あの女 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (429ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344423374

作品紹介・あらすじ

タワーマンションの最上階に暮らす売れっ子作家・珠美は人生の絶頂。一方、売れない作家桜子は安マンションで珠美を妬む日々。あの女さえいなければ-。ところが、珠美がマンションから転落。女たちの運命が逆転した…が、それは悲劇の始まりに過ぎなかった。次々現れる怪しい女、女、また女。女がいるところに平和なし。真梨ミステリの真骨頂!

感想・レビュー・書評

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  • タワーマンションの最上階に暮らす売れっ子作家・珠美は人生の絶頂。一方、売れない作家桜子は安マンションで珠美を妬む日々。あの女さえいなければ―。ところが、珠美がマンションから転落。女たちの運命が逆転した…が、それは悲劇の始まりに過ぎなかった。
    売れっ子作家珠実と売れない作家桜子の女性作家同士の「嫉妬」「怨み」「確執」「虚栄」を軸に、三芳珠実の転落事故の真相を描く、寝たきりになった珠実と売れっ子作家になった桜子の目線から交錯する物語は、思い込みや妄想や「阿部定」と偽り客をとっていた娼婦の田中加代など歪なキャラクターが絡み、どんな手段をとっても這い上がり有名になりたい作家の業を浮き彫りにします。珠実が自主映画を製作したり、売れっ子になるまでのヒリヒリするような焦燥感は、真梨幸子の体験を元にしていて、リアルです。

  • 真梨さんの本はいつも時間を忘れて読んでしまうが、この本はなかなか苦痛だった。
    ワクワク感がまったくなく、それでも犯人が誰かをしりたくて、頑張って最後まで読んだが、読み終えた感想は「やっと終わった‥ 」。
    面白い作品がたくさんあることを知っているからこその評価だが、ちょっと残念。

  • 2人の女性作家
    三芳珠美と根岸桜子
    いがみ合い
    珠美がマンションから転落して植物状態になる
    誰が突き落としたのかという謎は最後に解決する

    夢の話と現実がぐちゃぐちゃになって、今誰の目線で語られているのか見失いがちでしたけど、面白く読めました

    タイトルのあの女って誰のことでしょうね

  • いやミス作家だと聞き、はじめての真梨幸子。

    2人の女流作家とその周囲、自分を阿部定と偽ってちょんの間で働いていた田中加代という老婆、心理的瑕疵物件のタワーマンション。
    途切れ途切れに読んでしまって、奥村マキが誰だったか思い出せないまま全部読んでしまって、ごちゃごちゃな読後感になってしまった。。

    いい人が1人も出てこず、みんなどろっどろだった。阿部定気になるなあ、ノンフィクションの本があれば読みたい。

  • この部屋は本当にお勧めですよ。

    最上階の40階、4012号室。

    但し、心理的瑕疵物件でございます。

    つまり、心理的にイヤ~な感じがする物件です。

    埼玉県所沢

    女流作家

    阿部定

    植物人間

    殺人事件

    あの女

    最上階でこの間取り、この価格は掘り出し物、
    どういたしますか?

    どうしようかな~

  • あの女この女どの女……登場人物が増えてきた時点で嫌な予感がしたので、メモ取りながら読みました。おかげで何とか振り落とされずに最後まで読めました。複雑な人間模様が真梨作品の面白いところなんだけど、一生懸命追いかけないとすぐ誰が誰だかわからなくなってしまうのが難点。女流作家同士の嫉妬や確執…その毒が気持ちよくてまた一気読みでした。イヤミスって、中毒性ある。

  • 何層にも複雑に構成されたストーリー。
    裏のある・・・裏しかないような登場人物たち。
    タワーマンションの最上階にある部屋に係わった人々がたどる顛末。
    面白いのだけれど何かが足りない。
    圧倒的な毒があるわけでもなく、異常な緊張感があるわけでもない。
    幻想と現実の狭間をさまよう場面は面白かったけれど、逆にあの場面が読むテンポを狂わせてしまったようにも感じた。

  • 初めての真梨幸子。想像通り、女性ならではの生々しい表現が心地いい。ねっとりと絡みつくような情念と、汚さを正面から描ききる表現力。ストーリーはもちろん、その描写が読んでいてニヤリとする。

  • 真梨先生の作品はほとんど読んでいるが、今回は帯が強烈で思わず新品を購入。

    「見なくていいのにブログやインスタグラムを見てしまう。先に結婚されると傷つく。先に出産されると焦る。年賀状の住所で生活レベルを測る。お互い彼氏と歩いている時に偶然会ったら一瞬にして顔を見比べてしまう・・・・・。」

    うわぁ、強烈な文章だなぁと思った。


    話しのテンポも良いし、女流作家の嫉妬心の描写も軽快でぐいぐい引き込まれるのは流石。

    色々な小説を読んでいると、夢の話が多い作品は、何だ夢か。これも夢かと少々がっかりすることもある。

    結末は想定外の犯人が浮上して、しっかりミステリだなぁと思った。

    ミステリやっぱり好きだなぁ。
    こういう女性のドロドロ系の作品、好きだなぁ~(笑)

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著者プロフィール

1964年宮崎県生まれ。1987年多摩芸術学園映画科卒業。2005年『孤中症』で第32回メフィスト賞を受賞し、デビュー。2011年に文庫化された『殺人鬼フジコの衝動』がベストセラーとなり、”イヤミス”の急先鋒として話題に。2015年『人生相談。』が山本周五郎賞の候補となる。そのほかの著書に、『5人のジュンコ』『私が失敗した理由は』『カウントダウン』『一九六一東京ハウス』『シェア』など多数。

「2023年 『まりも日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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