屑の刃 重犯罪取材班・早乙女綾香 (幻冬舎文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344422537

作品紹介・あらすじ

中央区日本橋。男性の"損壊"遺体が発見された。腹部を切り裂かれ、煙草の吸い殻と空き缶が詰め込まれた死体の意味は?大手新聞社を辞めCS放送の報道記者として取材する早乙女綾香は、十年前の大阪での殺人事件との類似点に気づく。一方「山猫」と名乗る犯人から新聞社に"真相を書け"とメールが。屑に埋もれた真実を追う、緊迫の報道ミステリ。

感想・レビュー・書評

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  • 事件記者をメインとした報道ミステリー。
    上司と衝突し、大手の東陽新聞を退職し、CS放送のクライムチャンネルに転職した早乙女彩香。

    そして、日本橋で発見された男性の遺体。その腹部には、タバコの吸殻や空き缶など、ゴミ屑が詰め込まれていた。
    いったい誰がなぜ?
    似たような殺人事件が続く...

    そして、犯人『山猫』から、東陽新聞にスクープのメールが届く。なぜ、犯人は、東陽新聞だけにスクープを教えるのか?

    取材を続ける綾香たちの前に現れた真犯人とは?

    警察官ではなく、マスコミという立場から見た事件の真相は、また異なるかたちになる。単に、加害者を逮捕するだけでなく、いかに加害者に寄りそえるか?
    それが事件記者の矜恃なのかも知れません。

  • 日本橋で腹部を切り裂かれ、異物が詰め込まれた男性の死体が発見される。大手新聞記者からCS放送の報道記者に転職したての早乙女綾香が前職での経験を活かし取材を進めていくと10年前の大阪の事件との類似性に気付く。一方「山猫」と名乗る犯人が綾香の前職場の新聞社に真相を載せろとメールを送ってくる…。綾香が前職との違いに戸惑いながらもなるべく自分の信念に従って取材を進めていく姿が熱い。報道目線で真相にたどり着くのが報道の問題点も上手く絡み合っていて面白い。展開がややご都合主義かな?でも意外な犯人とその行動の理由がしっかり描かれるのは流石。

  • 中央区日本橋。男性の“損壊”遺体が発見された。腹部を切り裂かれ、煙草の吸い殻と空き缶が詰め込まれた死体の意味は?大手新聞社を辞めCS放送の報道記者として取材する早乙女綾香は、十年前の大阪での殺人事件との類似点に気づく。一方「山猫」と名乗る犯人から新聞社に“真相を書け”とメールが。屑に埋もれた真実を追う、緊迫の報道ミステリ。

  • 中央区日本橋。男性の〝損壊〞遺体が発見された。腹部を切り裂かれ、煙草の吸い殻と空き缶が詰め込まれた死体の意味は? 大手新聞社を辞めCS放送の報道記者として取材する早乙女綾香は、十年前の大阪での殺人事件との類似点に気づく。一方「山猫」と名乗る犯人から新聞社に〝真相を書け〞とメールが。屑に埋もれた真実を追う、緊迫の報道ミステリ。

  • マスコミがここまで事件に介入しちゃうと興ざめ。ただ現実でもマスコミが主体になって事件を解明したこともあるし(桶川ストーカー殺人とか)、現実離れしているとまでは言わないけれど、ちょっとやりすぎ感があるかな。素直に警察モノじゃだめだったのかな? それだとまたありきたりすぎるのかしら?

  • 山猫と名乗る犯人による連続猟奇殺人事件を追うCS放送の報道記者・早乙女綾香は、山猫による殺人の手口が十年前の殺人事件と類似している事に気付く…

    主人公がCS放送の女性報道記者と異色の設定であり、ミステリーとしても読み応えのある作品だった。主人公が同僚とともに少しづつ事件の真相に迫る過程はスリリングである。

    恐らく、殺人分析班シリーズ同様、シリーズ化されるのではないかな。

  • 「石の繭」のシリーズと間違えて読んでしまった。

  • 今回はやる気満々の報道記者(ケーブルテレビ)
    乙女を武器にアザとく強かに取材をします
    一本筋が通っているから周囲も段々と味方に
    なっていくんだろうな~

  • 「殺人分析班」シリーズと比べると、ちょっと物足りなさを感じた。CSの報道番組がここまでやるかな?という現実感のなさもある。

    作者の描く主人公の女性って、背が低いとか、困り顔とか、捜査に関係ない特徴をいつも並べるんだけど、この作者の好みなの?子どもっぽい女性が事件を解決するっていうギャップを狙ってるのかな。同じ女性としてはどうでもいい。いつもここに違和感。

  • 大手の新聞社記者からCS放送記者に転職した女性主人公。彼女の猪突猛進な正義感ぶりにちょっと空回り感を感じたところもないわけではなかったが、素直にその頑張りを応援したくなる愛嬌さがあって、同性の私からでも好感の持てるキャラに仕上がっていたと思う。「殺人分析班」シリーズの塔子さんといい、著者の描かれる女性主人公は嫌みのない可愛さがあって好き。また、周りを固める脇キャラも、曲者揃いだけど主人公を上手くサポートしていて、シリーズものとして、彼らの活躍を今後も読みたくなった。ただ、捜査権のないマスコミがいろいろと取材するにあたり、大小の差はあれどある程度の強引な手法を取らざるを得ないのは仕方ないと思いつつも、主人公を含めてそういった行動がされる場面を読むのはあまりいい気持ちもしないし、苦手だなと思った。報道ミステリものはどうしてもそういうモヤモヤを私は感じてしまう。

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著者プロフィール

1965年千葉県生まれ。2006年『ヴェサリウスの柩』で第16回鮎川哲也賞を受賞してデビュー。『石の繭』から始まる「警視庁殺人分析班」シリーズで人気を集める。その他著書に「警視庁文書捜査官」シリーズ、「特捜7」シリーズ、「重犯罪取材班・早乙女綾香」シリーズ、『深紅の断片 警防課救命チーム』『共犯レクイエム 公安外事五課』『骸の鍵』『擬態の殻 刑事・一條聡士』などがある。

「2023年 『琥珀の闇 警視庁文書捜査官』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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