天帝のみぎわなる鳳翔 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (792ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344422858

作品紹介・あらすじ

戦後悲願の航空母艦・駿河率いる第二艦隊は、非戦派内閣の思惑で台湾親善訪問に出発した。折しも勃発した満州戦争から遠ざけておくためだ。だが開戦と戦後利権を狙う海軍強硬派の陰謀は、昼餐会での高官暗殺、イージス艦金剛・潜水艦春潮の無力化に発展し…そして本格ミステリ史上初の三千人殺し!!軍楽少佐と軍楽隊は絶望的な特命調査を続けるが…。

感想・レビュー・書評

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  • 天帝シリーズ4作目。
    講談社版、絶版になったらしい。新しい本はすぐ出るけど、すぐいなくなるね。そして値段は上がってるね。出版界の諸事情は知らないけど、一回読んでもう読まない本を買いたくないよw 図書館あるしね。
    空母。高校生なのに少佐となって乗り込むまほろ。あじあ号で華頂宮殿下とお知り合いになったから。一期一会。
    3000人殺し。って。そりゃ国家間の謀略ですものね。ほぼ戦争だしw
    青酸カリ殺人。あいかわらずの推理合戦。あいかわらずの由香里。まりの方がウワテ。
    よりましってなんだろう・・・・傀儡か!人形かか!

  • ――

     扉は開かれているのに。
     それを潜るために必要なのは勇気だけ?
     勇気を騙る狂気でございます、ってやつだ。



     自転車通勤が結構快適なんですが、難点は本が読めないというところ。
     Audibleとか試してみようかなー? しかしイヤホンして運転もなぁ…一応交通法規を遵守しますって念書書いてるしなぁ…はふう。
     その分家で読む時間増えた気がするので、ついつい分厚いの読み直したりしちゃうのです。

     『天帝』シリーズの中でも特に気に入っているのがこの『鳳翔』。裏表紙の謳い文句に「本格ミステリ史上初の三千人殺し!!」なる文字が踊っているからでは決してない。そりゃ史上初だろうし、きっとここで打ち止めでしょうよ。いや或いは国ひとつくらい本格の焔で焼くのかもしれんそのうち。そのうち。楽しみだなー!
     全くイロモノ扱いされている(と思う)このシリーズだけれど、結構完成されたエンタメ作品として楽しんでいますわたしは。新本格として、ミステリとしては云うまでもなく、過剰の域へ平気で踏み外しているキャラメイクも、各タイトル毎に凝りに凝った舞台設定も、多分このひとじゃないと成立させられないものを書いている。そういのが好き。
     何よりもその言葉遣い、多分嫌われる要因でもあるところの独特の言葉遣いと、それを可能にしている膨大な知識と、そしてそれらが惜しげもなく無駄遣いされているところが抜群に良い(そしてそういう無駄遣いの中にひっそりこっそりと本筋のキーが忍んでいたりするのがまた、×むかつく→○たまらん)。


     けれど本当に痺れるのは、それほどの言葉と理論とを自在に操りながら、そのもどかしさを描き出しているところ。ありとあらゆる言語を駆使して、日本語の輝きを見せ付けているところ。
     ことばはここまでできる、と。
     どこまでなにを出来ていても、一瞬の暴力で失われ、奪われる、と。
     それでも、奪われたことすら糧にして、ことばはその先を繋ぐことができる、と。
     その連なりも幻想でしかない、と。
     幻想さえ、ことば無しには成立し得ないのだ、と。
     それで救われる魂もあるのだ、と。
     喪われたあとの救済に意味はあるのか、と。
     だとしても、救うのも救われるのもことばなのだ、と。

     これだけのことを、ことばにする覚悟と、痛みよ。


     ☆4.6

  • 再読。天帝シリーズ第四弾。今回は航空母艦が殺戮の舞台という中々に見ないであろう本格推理小説。まほろは今作でもまたもや女とイチャイチャするわけだが、それについての悲喜交々はあの黒幕にも一理ぐらいはあるかなぁと私なんかは思ってしまうのだが、それこそヒトとヒトがわかり合いたいと思う欲求からくるものではないだろうか。最後に展開された死者たちの最期の灯のワンシーンは、黒幕がなんと言おうとやはりただのヒトでしかない私の涙を誘うものだった。

  • 180302どくりょう
    今年12冊目今月1冊目。

  • 勁草館高校、豪華列車、孤島に続いて舞台となるのは帝国海軍の空母「駿河」というスケールの大きさ。
    そしてなんと、お馴染みの顔は出てくるものの、今回は勁草館高校の仲間たちと離れ、まほろが海軍少佐!?として登場するという出だしから、まずは驚かされました。
    いつになく重厚な雰囲気と、いつもどおりのおちゃらけた雰囲気が同居しつつ、事件は続けざまに容赦なく起こります。
    しかも今回は死者数の規模もケタ違い。
    800ページ近い大作にもかかわらず、途中、福井晴敏さん的海戦戦闘シーンも絡めながら、そして相変わらず「虚無への供物」的な推理合戦も繰り広げながら、ぐいぐいと読まされてしまいました。
    賛否は真っ二つに別れるとは思いますが、このシリーズ、本格ミステリー、伝奇SF、青春ものなどいくつものジャンルが混ざり合い、そのいずれかが好きなあらゆる人にお勧めしたいです。
    その際は、ぜひ一作目の「天帝のはしたなき果実」から順番にお読みになられますよう…

  • 艦隊×ミステリ×毒殺×まほろ。
    まほろらしい作品。相変わらずのまほろっぷり。本筋の内容は良いのだけど、政治的主張や小ネタがあわなくて少しつらい。

  • 12/20/2014 読了。

    まほろー。
    今回はケイソウカンのメンバーはあまり出てこない…。
    修野嬢とか柏木君とか好きなのに…。

    でも、あの方が戻ってくるし、
    金之助と美沙さんも登場するし、
    シリーズ感あったなぁ…。

    ノベルズの時の天帝シリーズは今回までで
    次からは単行本の分が文庫になっていくわけで
    次巻はいつ出るかなぁ…。

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著者プロフィール

東京大学卒。リヨン第三大学法学部第三段階専攻修士課程修了。元警察官僚。2007年『天帝のはしたなき果実』でデビュー。以後続く「天帝シリーズ」は、高校生、大学生を中心に熱狂的なファンを獲得。他著作に『絶海ジェイル』『背徳のぐるりよざ』『その孤島の名は、虚』など。

「2022年 『老警』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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