けむたい後輩 (幻冬舎文庫)

著者 : 柚木麻子
  • 幻冬舎 (2014年12月4日発売)
3.70
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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344422889

作品紹介

タイトルに現れているけむたい後輩である真実子とあこがれの先輩である栞子との大学生活をお互いの視点で描いた作品です。自信家である栞子がなぜ苛立ちと共に後輩である真実子を意識するようになっていくのか、真実子は先輩栞子の我が儘な性格に翻弄されながらやがて自分の道を探り成長します。両極端な性格の二人の女子大生が織りなす物語の中で読者はどちらに共感することになるのでしょうか。

けむたい後輩 (幻冬舎文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 自らの手でつかみ取らなかったものなんて、いずれ意味も価値も失うに決まっているのに。

  • 最後の真美子の一言!
    背筋が凍りますわ…ホラーや…

    栞子にむちゃくちゃイライラしながら、
    でもその気持ち分からんでもない自分にモヤモヤ…
    柚木さんは人が普段隠している嫌な気持ちを引き出す天才だな~
    普通はみんなそういう気持ちを押し込めて生きている過程で、自分の器みたいなものがぼやっと見えてきて現実と折り合いがつくもんだけど、そうならない栞子は逆にすごいなw

    「けむたい後輩」というタイトルもお見事。

  • 柚木麻子さんの、比較的初期の作品が文庫化されました。待ってましたー。
    しかし、この女、女、女しかいない閉塞感。柚木さん独特ですな。そして、三者三様に問題を抱える女たち。
    大した能力も才能もないのに、私はあんたたちとは違うのよ!とばかりに、悪ぶったり、男の尻ばかり追いかけているナルシストな栞子。
    栞子の上っ面だけの見栄っ張りと演出的な退廃性に、すっかり夢中になるロマンチストな真美子。
    自らの進む道に迷わずに突き進むけど、自分に釣り合う相手がいないと男を見下すリアリストの美里。
    正直どの子にも腹が立ちます。イライラさせられる。でも、それってどの子にも自分の中に思い当たる節があるからだと思うんですよね。いわゆる同族嫌悪ってやつ。
    私には栞子みたいな見栄っ張りなとこもあるし(そして、そこが一番自分の短所だと思ってる泣。最近少しずつ改善傾向にあり)、思い込んだら突き進んで周りの話を聞かないストイックな…猪突猛進(盲進)な真美子みたいなとこもある。
    唯一すごいなぁと思えるのは、美里かもしれないなぁ。この中で、一番たぶん、実は恵まれてないんですよ。ただただ努力でのし上がってるイメージ。
    綺麗であることは彼女の武器だけど、それだって大変な努力をしてると思うんだよね。そして、それが決して男のためじゃないのが、最高にかっこいいんですよ。
    目的のために、かりかり勉強して、凡人的な秀才ですよね。真美子みたいに、天才肌じゃない。だから、時に折れたりもする。そして、そんな弱さも彼女の魅力なのです。それを男の人の前でも出せるようになれば、いい人が捕まると思うのだけどね。
    だいたい、私から見ると若い女の子たちは、男に本音を語らなすぎなのです。もっと甘えたりしていいのです。それは、幾らか年を重ねたり、経験がないと、できないことだったりするのですが。まぁ、これは閑話休題。
    私も栞子みたいに生きたいなぁ。もうそんな年じゃないし、別にアナウンサーになりたいわけでもないけど、人間性としては、一番好感が持てます。正しく"生き方"が好きなのです。
    努力をする、というのは、きっと人間が一番人間らしい行動なんだと思うんです。目的も大事ですが、何かのために走り続けることそれ自体が、生きることに彩りを与えるのだと思う。
    そして、挑むことから逃げないで生きていくことは、最高にかっこいいのです。だから、最後の真美子はあんなにかっこいいのですね。真美子に美里がいたこと、美里に真美子がいたこと。それは本当に二人にとって幸福なことでした。
    反面、栞子は、…もう本当にどーしよーもないですね。跳ねっ返りのクソガキって言葉がぴったりです。
    彼女はきっと一生このままでしょう。逃げ続けてることに、何となく気づいてるけど、そんな自分すら正当化して、また逃げ続けるのでしょう。
    こういう生き方が、どんなに格好悪いか分かっただけで、読んだ甲斐があった気がしますよ。人の振りみて、わが振り直せじゃないけども、自分はどう生きてるか、考えさせられました。私も目的を持って生きよう。そうしよう。

  • ザ女子校!

