- Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344423336
作品紹介・あらすじ
人間関係で重視すべきことは「反応をよくする」ということ。それを実践するだけで、仕事の幅がみるみる広がり、いいことが次々と舞い込んでくるようになる。「恐いくらい本性が出る手癖、足癖」「人と縁を切ることを恐れるな」「好かれようとするのはやめよ!」等々、実践すれば効果てきめんのルールが満載!
感想・レビュー・書評
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著者は元スッチー(死語)で、現在は「イメージコンサルタント」なる仕事をしているそうだ。企業向けの研修などで、「また会いたい」と思われる人になるための極意をレクチャーしている人なのだ。本書はその極意を、一般向けにブレイクダウンしてまとめたもの。すでに14万部売れたとか。
なぜこんな本を私が読んだかというと、初対面の人への印象を少しでもよくしたいから。
私たちライターが日々行なっている取材は、基本的に「一期一会」である。「取材のときに一度しか会わない人」が多いのだ。したがって、「第一印象は最悪だったけれど、何度も会ううちにいい人だと思えてきた」などという「関係の深化」がない。最初の印象が悪ければ、悪いままで終わりなのだ。
とはいえ、顔の造作や性格はいまさら変えようがないから、せめて少しでも第一印象をよくしたい。そのために役立てば、と思って本書に手を伸ばしたしだい。
全3部構成で、Part1が「『また会いたい』と思われる人の考え方のルール」、Part2が「~見た目のルール」で、Part3が「~行動のルール」という構成。
このうち、「~考え方のルール」はいわゆる「ポジティヴ・シンキング」のすすめで、ありふれた内容。
「~行動のルール」も、「品がある人のお金の使い方」などという見出しからわかるように、あの『女性の品格』をもう少し若向け・一般向けにしたような内容で、イマイチ。
ただ、Part2「『また会いたい』と思われる人の見た目のルール」は、たいへん参考になった。ここが本書の肝だと思う。
著者によれば、人の表情は自分が思っているよりもずっと相手に伝わりにくいという。
《知っておきたいのは、自分が感じる「笑顔」と、人が感じる「笑顔」のものさしは極めて違うという事実です。さらに、自分で思い込んでいる表情は、客観的に見てみると、意外と中途半端だということです。》
つまり、自分では笑顔でいるつもりでも、相手にはあいまいな薄笑いくらいにしか見えない場合がままあるということだ。
ゆえに、笑顔の素敵な人になるには、「自分が笑顔と思っている状態に、プラス30%の力を入れる」ことが必要なのだと著者はいう。
「プラス30%」と言われても加減がわからないが、そのための基準として、著者は「口角を5ミリほど上げ」て微笑むことをすすめる。「相手に『この人は笑顔だ』と認識してもらえるための最低数値が」が5ミリなのだ、と……。
これは、なかなか実践的で本質的なよいアドバイスだと思う。
もう一つ印象に残ったのは、よいアイコンタクトの極意を説いたくだり。
著者は、アイコンタクトは「信頼を深めること」が目的なのに、たんに「目を合わせればよい」と思っている人が多い、という。そして、よりよいアイコンタクトのためには、「会話がスタートして1分以内に、相手の目の素敵なところを2つ発見する」ことを心がけるとよい、という。そのことを通じて、ただ目を合わせるだけではなく、相手の目の動きを「観察」するのだ、と……。
なるほどなるほど。
コミュニケーションにおけるアイコンタクトの重要性を説く人は多くても、こんな形で「よいアイコンタクト」のコツを説く人はほかにいなかったように思う。
また、人と接するとき、「あごを正面より1~2センチ内側へ入れる」と「目力がアップ」する、というアドバイスも有益だった。
《あごが上に向いていると、反発心や威嚇を意味してしまいます。さらに、あごが内側へ入りすぎていると、消極的で暗い印象を与えてしまいます。あごの位置は、目力がアップする「正面から1~2センチあごを引く」程度をおすすめします。》
この「Part2」の部分だけでも、私には十分価値ある一冊だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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