あの女 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
3.13
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本棚登録 : 1363
感想 : 116
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  • Amazon.co.jp ・本 (429ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344423374

感想・レビュー・書評

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  • ミステリーを読んだのが初めてだったので最後まで読めるか心配でしたが面白すぎてすぐ読み終わってしまいました…
    「共感しすぎて怖い」という誘い文句に少し疑問を持ちながら読み始めましたが、この作品を表すにはこの表現しかないなと納得させられました。

  • さすが、めちゃくちゃおもろかった。

  • 面白かった………………!
    すごい。すごい。すごい。と一気に読み切った。
    作者はかなり性格が悪いんだと思う。嫉妬、恨み、憎悪、憤怒、、、描かれる人間のネガティブな心情の部分がこの作品の魅力だと思う。天才だと思う。
    ミステリーの話の展開、すっかり騙されてしまった。最後に全てが分かったときの高揚感、手で口を覆い隠したくなるようなゾクゾク感、読んでいて本当に楽しかった。

    以下、自分語りを含む感想。
    どうやら私はこの本を平成27年に購入しているようで、読まずに所謂〝積読〟していた。久しぶりに実家に帰ってきて何となく手に取ってみたのだが、こんな素晴らしい作品を約7年も読まずに放置していたのかと思うと情けない。
    いや、7年前にこの作品を読んでも良さが分からなかったかもしれない。
    この作品で描かれる作家という職業とは異なるが、今の私は誰かに対して嫉妬に狂うことがある。あの女、と思うことがある。登場人物それぞれのネガティブな感情全てに共感し、安心する。
    私は自分の性格の悪さに嫌気がさしている。こんなに嫉妬して、人を妬んで、どうしたいんだろうと。私だけがずっとこの「痛み」を抱えて生きていかないといけないのかと悲観するときもある。でも今はこんなに自分に寄り添ってくれる作品があるのかと、勝手な意見だがとても嬉しく、感動している。

    私がもしも有名になったら、この作品を色んな人に紹介したい。世の自分だけがこんなに憎悪を持って生きているのではないかと不安に思っている人達に教えてあげたい。偉そうな言い方で、私のような分際で、失礼かもしれないがまたひとつ、頑張りたいと思う理由が増えた。
    7年前、この本を買っていて良かった。今、この本を手に取ってみて良かった。私にとって、人生を変える作品になったと思う。真梨幸子さんの他の作品もぜひ読んでみたい。

  • 素直に読んでたら最終、頭が混乱!
    さすがとしか言いようがない真梨幸子さん!
    女の嫉妬はほんまに怖ぇ…

  • .
    <あらすじ>
    タワーマンションの最上階に暮らす売れっ子作家・珠美。
    一方同時期にデビューするも珠美の影に埋もれる売れない作家・桜子。
    ある時、タワーマンションがある町一帯で大停電が発生し、
    その最中、珠美はマンションから転落。
    珠美は植物人間となり、珠美の編集者で不倫関係でもあった西岡が桜子に鞍替えしたことで、今度は桜子に風が吹き始める。

    寝たきり状態で入院中だが意識だけはハッキリしている珠美と、
    新作の執筆で苦悩しノイローゼになる桜子が交互に描かれ、、、。


    <オチ>
    10年後、桜子が新作を発表。
    その取材で桜子はタワーマンションで珠美を突き落したと告白。
    詳しくは新作に載っていると言い桜子は警察に出頭。

    新刊はミリオンセラー。
    桜子は執行猶予で釈放となり、珠美が住んでいたタワーマンションに住むことに。

    しかし珠美を突き落したのは桜子ではなかった。
    編集者の西岡と共し謀し自身の小説を売るためにウソをついたのだった。
    小説が売れたことで西岡は桜子と不倫関係になる。
    西岡は本を売るためなら何でもする男だったのだ。

    実際に珠美を突き落したのは西岡の娘だった。
    西岡の不倫などでノイローゼになった西岡の妻を見ていた娘が不倫相手の珠美を突き落し、
    同時期に西岡の妻は列車に飛び込み自殺を図ろうとするが失敗し寝たきりの状態になる。
    (作中に描かれていた植物人間は珠美ではなく西岡の妻だったという叙述トリック)

    現在、西岡の妻は寝たきりで入院中。
    それなのに今度は桜子と不倫している西岡。
    それをずっと見ていた西岡の娘は、桜子と父を殺害する。。。

著者プロフィール

1964年宮崎県生まれ。1987年多摩芸術学園映画科卒業。2005年『孤中症』で第32回メフィスト賞を受賞し、デビュー。2011年に文庫化された『殺人鬼フジコの衝動』がベストセラーとなり、”イヤミス”の急先鋒として話題に。2015年『人生相談。』が山本周五郎賞の候補となる。そのほかの著書に、『5人のジュンコ』『私が失敗した理由は』『カウントダウン』『一九六一東京ハウス』『シェア』など多数。

「2023年 『まりも日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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