時に僕の両親はホントにそんな覚悟があったかどうかは別として
もう、このシーンだけでやられてしまいました
完全に僕の心にスマッシュヒットです
う~ん、でも実際に僕の子が同じような目にあってたとして
同じような事を相手に言えるかどうかですねぇ
自分でははっきり言うべき時には言おうと思っているけど、実際に言えるかどうか
難しいところです
まぁでも、小説でもそうだったように、うちの両親もパフォーマンスだった可能性も多分にありますし
うん、実際にどうであれ、自分の子供にはそういった意気込みで子育てしようと再確認した小説でした -
子育て中のことを懐かしく?思い出しました。
本当、ちょっとした言葉、それで元気になれるのだけど、夫達は分かってくれないんですよね。
年齢を重ねたからこそ言える事、出来る事もある。
私もボランティアで行っている文庫のママさん達の
力になれたらと思いました。