  • 14歳で詩集を出版したアウトロー的なカリスマ、栞子。
    彼女に憧れて同じ大学に入ってきた後輩、真実子。

    カリスマといっても見た目だけで、発表した本もコネによるもの。「私っていっつもこうなの」と言いながら人が寄り付かない事を自慢げに話す割に寂しくて、自分を持ち上げてくれる人間がいないとやっていけない。

    栞子ってそんな薄っぺらい人間です。
    なのに、どんなに邪険にされようともしっぽふって付いて来て、本人の意思に関係なく多彩な才能を開花させる真実子。

    私はどちら側の人間だろうかと読みながら考えたんですが、どうあがいても栞子側の人間ですね。

    読んでいれば分かりますが、ラストに痛いしっぺ返しがあります。それがあまりに痛くて自分に置き換えて反省しました。

    「自分は特別」それは幻想だと。

  • 面白い!

    『嘆きの美女』もドロドロしながらスカッと終わっていったが、今作も読後感は不思議と良い。息つく間もなく読み終えたー!

    周囲と違う“雰囲気”を醸し出しながらも、男に依存し、良く見られたいという願望を捨てきれない栞子先輩。
    そんな栞子を崇拝し、特別なものとして守ることを誓う後輩の真実子。

    真実子の持ち得る才能が、やがて栞子を追い詰めてゆくストーリー。

    真実子という女が、読めない。
    無邪気な後輩でいながら、常に栞子を守るというスタンスは、決して愛らしい少女の資質ではない。

    なんだか、栞子を責められない最後が良いな、と思えた。

  • やっぱそうなってしまうか、人生そんな甘くないよね、人ってそんな自分のために動かないよね。一時的には自分の思い通りになっているようでもやはり人とのつながりって個人の努力?みたいなものいるよねー。って改めて思う物語。

    栞子のことは嫌いになりませんが、最後の結末にはちょっとスッキリした気がする。真美子のような存在って怖いけどね。

  • 柚木麻子の本はすぐ読んでしまう。栞子、こういう子いるよねー!という共感に悶絶したけれど、でも、わたしの中にも栞子的要素は確実にあり、同族嫌悪な感じかなと思う。こういうタイプに限って意外と母性アピールしたり、大した夢とかなかったりするんだよね。帯にもあった、ただ、認めて欲しいだけ。というキャッチコピー、真実子的存在の子がいてくれたらどんなことにも頑張れるし生きていけそうな気がするけど、いたらいたで自分の首を真綿でしめていくような感じにもなるから、結局1人で自分を褒めながら頑張るしかないんだな、という結論。

  • 胃がキリキリするような話だった。
    女子のプライドってほんとにこわい。

  • 14歳で作家デビューの文学少女 栞子、その1つ下の後輩で病弱な乙女 真実子、その同級生で寮の同室 美人で自分の確固たる夢に邁進する美里。
    名門女子大を舞台にした各種女の成長記。
    面白いのに終始イライラしつつ読み進めた。栞子の行動言動に腹が立ち 真実子の解釈に呆れ 美里の嫉妬心に共感した。自分と向き合えない人は駄目だ。
    身に沁みる。

    本屋さんで樋上公実子さんのカバーイラストに手を伸ばし柚木麻子の名に財布を開けた。好きな2人のダックに心が弾む。面白くないわけがない。
    面白かった。

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